キャンプフェス初心者がサイケロックフェスDESERT DAZE に行ってみた
「Desert Dazeに行きたい」
TAME IMPALAの名盤『Lonerism』に出会って以来、”ネオサイケデリア”というサブジャンルの沼にズブズブと沈み、Instagramで知ったDesert Dazeというサイケフェスにいつか行ってみたいという純粋な好奇心を持ち続けていました。今年で開催10周年の節目を迎えるということもあり、衝動的に初のアメリカ10日間の旅を計画しました。
初めての英語圏。
初めての単独海外旅行。
初めてのソロキャンプに加え、
1ドル145円に達するほどの超円安。
英語は詰まりながらも簡単な表現だけなら話せる程度で
正直不安だらけでしたが、
生涯忘れられないほどの思い出になりました。
素敵な出会いがあった話なども交えつつ、
Desert Dazeに今後行ってみたい、という方に向けて参考となる情報を共有できたらと思っています。
※当記事は主に体験したことに基づいた情報のみを掲載していますので参考程度にご活用ください。
実際にDesert Dazeへの参加をご検討の方は、オフィシャルページ上で提供されている最新の情報をよくご確認いただきますようお願いいたします。
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まずは簡単な自己紹介から。
関西を拠点に活動している、PROCYON(プロシオン)というサイケポップバンドで作曲をしているヨシキと申します。
2022年の自主リリースアルバム『DATSU』が
一部音楽ファンの間で話題にしていただいているようで誠にありがたい限りです。
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~Desert Dazeとは?~
Desert Dazeはアメリカ・カリフォルニアで開催される音楽フェスティバル。
サイケロックを中心にインディーアーティストが集結するフェスとして、音楽ファンの間で人気を集めてきました。2012年から始まって以来、10周年を迎えた今回の目玉はTAME IMPALAの名盤『Lonerism』の完全再現ライブでした。
~チケットについて~
チケットの細かな種類についてはオフィシャルページの案内、およびINFOページに記載の内容をよく確認しておきましょう。
https://desertdaze.org/information/
~ライブエリア入場チケット~
今回購入したチケットは3日間通しで、ライブエリアとキャンプサイトへ入れるリストバンドがセットでお得なWEEKEND GA + CAMPING BUNDLEチケットでした。購入時期が早いほど安くなるシステムで、僕は開催の1か月前に購入したので高くなっていました(499ドル)。
キャンプサイトのチケット購入の方は、前夜祭にも行けるようです。
(移動と日程の都合で僕は参加しませんでした)
ライブエリアに入るチケットにもグレードがあり、
GA(普通)< VIP< VIP PLUS
VIPチケットを購入の方は専用エリア、バーで優雅に景色とライブを楽しんだり、専用のゲートでライブ会場にスムーズに入れたりするようです。普通のチケットでも十分休むスペースはあり、メインゲートの出入りでも煩わしいと感じることは無かったです。
~駐車(パーキング)チケットについて~
Desert Dazeに車でお越しの方は、駐車チケットを購入する必要があります。
・Parking Add-Onチケット
キャンプなし、車で駐車場に滞在予定の場合。
・Car-Camping Add-onチケット
キャンプサイトに車を停める場合。
ちなみに僕はUberでの移動を予定していたのでどちらも購入しませんでした。
他にもホテル付きのチケットや、テントレンタル、キャンピングカーのレンタルプランもありました。できるだけ快適に休息時間を確保したい方や、1日だけ参戦するOne Day チケット購入の方におすすめのプランだと思います。
オフィシャルの動画でざっくりとフェスの雰囲気が見れます。
チケットを安い価格で販売する情報がRedditやDiscord、Facebookのコミュニティで流れていましたが、中にはフェイクアカウントによる投稿があるようでした。僕はトラブルに巻き込まれたくなかったので、オフィシャルページから購入しました。
~行き方~
大阪出発の僕は、
JAL:伊丹空港 → 羽田空港
デルタ航空:羽田→シアトル・タコマ空港 → ロサンゼルス国際空港
計18時間のフライト、片道67000円でした(2022年9月末時点)。
LAに到着後、4日ほどホテルを転々としながら観光をして、フェス開催当日の朝にUberを使ってLAの主要駅UNION STATIONから会場に移動する予定にしました。
会場はLake Perrisというキャンプ場併設の小さなビーチのある湖のほとり。UNION STATIONから車で1.5~2時間ほどの距離にあります。
アメリカでの交通ルールに疎い自分のリスクを考慮して、今回はレンタカー使わずUberで移動しました(料金は90~100ドルほど)。
単独で会場へ向かうのも不安があったので、FacebookのRIDESHARE GROUP(相乗りを募るページ)を頼らせてもらいました。https://www.facebook.com/groups/1711086262482554/
~相乗り(RIDESHARE)ついて~
幸運にも、この投稿にお返事をくれたSpenserくんと出会いました。今回の旅で本当にお世話になりました。本記事の最後で紹介させていただきます。
