第3回Beppuブルーバード映画祭 2日目レポ
11月29日、30日、12月1日に開催された、『Beppuブルーバード映画祭』2日目の参加レポです。
初日のレポは別記事でアップしています。良かったら通しでどうぞ
(かな~り長いけど)
Beppuブルーバード映画祭2日、1作品目 翔んで埼玉
映画祭2日目、この辺りから上映作品で何を観るかの迷いが出始める。
今回、1作品目は少しばかり迷った。
3階劇場上映は『シュート!』それも応援上映。
「森くん出てるんだよなぁ…」
と思いつつ、初見の『翔んで埼玉』を是非スクリーンで観ておきたいと、2階劇場上映のこちらに決定。
劇場前に10分くらい前に到着すると、
『上映時間の1時間前からの整列をお願いします』
の張り紙が。
早く着きすぎてしまった……
何となくその辺に立って、1時間前になるのを待つ。
この張り紙があるのに、他の上映でも早々と列が形成され、不平等感を感じたとのTweetを映画祭開催中見受けた。
入場方法、入場待ちの整列に関しては、来年の宿題になるんだろうな。
この時、劇場前でTwitterのタイムラインでよく見かける『ゆーいち』さんと、『ツルチャン』と初めて会う。
ネット上で言葉だけの存在だったのが、実体のある生身で遭遇するのは、いつ体験しても不思議な感覚になる。
実体としての自分は、他の人にはどういう風に映っているのだろう?
と考えてしまった。
無事劇場に入り、いつもの2列目右寄りの席を確保。会場は7~8割埋まっていた。
作品の感想は、
「これぞ、エンターテイメント!」
また、驚くべきことに、ギャグ満載の展開なのだが、出演者に狙った演技が全くないこと。
作品の世界の中で、出演しているひとり、ひとり、真剣にその世界で役を生きている。
笑わせようとして、笑いが起きるのではなく、途方もなく真剣に生きて、行動して、それが笑いになっているのだ。
特に、川を挟んだ千葉県と埼玉県の合戦シーンは大爆笑。
お互いの県同士は、本気で戦っているところに、またさらに笑いが生まれる。
戦い方は間違ってる気がするのだが……
何はともあれ、スゴイぞ!『翔んで埼玉』
また、印象的だったのが『埼玉ポーズ』
要所、要所でキラッと光るスパイスになるこのポーズは、作品を観た人には忘れられないものになったに違いない。
『キネマ旬報』で『翔んで埼玉』の特集記事があり、今でも埼玉ではロングランされていて、県内の方はもちろん、県外からも上映を観に来られるお客さんが、後を絶たないそうだが、それも頷けた。
そして、出演者で目を引いたのが
京本政樹!
『必殺仕事人』の組紐屋の竜、『牙狼』の暗黒騎士・呀、『里見八犬伝』の犬塚信乃、どれもその演技は心に刻まれ、印象に残っている。
つい最近も劇場版の『牙狼・月虹ノ旅人』で、感涙にむせんだばかりだったので、非常にタイムリーで、スクリーンに引き込まれてしまった。
大満足(孤独のグルメ風に)。
そして、上映終了後は、ジェントルさん司会で、中原翔子さん登壇でトークが始まった。
中原翔子さん、3階で『シュート!』の応援上映のため、入りが心配だったそう。
満員とはいかなかったが、かなりの席が埋まり、活気のある上映だった。
映画祭参加は、Beppuブルーバード映画祭の前身となる『Beppu凱旋映画祭』から、連続で4回の参加となっており、皆勤賞です。
『翔んで埼玉』の出演は、一応候補とのことで、決定しているとは思っていなかったらしく、決定したのも撮影前ギリギリ。
作品中の出演時の格好のまま、監督と現場で初めて挨拶することになったとのこと。
周りの役者さんとは、共演経験が無い方ばかりの完全アウェイ。
かなり緊張した模様。
演じるのは、原作には登場しない役で、役名は小道具の貝を選ぶ時に、
中原翔子さんが ”あわび”
小沢真珠さんが ”さざえ”
を手に取ったため決まったようで…
適当かよっ(小声
GACKT演じる麻実麗を捕獲する海のシーンで、脚本では『羽交い締めにする』とのト書きだったが、貝を持っていたためト書き通り出来ず、思わず口から出た印象的な台詞は、アドリブだったそうだ。
(この後に、京本政樹登場のシーンなので、興味がある方は、是非ご鑑賞を)
GACKTの受けの演技がスムーズだったので、アドリブの台詞が活きたとのこと。
ここで、質問コーナー開催
質問1.
