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【保存版】英語ピッチデモデー優勝の舞台裏!非ネイティブのおっさん起業家が準備したこと赤裸々に晒します

こんにちは!株式会社プロフィナンス 代表の木村 義弘です。
有り難いことに、当社が参加しておりました、JETRO様が主催・Plug and Play様運営の、Global Preparationコース、その最終日に行われたDemo Dayにてピッチ優勝の栄誉に恵まれました!

まずこの場をお借りして、主催・運営のJETRO様、Plug and Play様、本プログラムのメンターの皆様には最後までのサポート、フォローいただきましたこと心より御礼申し上げます!
そして一緒に参加してくださったスタートアップの皆様!
ズッ友だよ!(失礼)

というわけで、このピッチに臨むまでの準備と舞台裏ですが、「なんかM-1に出る芸人さんみたい」と言われました笑。
皆様の参考となるよう赤裸々告白するために記事にすることにしました!

(想定通読時間:6-10分)


前提

以下、適宜ご自身の状況踏まえて、読み替えていただけるよう前提をお書きします。

ピッチ自体の前提

  • アクセラレーションプログラムのDemo Dayという位置付けであった

  • アクセラレーションプログラム自体がとても手厚かった

  • 英語ピッチである

  • 持ち時間は3分+質疑7分、全英語

ピッチスピーカーの前提

  • 話者は普通の日本人よりかは多少英語は得意。帰国子女とかではなく純ドメ人間。ネイティブでもないです。海外駐在経験はありますが、米国ではありません。

  • そもそも人前で話すことにあまり抵抗感はない、場数は踏んでいます。

会を振り返り他のピッチ登壇者の皆様

  • スタートアップのCxO

  • 十分の練習をされてきている

    • 本プログラムを通じてピッチ、英語ピッチの練習機会がたくさん設けられています

  • 英語苦手!という人もしっかり工夫して英語でピッチできている


スライドタイトル

準備について(本題)

さて、どのように練習・準備したか、という点についてご説明して参りましょう!

基本ポリシー

  • どこまで行っても "Practice makes you perfect."です。

  • 心の準備として、自分が思ってる以上に、本番・ステージに立つ、大勢の人前で話すというのは緊張しますし、舞い上がります。それはどんなに場数を踏んだとしてもです。自分が得意だ、と思って練習せずにこういうイベントに臨むのは自信ではなく怠慢・驕りです。


アクセラレーションプログラムだからこその準備

  • 個人的な心がけですが、プログラム全体を通じて「盛り上げ役でいよう」と思っていました。アクセラレーションプログラムは自分が目立てばいいだけではなく他の人たちを引き立てることも必要だと個人的に考えています。プログラム運営者側からすれば「プログラム全体を盛り上げてくれる人」は貴重な存在となります。まず、運営の方を味方につけましょう!

ピッチ資料について

  • ピッチ資料構成:これは別途まとめたいと思います(後述!)。

  • ピッチ資料提出について:期日がある場合は期日通りに提出しましょう。「最後まで粘りたい」ということで遅れて提出する方もいるし、運営の方からも事前に連絡していればOKをいただける場合もあります。しかしながら、その分、練習に時間が取れないので正直悪手だと思っています。もちろん戦略などが突然変わってしまう可能性もあるけどそれを全部反映しきる必要はありません。できるだけ期日通りに提出して、準備(=練習)に時間を投じる、というのがいいと考えています。

練習!練習!練習!

  • 練習あるのみ:基本ポリシーの通り、めちゃくちゃ練習します。結局これが一番大事。ピッチ資料を提出した日からどんなに忙しくても1日に1-2回は練習して、通算300回くらいは練習しました。

  • スクリプト(台本)は絶対作る!:そもそも普段からプレゼンテーションが得意な方はスクリプトなんて用意しない、という方も多いのですが、どんなに話すのが得意、プレゼンが得意、英語が得意だとしても作った方が良いと思っています。実際、僕もプレゼンテーションは得意な方で、セミナーや講義等、年間100回以上やってますので、相当場馴れもしています。しかしながらピッチのときはスクリプト作るようにしています。プレゼンの場合は10分〜20分、そのあとの討議などでいくらでも挽回、帳尻合わせができます。一方、ピッチは3分しかない(時間制限あり)ので一つのつまづきで致命的に崩れる場合もあります。3分で全部出しきるためにもスクリプトは必須です。これは日本語・英語どちらでも適用できます。

  • 英語のスクリプト:最初は自分で、英語で作成し、その上でChatGPTに添削してもらいました。ChatGPTで0から作ったり、日本語から翻訳だと微妙にChatGPTっぽさ・翻訳ソフトっぽさが出るので、拙くても自分の言葉でスクリプトを作ってGPTなどで添削をかけるのがよいでしょう!