さらに、コメントでDiscord(招待制のグループチャット)のページに招待いただくこともできました。Discord上では、相乗りを募る人、Potluck(持ち寄りの品をシェアする場)についての話をする方、持ち物や服装への質問をする方、音楽だけでなく、カメラなど様々な趣味について雑談をする方などがたくさんいました。国外から空港を経由して参加される方による投稿もたくさんありましたので、移動手段についての情報収集においては非常に助かりました。
DISCORDへの参加リンクを掲載しておきますので、ご活用ください。
https://discord.gg/SrbUQN3GF9
~移動について補足~
もし移動費用を抑える場合は、Amtrakという特急列車を使ってユニオンステーション駅(LAX)からリバーサイド・アムトラック駅(RIV)まで行き、そこから車(Uberなど)で会場まで行くことも可能だと思います。
↓Amtrak↓
https://www.amtrak.com/regions/california.html
ちなみに、開催の1週間くらい前になって会場内部のマップがオフィシャルサイトに公開され、5日前くらいになってようやくタイムテーブルが公開されていたのを覚えています。
~リストバンドの引き換えからキャンプサイトまで~
PERRIS FAIRGROUNDSという場所にリストバンド交換のブースがありますので、チケット購入時に入力したメールアドレスに送付されているバーコードの画面をスタッフに見せてリストバンドを受け取ります。その後、車2台ほどが通れるゲートが見えてきますので、スタッフにリストバンドを見せれば入場はクリア。
UberもしくはLyftを使う場合、チケット引き換えブースを通りリストバンドを受け取ってキャンプサイトまで行くという流れをドライバーに説明しておきます。
僕は、上述(ピンクの画像)の注意書きを知らずにUberのアプリ上での目的地指定を大雑把に設定してしまったので、ドライバーから「キャンプ場までとは聞いてないよ」と言われ、チケット引き換えブースの前で降ろされてしまいました。
偶然通りかかったバンに乗っていた2人の青年に救われて無事にゲートを通り抜けてキャンプサイトへと向かうことができました。感謝です・・・。
~キャンプサイトについて~
1日目の11時ごろに到着したころには割と場所が埋まっていた気がします。僕が滞在したところはライブ会場から歩いて15~20分の場所。
マップ上で言うと、一番右上のエリアあたりな気がします。
(マップの表記もざっくりしていて、はっきりしてません・・・)
どうやらCar-Camping Add-onで入れるエリアのほうがライブ会場に近く、CAMPING PASSのみ購入の方はすこし離れたエリアになるようです。
前夜祭(木曜日)から入場してライブ会場に行きやすいポジションを狙うことも可能です。
キャンプサイトには、共用の炊事場、シャワー、トイレがあります。
皆さんきれいに使っていました。
普通のパーキングチケットよりも少し値段はしますがライブ会場のすぐそばに駐車できる優先チケット(Preffered Parking Ticket)のようなものもあります。
~持ち物リスト ※車なし、ソロキャンプする方向け~
キャンプ初心者の僕でしたが、不慣れながらもなんとかなりました。
持っていってよかったもの、持っていくべきだったものをまとめてみました。
~持ち物~
・スーツケース
・40リットル デイパック
・1人用のテント
・グラウンドシート
・帽子
・トラベル用浄水ボトル(BRITA Fill & Go)
・NALGENE ボトル(ライブ会場内で給水できます)
・サングラス
・衣類(寒暖差に注意。半袖Tシャツ、薄手のダウンジャケット、両方あると快適)
・体拭きシート(100均)
・匂い防止ポリ袋(100均)
・タオル
・寝袋
・エアマット
・毛布(夜は冷えますので必須)
・非常食
・水着(ビーチに入りたい方におすすめ)
・防水バッグ(シャワーのときに便利)
・モバイルバッテリー
・耳栓 or イヤホン
・メスティン(お湯沸かす用途)
・ポケットコンロ
・固形燃料(機内持ち込み不可、要現地調達)
~持っていけばよかったもの~
・日焼け止め
・砂埃防止用のスカーフ
・日陰を作れるタープ等
・サプリメント等
何よりも水分補給が大事なので、ボトルは必須!
食べ物については、出店しているフードが安いものでも15ドルくらいはしていたので、非常食を持参して節約しながら、タコス食べる程度に楽しんでいました。
一番困ったのは昼夜の寒暖差です!
9月末のカリフォルニアの最高気温は平均で30度、最低気温は平均で13度くらい。日中、直射日光に晒されたテントを閉め切っていると汗が噴き出るほどのサウナ状態になり、夜になると毛布が必須なほど寒くなりました。
慣れない寒暖差の中で、着替えや休憩のタイミングを考えながらテントの行き来をするのは想像以上に煩わしかったです。見たいアーティストのライブをできるだけ多く見に行きたい!という方は、会場から近くのエリアに滞在できるチケットの購入をお勧めします。
僕は昼夜の寒暖差と睡眠不足のコンボでヘトヘトになってしまって最終日には頭が回ってなかったですね・・・(笑)
あと、ライブ会場では砂埃が舞っているので、スカーフやハンカチ等での対策をお勧めします。僕は2日目に喉を傷めてしまいました。
~ライブ会場へ!~
ステージは合計で5つ
大きい方から順に”MOON”, ”BLOCK”, ”BEACH”, ”SANCTUARY”,
そしてマップ上部キャンプサイト内にあるOUTER SPACE。
ライブ会場内にビーチがあるのはDesert Dazeの見どころ!