「中原さんは、千葉県民ですか?」
中原さんは、熊本県出身なので、「いいえ」とのお答え。
監督が千葉の方らしく、親戚は熊本に沢山いて、中原さんとの共通点だったそうだ。
質問2.
映画の内容に関わる質問なので割愛
最後の決戦のシーンについてだが、撮影は3日間かけたとのこと。
この場所で大規模な撮影を行ったのは、初めてかもしれないらしく、引きの画では東京マラソン時の映像も差し込んだそうだ。
質問3.
「コメディは感情を作るのが難しいと思うが、どのように役を作るのか?」
感情は作らず置いておいて、キャラクターにどれだけ寄せていくか、世界観を壊さないよう、原作にいてもおかしくないように心がけて役を作ったとのこと。
自分達の生まれた場所を愛する気持ちを真剣に演じたそうだ。
ここで、急に映画ライターの よしひろまさみち さんが、劇場内に
「Beppuブルーバード映画祭で、『翔んで埼玉』の上映を知った、伊勢谷友介さんからコメントが届いてます。動画データなので、スクリーンに映すことができないが、パソコンを準備して、劇場カウンタで観られるようにセッティングしてます。お帰りの際にどうぞ」
とのこと。
伊勢谷友介さん、メッチャいい人や。
質問4.
「GACKTさんに触っているシーンがあったが、どんな触り心地だったか?」
キャラが出来上がって、衣装なども繊細なものだったので、なるべく触らないように気をつけていたとのこと。でも、近くに寄った時に、すごくいい匂いがしたそうだ。
また、共演した京本政樹さんは、『里見八犬伝』を観て憧れの存在だったそうで、そのカッコ良さ、演技に痺れたとのこと。
質問5.
これは自分が質問できたのだが
「作品中に印象的だった『埼玉ポーズ』は、映画のために作られたポーズなのか、それとも、元々埼玉で存在するポーズなのか?」
これと同じ質問を、映画監督の高橋洋さんからされたそうだ。
『埼玉ポーズ』は、埼玉のとあるローカル番組で考案されたポーズで、キッチリと形が決まっており、左手を前に、右手を後ろ、まっすぐ立ったら左足を少し前に出して、モデル立ちのような感じ。
『埼玉ポーズ』で検索すると詳細が分かるようです。
そして、おもむろに中原翔子さんから
「Beppuブルーバード映画祭で注目していることがあり、この後に『STAY』のジャパンプレミアムが控えていて、尚玄さん、Darryl Wharton-Rigby監督が登壇予定です。去年『デリバリー』という映画を、この映画祭でワールドプレミアムをしたことが心の支えになったので、『STAY』のジャパンプレミアムに是非立ち会いたい。この上映が、映画を作る人の力になり、別府に帰って来たいという思いになるので、是非、皆さんもご参加ください」
との熱い想いを語り、最後は皆で『埼玉ポーズ』で舞台から集合撮影。
熱いメッセージは受け取ったが、自分は次の上映鑑賞を『パッチギ』に決めてるんです。
沢尻エリカ逮捕により、もう2度とスクリーンで観れないかもしれない。
この機会を逃したくないという思いは揺るがないんです。
と心の中で呟き劇場を後にした。
劇場を出ると、カウンターにノートパソコンを置いて、伊勢谷友介さんの動画コメントを再生していた。
おざなりの挨拶コメントかと思いきや
な、なんと!
