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665. Lancet ID蔵出し3本

1. Safety of monovalent and bivalent BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine boosters in at-risk populations in Israel: a large-scale, retrospective, self-controlled case series study

Yamin D, Yechezkel M, Arbel R, et al. Safety of monovalent and bivalent BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine boosters in at-risk populations in Israel: a large-scale, retrospective, self-controlled case series study. Lancet Infect Dis. 2023;23(10):1130-1142.

BNT162b2 mRNA COVID-19ワクチンのブースター用量の短期安全性プロファイル(オンラインは6月公開)。イスラエル最大の医療機関データベースを使用。3,574,243人のうち、1,073,110人が1回目1価のブースター、394,251人が2回目の1価ブースターを受け、123,084人が2価の1回目、2回目、3回目のブースターを受けた。いずれのブースターワクチン投与後にも、COVID-19以外の入院リスクの上昇を示す徴候は認められなかった。心筋炎、痙攣、血小板減少症は、1回目の1価ブースター投与後にわずかにリスクが上昇した。虚血性脳卒中を含むその他の有害事象に差は認められなかった。

2. Tafenoquine co-administered with dihydroartemisinin–piperaquine for the radical cure of Plasmodium vivax malaria (INSPECTOR)

Sutanto I, Soebandrio A, Ekawati LL, et al. Tafenoquine co-administered with dihydroartemisinin-piperaquine for the radical cure of Plasmodium vivax malaria (INSPECTOR): a randomised, placebo-controlled, efficacy and safety study. Lancet Infect Dis. 2023 Oct;23(10):1153-1163.

三日熱マラリアの根治療法として、タフェノキンとジヒドロアルテミシニン/ピペラキンの併用療法を評価。ジヒドロアルテミシニン/ピペラキンの単独投与とタフェノキン+ジヒドロアルテミシニン/ピペラキンの併用、プリマキン
+ジヒドロアルテミシニン/ピペラキンの併用に1:1:1で割り付け。各治療群50例が対象。6ヵ月間のKaplan-Meier無再発有効性は、単独投与群で11%、タフェノキン併用群で21%、プリマキン併用群で52%であった。最初の28日間の有害事象は、単独投与群で54%、タフェノキン併用群で58%、プリマキン併用群で44%であった。重篤な有害事象は、それぞれ50例中1例、50例中2例、50例中2例で報告された。
タフェノキンはクロロキンと併用では効果をあげたが、アーテミシンとの併用では大した効果を及ぼさず。

3. Trends in invasive Haemophilus influenzae serotype a disease in England from 2008–09 to 2021–22: a prospective national surveillance study

Bertran M, D'Aeth JC, Hani E, et al. Trends in invasive Haemophilus influenzae serotype a disease in England from 2008-09 to 2021-22: a prospective national surveillance study. Lancet Infect Dis. 2023 Oct;23(10):1197-1206.

イングランドで2016-17年度以降、検査で確認された侵襲性インフルエンザ菌a型(Hia)感染症が増加。2008-09年から2021-22年度において、Hiaによる侵襲性感染症例が52例認められた。2015-16年までは0~2例であったが、その後、イングランド全土で症例が増加し、2021-22年には19例となり、全H influenzae感染症例の37%(52例中19例)を占めた。最近の症例増加のほとんどは、65歳以上の高齢者(33%)で発生し、通常、細菌性肺炎を呈した(76%)、1歳未満の乳幼児では発生率が最も高く、髄膜炎を呈しやすかった(50%)。全体の症例致死率は7.7%であった。WGSの結果、近縁のST15とST11(39%)、ST23(25%)、ST56(14%)がほとんどの症例を占め、血清型bがHiaに切り替わった証拠はなかった。重篤な疾患と関連するカプセルオペロンの重複は、40株中32株(80%)に認められた。コアゲノムとアクセサリーゲノムを解析した結果、ほとんどの分離株は単一株に分類された。

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