泳ぎながらライブステージを遠くから眺めて楽しむこともできます。
個人的にお気に入りだったのが、SANCTUARYステージの近くにあったドームテントでした。「たくさんライブを見た後で休憩したいけど、キャンプ場まで戻るのも面倒」という時に休む場所として最高でした。
1日目の個人的ベストアクトはMild High Clubでした!緻密なサウンドスケープと奥深いコードプログレッションで感情を揺さぶられ、波にさらわれていくような多幸感に包まれました。(BLOCKステージ)
TAME IMPALAはもはやテーマパークのような盛り上がり!この日のためだけに用意されたライブヴィジュアルと共に名盤『Lonerism』の完全再現ライブ!(MOONステージ)
3日目はウクライナ出身のDAKHABRAKHAのユニークな演奏に歓喜!
ボーカルの旋律の重なり合いにうっとりさせられました。
BEACHステージ
そして幾何学模様(KIKAGAKU MOYO)
活動休止前のライブとしてふさわしい演奏、盛り上がりを感じました。
その他に見たのは
CYMANDE、JOHN CARROLL KIRBY、BABE RAINBOW、KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD、MEN I TRUST、SURPRISE CHEF、
FRANKIE & THE WICTH FINGERS、TELEFON TEL AVIV、VINYL WILLIAMS、STRAWBERRY GUY、GUM(DJ SET)、JPEG MAFIA、LEVITATION ROOM
FUZZ、BEACH HOUSE、PANTHER MODERN、POND、JJUUJJUU
沢山見られておなか一杯になりました。
特に最終日クロージングセレモニーを務めた主催者のPhil Pirroneのバンド”JJUUJJUU&THE FRIENDS”の演奏はDesert Dazeでしか体験できないような音楽体験でした。ぶっ飛んでました。
バンドによる生演奏でのライブが大半でしたが、
意外にもDJセットでレイヴパーティーのように楽しめる瞬間もありました!
どのライブでもスマートフォンを掲げている人は少なく、会場内の照明も最小限といった印象がありました。
~素敵な出会いに感謝!~
Facebookの相乗り募集の投稿で出会ったSpenser、そして彼の友人Danny、Ashleyは共にClear Vision Collective(CVC)というインディーミュージックメディアを運営するほどの音楽愛好家!アンダーグラウンドで日夜開催されているイベントに足を運び、出演アーティストのインタビュー記事を公開しています。
↓Clear Vision Collectiveのページ↓
https://www.clearvisioncollective.com/
Spenserは自身でも音楽を作る"Spaceyy"(スペイシー)として音楽活動をしており、サイケポップとヒップホップやフォークなどを融合させた楽曲はキャッチーで覚えやすいです。特に彼の声がとても心地いい。
DannyもラッパーBUXX BANDOCOOT(バックスバンドクー)として活動しています。最近公開した曲の歌詞の中には"Pokemon”、”Japan”というワードが出てきていることからも、日本のカルチャーへの愛着が感じられました。ぜひ日本に遊びに来てね。
同じインディー音楽愛好家同士の奇跡的な出会いがあったことにこの上なく感謝です!
一緒に楽しもうと言ってくれた彼らの心の広さ、暖かさは今も心に沁みています。Ashleyも帰りまで相乗りさせてもらってほんとうにありがとう。本当一緒に行ったSONIC DRIVE-IN(ローラースケートを履いたスタッフが注文した品物を持ってきてくれる)にいって「めちゃアメリカやな〜」って言いながら食べたバーガーもいい思い出です(笑) 日本に遊びに来るときは必ずお礼します!
YoutubeでCVCによるDesert Dazeのレポートを見ることができます!
長尺のライブ動画をお届けしてくれていますので、フェスの雰囲気を覗いてみたい方はぜひご覧ください。SpenserもDannyもAshleyもみんな軽快にいろんな人と触れ合っていてフェスの楽しさが伝わってきます。
1日目レポート
2日目レポート
3日目レポート
CVCのinstagramではほかにもアメリカでのインディペンデントなイベントの様子を垣間見ることができます!
ぜひフォローして活動を応援してください!
最後まで読んでいただいた皆様、ありがとうございました!
ハイクオリティなサウンド、ライブビジュアル、アートインスタレーションを楽しめる場所を提供いただいた主催者、スタッフのみなさんに敬意と感謝の気持ちで溢れました。
Desert Dazeに少しでも興味を持っていただけると幸いです!