ちゃんとブルーバード劇場や、映画祭のことに触れた丁寧なもの。
伊勢谷友介さん、メッチャいい人 ☓2
Beppuブルーバード映画祭2日、2作品目 STAY
目次見て、
「あれ? 『パッチギ』を揺るがない気持ちで観るんじゃなかったの?」
と思った、あなた。
人生の分岐点って、どこにあるのか分からないのです。
劇場外に出ると、すでに驚くような『パッチギ』上映待ちの長い列が。
その横で、劇場常連のAPUに通うハーフの男の子が、別列をひとりで作っていた。
「えっ? 『パッチギ』観ないの? 俺、『パッチギ』並ぶよ」
聞くと、さっきまで1時間程、Darryl Wharton-Rigby監督とお茶しながら、映画談義に花を咲かせてたとのこと。
「ボクは監督を裏切って『パッチギ』は観れません。こんなに長い間、話しまでして、『STAY』を観ない訳にはいきません」
と絞り出すように語る。
その横で、『STAY』主演の尚玄さん本人が、劇場を出るお客さんに『STAY』のポストカードを配っていた。
自分もそれを直接本人から渡される。
その瞬間、走馬灯のように思い出す。
去年の映画祭、『ココロ、オドル』を観て感動したこと。
その後、途中で参加した地下でのウェルカムパーティーで、尚玄さんに映画の感想を直接伝えられたこと。
本上映を今年7月、ブルーバード劇場で行い、上映後、懇親会にも参加。色々、作品について、役作りについて、撮影についての自分の質問に、丁寧に応えて頂けたこと。
ダメだ…
俺も尚玄さんを振り切って…
『パッチギ』の列に並ぶことなんかできないよ…
半ば強引に、未練を切り捨てるように(実際は切り捨てられてない)
ハーフの子の後ろに並んだ。
自分の後ろには、このタイミングで、劇場でよく一緒になる常連の女の子が加わった。
くしくも、今年7月の『ココロ、オドル』上映後の懇親会に参加した3人が、『STAY』上映待ちの列に揃う形となった。
『パッチギ』の坂口拓さん、楽しみにしてたんだけどなぁ…
しょうがないよね。
『STAY』の列は、順調に劇場内へ。
おそらく、2階劇場の7~8割埋まっていたのではないかと思う。
映画の感想、内容は、ジャパンプレミアムのため割愛します。
ドラッグに関する映画で、ギリギリ触れられそうなものをかい摘んで。
上映後、Darryl監督、尚玄さん登壇。司会は森田真帆さん。
Darryl監督から
「ジャパンプレミアムをここで出来て嬉しい」
との感想。
尚玄さんは、濡れ場が激しい作品だったので
「自分の日記を観られているようで恥ずかしい」
とのコメントが。
去年5月に、井浦新さんの舞台挨拶が別府ブルーバード劇場であり、『二十六夜待ち』を上映した時も、濡れ場の激しい映画だったため、上映終了後、かなり恥ずかしそうに、居たたまれない感じで立っていた井浦さんだったが
「もう… 照明を当てないで…」
と言ったのを思い出す。
最初、尚玄さんと森田さんが、交互に英語で監督に英語で質問して、かい摘んで通訳する形だったのだが、急遽、APUのハーフの子が、監督専用の通訳として登壇することとなった。
この作品、撮影したのが5~6年前の東京。
すでに、渋谷等の街並みが現在とは変わっていて、尚玄さんは懐かしいと感じたそうだ。
元々は、アメリカで撮るつもりだったが、日本のドラッグからの更生する記事(ニュース)を読んで、監督が日本へ興味を持ったそう。
主人公を尚玄さん、相手役の女性はイギリス在住のモデル、アナさん。
作品内は日本語と英語で展開し、どちらにも字幕が下に表示される。
女優がなかなか決まらず、今回決まった女優さんは、尚玄さんの知り合いのカメラマンから紹介されたそう。
何人かの候補をスカイプでオーディションしたとのこと。
日本での撮影は、ゲリラ撮影が多く、
「許可を取るより、画を撮れ」
が監督のモットーらしい。
ここでも、質問コーナーがあり
自分が質問できた
「主人公のリュウは、日本人同士のコミュニケーションはひどくもどかしく感じるが、英語で彼女と話す時は、やけに饒舌に感じた。日本での居づらさ、生きづらさ等を意識して、監督と演出されたのですか?」
というもの。
主人公のリュウは、日本人と会話をする時、肉親以外とは、言い淀んだ、上手く思いを伝えられない人物に思えた。
