見出し画像

湯沢プチ移住によるワーケーションと短期小学校転校(3)

【地方で暮らす・移住の観点】
  「仕事があるか否か」がこれまで地方移住の大きなポイントの一つと考えられてきました。

もちろんその観点もケースによって未だ重要な場合もあるのですが、仮にその地での仕事が存在しなくても、「仕事がポータブル(持ち運び可能)」であれば全く問題とならないという事を今回改めて強く確認しました。職種にもよりますが、「働き口があるか否か」よりも「ポータブルな仕事を遂行できる環境があるか否か」の方が重要となるケースがあるのだと思いますし、新たに仕事を作るよりも移住促進のための訴求点になり得るのではないでしょうか。

"Work portability”という言葉を自分で考えつきましたが、この概念は今後表に出てくるのではないでしょうか。

タイトルなし

(出典:新潟県燕市役所にて2021年度実施した「行政実務へのデータ活用プロジェクト」の成果から)


 仕事を持ち運べるまたはリモートでほぼ完了することで場所の制約が取り払われる可能性は広がります。

例えば、今回滞在している新潟県湯沢町では、東京駅まで新幹線で約1時間15分で行けるため、週1回は都内のオフィスに出勤するという条件であっても、他の日はリモートで仕事をすることで、湯沢町に住むことは十分現実的な話だと思います。

タイトル

(出典:新潟県燕市役所にて2021年度実施した「行政実務へのデータ活用プロジェクト」の成果から)


地方は物価が高い(住居を除いて)」という話も聞きます。

確かに日常生活に必要な食品や日用品など、私が横浜で安く手に入れられる価格と比べると、一部高いものはありますが、肌感覚で2/3位の日用品や食材等は同じ値段でこちらでも手に入りました。

総じて「生活コストが高い」という実感は今回ほとんど感じませんでした。

 また、ひとえにネットの恩恵と言えますが、過去と比べ都市部と地方の情報や物流ギャップは劇的に下がったのではないでしょうか。

その街に必要なものを買うお店がなくてもネットで注文すれば翌日には配達されます。また、情報の面でも、自分が物理的に都会にいようが地方にいようがネットから得られる情報に差は全くありません。町に映画館がなくてもホームシアター作ってネット経由で観られます。


 もちろん物理的に人に会える機会は都市部のほうが多いと思いますが、それとて全体の情報量からすれば極一部でしょう。また、どうしてもの機会であれば新幹線でも飛行機でも少しお金を出せば、全国多くの場所で日帰りで東京まで行けるでしょう。

 地域との関わりは子供の学校での関わりとその保護者くらいでしたので一般論としてはよくわかりません。ただし、子供を通じてや、私自身の(今回の湯沢町での)限られた対人経験上感じたことは、全く排他的な空気はなく、むしろWARM WELCOMEな対応をして頂いたと思っています。


 確かに街で、高校生や大学生、20代の若い社会人を全くと言っていいほど見かけないのは違和感を感じもしますが、それが現実なのだと思います。

例えばこの近くには高校や大学そのものがありません。そのため、勉強を積極的に進めたいと考える子供がいる場合には、いずれ何かしらの壁にぶち当たるのだろうと思います。

 そのため、人生のライフステージや家族構成によって、その意味は様々ですね。私と妻だけのことを考えれば、あまり人がごちゃごちゃ密集しておらず、自然をゆったり堪能できるここに住み続ける事自体はあまり大きな支障はありません。

画像1

 地方と都市部どちらが完全に良いということではなく、それぞれの特徴と良い面があり、過去に比べて(ライフステージや働き方、価値観などに合わせた)人々の選択肢が増えたことはとても歓迎できることだと考えます。
全ての人がこれをチャンスと考えたり、状況的に実現できる状況にあるわけではないかもしれません。ただ、可能な人に対してこれをチャンスとできるかどうかは、その街や地方次第という面は大きいでしょう。


新幹線駅や空港、高速道路がある、空いている部屋や十分なネット環境が整えられるといった大きなポテンシャルを持ちながらまだまだ十分に発揮できていない(=チャンスは大いにある)町はたくさんあるのではないでしょうか。

ワーケーションや移住、2拠点生活といった観点では、「観光資源」があるか否かは(少なくとも私個人の視点からは)全く関係ありません。

そもそも働くことをメインの軸として一定期間滞在したり住む場合、そこが観光地であるかどうかなどはどうでもいい話です。

となると、自治体などが主催する「移住ツアー」などで、観光地やイベントに連れ回すのは逆効果かもしれません。

だって来ることを検討する人はそんなことより、誰にも連れ回されずとも、静かにそこで働けるか、暮らせるかを試したいわけで、毎日お祭りとなってしまうとそれすら確かめることができません。

私は今回誰にも邪魔されず(連れ回されず)自分のペースでゆっくり仕事とバケーションを満喫できて良かったと感じています。

(終わり)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?