  • 英語スクリプトとChatGPT:プロンプトを書くときに「話し言葉として分かりやすい、伝わりやすい表現を」、もっというと「小学生でもわかるような語彙で」と指定してあげてください。何も指定しないと、めちゃくちゃ難しい単語とかでてきたりしますが、文章ならいざしらず、ピッチならばカンタンな英語でシンプルに言うことが大切です。あとそんな難しい言葉、たぶんピッチで言えません!

  • スクリプトの効用:一度文字で可視化することで、「自分が伝えたいこと」をシャープにすることができます。プレゼンや話が得意な人ほど、当日のテンションに当てられて余計なことをしゃべって時間オーバーとなってしまいます。ピッチではアドリブはしません。アドリブのように見える演出まで練習して行うものです。

  • スクリプト作成の友だちはChatGPT:英語の場合、ChatGPTがスクリプト作りの最高の友だち。ただし、どんなけプロンプトいじっても最後は自分が言いやすい表現、伝わると信じる表現に仕立て直してください。書面は相手の立場で書いた方がいいですが、ピッチでは自分が直接言葉を伝えるので熱が籠る、自分が腹落ちしてる言葉を使う方が結果としてはよいと思います。

  • スクリプトの修正:スクリプトは練習する中で都度修正していきます。特に英語の場合は「言葉として言いにくい、発音しにくい」単語は必ずあるので、練習する中で修正していくことをオススメしています。慣れ親しんだ語彙であったとしても、ピッチの中で話すとなんか引っかかる、という言葉があります。僕も相当改訂しています。

  • 時間目安を測る:実際にピッチ資料を送りながら普通にスクリプトを読んで、「持ち時間×90%」(3分であれば2分45秒くらい)の時間で終わるようにスクリプトを調整しました。本番はどうせ焦ったりして言い直しが出たりします。結果、ギリギリになってしまいます。それくらい話すことをスクリプトの段階でシャープにします。スクリプト自体は練習しながら、前日まで変えていました。

  • 録音:スクリプトが固まってきたら、時間を測って読み上げ、録音します。その録音を自分で聴き続けます。スクリプトを変えたらまた録音しなおします。ひたすら自分で聞き、シャドウイングしながら頭に入れました。2-3日前までにここまで来れてればOKだと思います。

  • スクリプトは丸暗記:繰り返しになりますが、プレゼンや人前で話すことが得意な人ほど、本番で急に思いついた余計なことを話したりします。そういうことした結果、時間が思ったより過ぎて、それに気づいて焦り、一気に崩れます。そうしないためにスクリプトを覚えて、スクリプト通りに再現できるようにします。(それでも本番は抜けますけどね)

  • 時間配分を記載:スクリプトに各ページの想定時間を記載します。私は、「1分経過でここのスライドまで終わっている」、「2分経過でここのスライドまで終わっている」というマイルストーンをスクリプトに記載しました。ピッチ大会の場合、持ち時間を示してもらえている場合も多いので、目安にします。本番で「ここで1分、ちょうどやな」「2分、ちょっと時間過ぎてるな」というのが分かります。できれば、「ここで2分過ぎてるなら、スクリプトのここを削って話す」をシミュレーションしておくとよいでしょう。


右端に1分、2分の大まかな目安を記載
  • スクリプト+α:オフラインでピッチをする場合はボディランゲージも重要です。私は、大きめのモニターやテレビにスライドを映しながら、ボディランゲージの練習もしました。

  • 終盤の練習:スクリプトを覚えたら、あとは実際にモニターにうつしてスクリプトを見ずにできるか、です。スクリプトを覚えてきていたら、なんとか最後まで行けますが、詰まったり言い直しをしていると制限時間を超えます。この時間を記録して、1秒でも短くなるよう練習し続けます。ここでもスクリプト内容のチューニング(言いにくい表現を言い換える等)します。

質疑応答セッションがある場合

  • 質疑応答の準備:質疑応答は普段からピッチなり自分の事業についてプレゼンしているとあまり対策は必要ないと思われるかもしれません。しかし、舞い上がってたり、テンションが上がっていると質問を聞き間違えたり、余計なことを言ってしまったりするので、一定どう返すのがよいかシミュレーションしておきました。特に英語ピッチで質疑応答がある今回、私は、想定質問とそのモデル回答を20個用意しておきました(Plug and Play運営の方が素晴らしく、10問程想定質問をくださっていました。その質問自体は来ませんでしたが笑、よい準備になりました)。
    想定質問が思い浮かばない場合は、一般的な質問と普段の事業説明で聞かれる内容を英語にしておけばよいと思います。またピッチ内容で明らかに説明が不足している部分については聞かれる可能性が高いので、穴を埋める意味で想定問答を用意しておきます。例えばピッチの中に価格表の話を入れてないならば価格を聞かれるかもしれません。

  • 質疑応答の練習 with ChatGPT:その上でChatGPTの音声質疑モードで練習できます。僕は主にモバイルアプリ方で練習していました。アプリを開いて右上のヘッドホンマークをクリックすると音声会話モードになります。

  • "I am a CEO of a startup. Now I am preparing for the pitch event. Please give me typical questions on Q&A session of the pitch event as an investor." と話しかけます。そうするとGPT側でだいたい10個くらい連続で挙げてくれます。そのあと、"Please give the questions one by one and I will answer it. And please evaluate my answers." というと一つひとつ質問投げてくれますのでこれに回答します。最後終えると、自分が話した内容も文字に起こしてくれますので、"Please review my answers above." とタイプすると、文章内容をレビューしてくれます。1日1回、30分くらいはこの練習をしていました。


スマホアプリ版ChatGPTで会話練習!