それに比べると、英語で交わすアナさんとの会話は、流暢で非常に感情のこもったものに感じたので質問してみた。
演出として考えてはないが、英語という言語自体に尊敬語がないので、コミュニケーションが取りやすいのではないか。
また、後ろめたい気持ちが主人公にあるため、そういう所を意識して演じた部分はあるとのこと。
リュウが、人と深く関わり合わないようにしようとする防御の部分も演技に含めていたようだ。
まぁ、突っ込んだ内容に対してのコメントは、ネタバレになってしまうため、こんな所で。
かなり、激しいラブストーリーでした。
Beppuブルーバード映画祭2日、番外編 リリー・フランキー、白石和彌監督トークショー
『STAY』の上映後、劇場外に出ると1時間前じゃないが、すでに仮列が形成されている。とりあえず、その列に整列。
『パッチギ』の上映は、まだ終わってないが、すでにかなりの人数が劇場前にいる。リリー・フランキーのトークショー参加は、熾烈を極めること間違いない。
1時間前になると、運営からの並び方の指示が入る。
今回は、ブルーバード劇場の地下に並ぶとのこと。仮列だけに、ここで並んでいた順番が1度崩れた。
このトークショーから、待機列に整理番号が配られるようになる。
正規の列の1番前には、さっき通訳で登壇していたAPUのハーフの子が。
いつの間に! さっきまで姿形もなかったのに。
今回の映画祭で残念だった点は、この上映と整列の繰り返しにより、ゲストの方々とゆっくり話す機会が、ほとんど無かったことだ。
『STAY』上映中にリリー・フランキーさんは、劇場外に少し居たようで、できればその時に、サインをいただきたかった。
今年の映画祭で悔やまれた点。
『東京タワー』のハードカバーをカバンに準備して、2日目に臨んだのだが、劇場舞台以外でリリーさんと遭遇することは無かった。
そういうちょっとした空き時間に、ゲストと遭遇する機会が持てる入場形式を来年確立して欲しいな、なんて贅沢にも思う訳です。
かなりの列形成で焦っていたが、またスルスルと前へ向かい、3階劇場の2列目右寄りの席を確保。
やはり、『パッチギ』鑑賞から参加のお客さんは、ほぼ後ろの席だったようだ。
かなり楽しみにしていたトークショーが始まる。
司会は、森田真帆さん、真ん中に白石和彌監督、右側にリリー・フランキーさん。
うっ、リリーさんが近い。ナイスポジションの位置取り。
今回は、客席からの撮影はNG。
森田さんからの紹介され、リリーさんが
「ここで振られて『別に…』って返す奴はいないですよね」
と、いきなりかます。
映画祭についての感想は、『パッチギ』上映の後のトークだし、地下ではダイノジ大谷さんのDJあったりで
「カオスですね」
とのこと。
また、森田さんが館主の照さんのことを、
「テルが……」
と言っていると
「ちょっと、GLAYのボーカルみたいに『テル』って言うの止めてもらえます? 自分と白石監督が『タクロー』と『ジロ―』になるでしょ?」
とリリーさんが切り返して、爆笑してしまった。
リリーさんのブルーバード劇場の思い出は、『地獄の黙示録』を15歳の時にここで観たこと。
越境入学で、1年間だけ別府に下宿経験があり、その時にブルーバードで観た映画を覚えていたようだ。
また、すぐ近くにある海門寺公園で、谷川さんに告白してOKを貰い、駅までの道が『ラ・ラ・ランド』のように感じられた、周りのみんながエキストラの見えた思い出を語る。
谷川さんは、敬虔なモルモン教徒で、日曜日に遊んだり、買い物するのは不謹慎だとか、色々と意識の隔たりがあり、結局上手くいかなかったと。
詳しくは『東京タワー』を読んでくださいという流れに。
そこで、司会の森田さんから、今回別府にリリーさんがいらっしゃるということで、別府の本屋さんで、リリーコーナーが出来て、『東京タワー』が推されているという情報が。
そこから、大分のトキハの裏にあった日活ポルノをバカボン達と3人で観に行った話
下宿先の大家さんの風呂に入ると大家さんの奥さんが入ってくる話
東京から編集者と車で湯布院まで走って(リリーさんは免許を持ってないので運転はずっと編集者)泊まった宿の女湯を混浴と間違えて、どうどうと入った話と続く。
大分は久し振りらしく、最後に来たのは、大分パルコの閉店前に開催されたトークショー以来とのこと。
それ、俺も参加しました! 9年前です!
