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『侍タイムスリッパー』 別府ブルーバード劇場 舞台挨拶参加レポ


12月23日、別府ブルーバード劇場であった『侍タイムスリッパー』安田淳一監督と、出演の沙倉ゆうのさんの舞台挨拶上映。
もう、劇場が観客でパンパンに膨れ上がり、熱気のある上映になった。昭和の名残を残す劇場なだけに、上映中観客からは、笑いが起こる。自分はGAGAが配給を始め、地元のシネコンで1回観ており、今回は2回目の鑑賞。
しかし、11月に別府ブルーバード劇場で開催されたBeppuブルーバード短編映画祭で、安田淳一監督の初期作品『シークレットプラン』を観た後での『侍タイムスリッパー』だったので、初見の時よりも、観方が違ったように思う。


今回も質問コーナーが設けられ、質問をする機会があった。
「シークレットプランを拝見し、侍タイムスリッパーの9年前の作品と聞いた。どうやって侍タイムスリッパー撮影するまでのレベルを上げることができたのか、そのポイントは何だったか?」
みたいな質問。
『シークレットプラン』は、主演女優が沙倉ゆうので、監督は安田淳一なのだが、とても『侍タイムスリッパー』と同じ監督で、同じ役者の演技とは思えなかった。とにかく、沙倉さんの演技に抑揚がなく、撮影もインサートの風景が物語に馴染んでない印象を受けたが、『侍タイムスリッパー』は、ギャグ的なシーンと、ラストの緊迫したシーンとの緩急の素晴らしさ、無駄のないシーン構成等、非常に初期の作品との差を感じた。

撮影のポイントは、照明を上手く使い始めたことなど、サラッとした回答だったが、『シークレットプラン』当時と、『侍タイムスリッパー』まででも、監督の中で一貫しているテーマ、物語構成の意図があることを熱く語られていた。それは
ファンタジーにしないこと
ここは、監督が作品をカタチにする上で、非常に大事にされている部分であって、作品の芯として今までの作品にも貫かれているとのことだった。
 
しかし、出演された役者の熱が高い作品であることに間違い無い。ラストのシーンの息をするのを忘れそうな40秒と、最後の間の抜けた台詞の対比も見事な作品でした。


上映後、『映画制作の教科書』や、『映画脚本の教科書』等のコラムで、良く安田淳一監督の言葉を拝見しており、その思いを伝えたかったのだが、パンフレットへのサインとおふたりとの撮影を希望する観客の多さに諦めて撤退。 
仮住まいが、別府ブルーバード劇場から、かなり離れた場所に住んでいるので、あまり長居が出来ないのが本当に寂しい。

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