当日

  • イベント全体を盛り上げよう!:当日、僕は盛り上げ役に徹しました。もちろん合間で練習するけども、他の人の登壇タイミングで"Hoooooo!!!"といって盛り上げます。そうすると本人だけでなく、自分も落ち着くことができます。「他の人の応援もできるくらい余裕がある」と自分に言い聞かせる効果があります。

  • 笑顔で:ステージ登る時は必ず笑顔で。会場を見渡します。盛り上げてくれる人がいたら手を振ったり、腕を上げてアピールしましょう。笑顔でいたら、聴衆の誰かが笑顔を返してくれるかもしれません。

  • 一呼吸:ステージに登ったら一旦息を吐いて一呼吸置きましょう。これだけで落ち着けます。
    ここで、自分が緊張しているかどうかわかります。緊張していたとしたら、「ほらほら想定通り、緊張してるじゃん」と心で笑います。緊張していなかったとしたら「思ったより、緊張してないじゃん」と心で笑います。どちらにしても心が落ち着きます。

  • 練習が生きていたら:ピッチ中はスライドは見ません。できる限り会場の聴衆を見ましょう。スライドを見るとしてもスライド送り・アニメーションが機能してるかどうかのチェックだけ。スクリプトを覚えて練習してたらできます(できるようになるまで練習しましょう)。

  • ピッチ中は楽しむ!:ピッチがスタートしたら「楽しむ」、「楽しそうにピッチする」のが大切です。固くても笑顔をつくりましょう。ピッチに出場するくらいの起業家であり事業であるならば、「その事業成長の先に世の中へよいインパクトをもたらす」のは明らかです。あとは起業家自身が「その事業をめちゃくちゃ楽しそうに語っていること」が大切なのだと思います。あなたの物語を届けてください。
    *僕は関西人なのでいくつか笑いポイントもしかけましたが、不自然な笑いを取るのではなく、ピッチの流れで「クスッ」と笑えるものがあれば十分です。楽しそうにピッチをしていればそれで十分です。

  • 基本姿勢:個人的に大切だと思っているのは、「会場全体をいかに巻き込むか」です。以前もAwardを頂いたときは、冒頭に「このプロダクトは、起業家、そして起業家を支援する方々、そう、つまりここにいる皆様のためのプロダクトです」と訴えました。こうすることで聞いてくださっている方が「自分のため?」となります。聞き手の「自分事」にできるか。
    ただ今回のピッチでは、そこは触れず、「なんかこいつ楽しそうにしてるな」と思って頂くよう心がけました。気分としては「こんなに楽しいよ!さぁ、一緒に踊ろうよ!」という気分です。
    *自分のピッチ風景を撮影したビデオを頂いて見直しましたが、「なんか小太りのおっさんがはしゃいでる」と自分では思ってしまいました笑

なぜここまでやったのか?

  • 全てのピッチにここまで本気でやるかどうかは経営者自身のリソース配分の問題もあるのでお勧めしません。ちなみに僕はこのピッチの週は企業研修講師として日中はほぼ研修の仕事をしていました。当日も実は午前中は翌日の研修資料の最終化をしていました笑。練習は本当に合間でやっています。

  • 最後は審査員の方との相性次第の部分もありますので、ここまで対策しても結果がでるとは言い切れません。時の運もあるでしょう。それでも、他のピッチとは違う感想をもらえれば成功ではないかと思います。少なくとも今回、僕のピッチ終わったときだけ審査員の皆様、"Energetic Pitch"という言葉を使ってくださいました。

  • スタートアップとして「絶対に結果を残す」という想いを持って挑むことが必要なときがあり、その経験を組織で持てることが大事だと思います。そして、その想いを、想いだけで終わらせるのではなく、「どう検証可能で再現性を持ちうるプロセスに落とし込めるか」だと思います。なので練習プロセスを「また再現できるか」で考えていました。

  • 今回は特に、当社事業において勢いが出てきた / 風が吹いてきたという状況でした。対外的にもアピールしやすい、このDemo Dayで結果を残すことは、字面以上の意味もあるはずと考えました。

  • なので、恩着せがましく聞こえると嫌なんですが、「頑張ってくれている自社メンバーのため、絶対に結果残す」と思って取り組んでいました。


続きは…

最後までご覧頂きありがとうございます。
ピッチに臨む準備について語りましたが、次回あらためて

  • 実際どんなピッチの構成だったのか。またどういう構成がよいのか

  • スクリプトはどんなものだったのか

について触れたいと思いますが…
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