その時、質問コーナーがあり、リリーさんからの指名で質問することができた。
当時、NHKでYMO再結成の特集番組があり、リリーさんが司会でYMOの3人と対談して、その司会を淡々とこなしている姿が、非常に冷静で落ち着いてみえた。
「YMOの再結成の番組を拝見したんですが、あの3人を前に淡々と司会をして話しを回すリリーさんに驚きました。リリーさんが、緊張して舞い上がってしまうような人って居るんでしょうか?」
という質問に
「あの時、実際緊張してたんですよ。舞い上がる程じゃないけど… 誰だろう? 舞い上がる程緊張する相手って…」
と何十秒か考えた後
「優香です…かね」
との答えに、
「は…はぁ…」
としか返せなかった自分。
心の中では、小さい三村マサカズが
「優香かよっ!」
と突っ込みを入れてたのですが。
スイマセン、リリーさん。
あの頃、そんなにリリーさんが、優香のことが好きだって、全然知らなかったもので、気の抜けた反応をしてしまいました。
実は、その時も『東京タワー』のハードカバーを持参して、サインを貰おうと思ったのだが、あと少しの所で実現できず。
歴史は繰り返す……
閑話休題
途中、『凪待ち』上映記念と銘打っているのに、『凪待ち』の話題に一切触れてないことを森田さんに突っ込まれる。
『凪待ち』の話しは、軽く触れ、白石監督作品の出演についての話題に。
白石監督には、『凶悪』の頃から起用されているが、最初,ピエール瀧さんは、出演に乗り気じゃなかったとのこと。
絶対面白いからと、リリーさんが説得して出演を決めたらしく、リリーさんとピエール瀧さんに追い込まれる役のジジ・ぶぅは、リリーさんから監督への紹介、推薦だったそうだ。
「いつも飲みながら楽しそうにしている雰囲気で、面白がって追い込んでください」
との指示があり、白石監督のそういう演出はかなりエグイよう。
リリーさん、瀧さんで監督につけたあだ名は、
『鬼畜どんぐり』
『サディスティックハムスター』
の2つが候補に挙がったらしく、撮影時の非情振りがこっちにも伝わってくるあだ名だ。
ここで、リリーさんが、追加登壇者として、真木よう子さんを呼び込む。
白石監督と、リリーさんの間に、真木さん。
真木さんが挨拶すると
「何かひと言は『別に…』でしょ」
とリリーさんが、真木さんに突っ込む。
真木さんを加えて、またさっきの話しの続き。白石監督曰く、
「演技で人が苦しんだり、我慢、頑張っているシーンは、笑えてくる」
らしい。
真木よう子さんと、リリーさんの共演について、司会の森田真帆さんが質問すると
「共演したことあるんですよ、『そして父になる』で夫婦役やりました」
その直後、リリーさんが福山雅治のモノマネを披露。
に、似てる!
なんか、こもった低音の声の特徴を良く捉えてる。響きも完璧だし、言い回しもそのままだっ!
何か得した気分。
リリーさんと、真木さんは、以前から知っている仲なので、夫婦役は照れ臭かったそうだ。
真木さんにオファーが来る役は、常識人や正義感が強い役がほとんどなため、サイコパスな役をしてみたいと思っているらしい。
それに対して、リリーさんは、殺人というのが演技の中で1番ファンタジー(殺人を経験して演じることは無いため)なので、あまり考えずに演じる。逆にごく普通の日常のような演技の方が、考えることが多いとのこと。
そして、白石作品は、出るのは面白いが撮影は過酷らしく、『サニー/32』の撮影時に、楽しみが宿の温泉しかなかった話しを、しみじみと語ってくれた。
強い女の役が多い、真木さんに
「女囚さそりシリーズとか似合いそう」
のふたりからの振りに
「やりたい!」
と意欲的。
リリーさんは、脱獄マニアの白鳥由栄の女版みたいな展開で作って欲しいとの要望あり。
この枠は時間の流れが早く、あっという間の気がした。
Beppuブルーバード映画祭2日、3作品目 孤狼の血
あっという間に時間の過ぎた、リリー・フランキー、白石和彌監督のトークショー。
劇場を出ると、次の上映待ち列への運営からの指示がすでに出ていた。
『孤狼の血』の上映待ちは、近くにある海門寺公園で、すでに形成されているとのこと。
だが、ここですぐに海門寺公園の列に並びに行けなかった。
今回、去年の映画祭参加と違う点が、県外からひとり、Beppuブルーバード映画祭の特撮枠の参加を強く勧めていたこと。
この日来別して購入していた4回券を、その人に渡すことになっていた。
今回の映画祭、単独参加ではなく、お客さんをお招きする立場として予定を組む時に困ったことが多々あった。
タイムスケジュールがなかなか決まらなかったこと。
特撮枠のチケットが何枚必要か、ギリギリまではっきりしなかったこと。
ウェルカムパーティーが開催されるのか、去年と形式が変わるのか情報発信がなかったこと。
宿の予約、チケットの購入時に、この情報が把握できなかったのは、かなり厳しく、綿密な予定が非常に立てづらかった。
来年は、県外からの参加もし易いように、整理された情報発信と、発信源の一本化、公式ホームページの役割、更新方法の見直しを切に望みます。
劇場から出て10分くらい経った時、映画祭に誘った方と会え、無事4回券を渡すことができた。
会うのが約半年振りだが、再会を懐かしむ余裕もなく、4回券を渡し早々と『孤狼の血』の上映待ち列へ。
誘った方は、『LGBT短編集』に興味があるようで、上映に参加するとのことだった。
足早に海門寺公園にの列に並び、整理番号をもらうと『114』
後方席、止む無し……
長い列で劇場まで進み、3階劇場内へ。ダメ元で前へ進むと、なんと2列目右寄りの席に空きが!
ツキあり。
もう半ば諦めていたが、これでゲスト登壇も近い距離で満喫できる。
と、斜め後ろ3列目に、今朝会った『ゆーいち』さんが着席。150番台の整理番号だったらしく、3列目に座れて喜んでいた。
ゆーいちさんは、広島から車での参加、
「俺が出てるシーン見つけてね」
と言われ、一瞬「ん?」となった。
そういえば、タイムラインで見かけた時、趣味でエキストラ参加とか書いてたような……
『孤狼の血』でも、エキストラとして少し出演しているようだ。教えてもらえたシーンを上映時確認したが、確かにこれは、言われないと全然気付きませんよ!
『孤狼の血』は、上映前にゲスト登壇があり、白石和彌監督、真木よう子さん、岩永ジョーイさんの3人が登壇。司会は森田真帆さん。
まずは、白石監督が初見のお客様を確認。
結構いらっしゃったようで、ネタバレ注意の緘口令。
司会の森田さんから、真木さんをキャスティングした理由を白石監督に尋ねる。
カッコイイ女性、女性は強くあって欲しいという願いから、真木よう子さんのキャスティングは最初に決めたようだ。
真木さん演じるリコは、映画の女性の象徴だと。
それに対して、「本当に最初ですか?」と真木さん。
役所広司さんは、同じ時代には所属していないが無名塾の先輩に当たるので、身近で演技に触れられるのがありがたかったとのこと。
また、『孤狼の血』にも出演している滝藤賢一さんが、無名塾時代、真木よう子さんと同期で、「滝藤」と呼び捨てにしているらしく驚いた。
クラブのママ役のため、真木さんは、司会の森田さんから(かなりの頻度で会うマブダチ)演技指導を受けたとか。
20歳から15年間、キャバクラから始まり、最後には銀座のチイママまで登りつめた森田真帆の本領が本作品で発揮され……てはいなかったようだ。
真木さんは、あまり脚本を読み込まないそうで、現場で相手に対峙して、その演技を決めるとのこと。
あまり読み込んで決めてかかると、演技の広がりが無くなってしまうのかな。
撮影について白石監督。
かなり際どいシーン(暴力等)は、脚本にのせずに撮るようにしている。脚本に載せると、役者の所属事務所から確認が来るらしい。
『孤狼の血』の最初のシーンもひどいシーンから始まるので、初見の人は深呼吸して観て下さいと。
『孤狼の血』の撮影について、森田さんが、岩永ジョーイさんへ質問。
台本見て、キャストみて、本当に真剣にやらねばと姿勢を正したそうだ。
松坂桃李さんと、役所広司さんとの絡みのシーンしかなく、撮影日数は少なかったが、こんなエンターテインメント作品に出演できて良かったという感想だった。
ギラギラした男達の中で、動じない真木よう子さんに驚いた森田さんが、
「あれは演技で動じてない振りをしているのか、本当に動じてないのか、どっち?」
という質問に、本当に動じてないそうだ。
男3人の中で育ったので、それが日常だったよう。できれば男になって、この作品に出演してみたかったとも言われていた。
今の時代でこういう映画が観れ、出演できるのはうれしく、やってやった感があるとのこと。男の格好良さを出すのに、そこら辺の監督じゃ形にするのは無理だと語る。
最後に3階劇場を見渡し白石監督が
「満杯の映画館で観た映画は跳ねる。この映画でそれを経験して。また、別府の20館程あった映画館がブルーバード1館になったということは、この劇場は街の宝も同然なので、これからもみんなで、劇場を、映画を支えて欲しい」
という言葉でトークを締めくくった。
映画の感想は、ラスト近く、松坂桃李と岩永ジョージのシーンは必ず力が入る。
江口洋介は、いい役者だなぁ。
スワロウテイルの劉梁魁(リョウリャンキ)くらい、一ノ瀬は印象に残る役でした。
後、初日に参加した『彼女は夢で踊る』と、この『孤狼の血』は、広島で撮影された映画なのだが、どちらのエンドロールにも出演者として『さいねい龍二』の名前が。
彼は戦隊シリーズの『特捜戦隊デカレンジャー』のデカレッドを演じていたが、所属するホリプロを退社し、実家のある広島へ戻ったことをある日知った。
特撮好きとしては、広島に戻ってローカルタレント等で出演するが、もう役者として、お目にかかる機会はないのではないかと寂しく感じていたのを思い出す。
だが、今回広島撮影のこの2作品にエンドロールで名前を見つけ(上映中にはどこに出演しているか気付きませんでした)
これから、地方を拠点に活動する役者が、出演作数も減らずに、全国区の作品で活躍できる可能性があるな、そういう役者がぐっと増えてくるかもと、うれしく思ったことを付け加えておきます。
これで、2日目の上映参加は全て終了。
この後、ZEROナイトに参加したのですが、去年と違い爆音で音楽がかかっているため、沢山のゲストの方々が参加してくれたのですが、落ち着いて映画の感想や、お話しをすることができませんでした。
去年、一昨年のウェルカムパーティーの形式が、自分にはしっくり来るようです。
そういいながら、途中でフラッと表れた高野八誠監督には、全力で今年も映画祭に参加してくれたお礼を伝えました。
このZEROナイトで思いの外、ヒットポイントを削られたことを知るのは、3日目の映画祭参加途中のこと…
長い2日目のレポ、これにて終了。
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