2017.12.20に参加した稽古の記録
ブログとして公開していたものを転載。京都大学の合気道部の皆さんとの交流記録です。
投稿が前後しましたが、12月20日、師走もだんだん押し迫る中、大学に伺って稽古したときの記録をアップします。
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ぶらっと稽古のお品書き
2017/12/20 29代 吉川 聡
11月祭の復習をします。小坂さんの話にあった「氣」について、熊本先生の話に出てきた反射と判断について、それぞれ私なりに稽古の中でどうとらえるかを話した後、最後に私の演武の帯刀で行う技について解説します。
1.気の話
(1) 背骨のたわみを下から上に移動させる運動
気功体操で「鳥の型」と言われるもの。ネットで検索すると(ちょっとアヤシイおじさんが)実演されてます。背中を緩めて気の流れを良くする運動と理解しています。
(2) (1)を生かして、両肩抑えから前に跳ね返す呼吸投げ
ゆっくりできたら、ピピっというのもやってみる。受けが肘を張ってないと効かないです。塩田剛三先生のビデオに似たような技をされている場面があったと記憶してます。
(3) 両肩抑えから体を開く呼吸投げ
押さえられてる力を下っ腹(から後ろ足)で受け止めて、腹の中のボールの上をずりっと滑らせて投げてあげる。前足を軽く踏み込むのがコツ。
(4) たわむ動きを斜めに使って、肩取りから二教
たわんだ動きで相手の腹に攻め込んでいく感じで
2.反射と判断の話
判断するのはいいけど、その前提として、判断した結果、ちゃんと対応できる技をもっているかどうかが大切。技のバリエーションを自分の中に備えておきましょう。
(1) 体の転換を、受けが引いたり押したりするのに反応しながら
転換するかしないかを持たれる瞬間に判断するのは難しい(私もできません)。相手の取り方に応じて、踏み込み方を変える訓練は、時々やってみるとよいかと思います。
(2) 正面打ちの一教を3時と9時の方向へ
普段稽古している正面打ちは相手の足の位置に対して1時や11時の方向へもっていっている・・・と考えたとき、ほかの方向へも崩れないかという発想のバリエーション。
やってみると実は3時や9時の方が簡単。だけど、受けが大変だし、取の体の使い方を学ぶ上でも、普通に稽古するのは1時と11時がよいと思ってます。
(3) 片手取りから隅落とし
一つの技を磨いていく過程として、
形をおぼえる→流れをおぼえる→もろもろのコツを取り入れて工夫する
というのがあると思ってます。前腕部の重心を中心に、なるべく力を使わずに相手を動かす崩し方を試してみましょう。
3.帯刀して諸手取りの技いろいろ
(1) 転換して呼吸投げ
諸手取りの呼吸投げ。手が固定されているので、1.でやった胴体をたわませる動きを動員して、ハラで投げる感覚が大切。手は、バイクのアクセルを戻すように柄の上を滑らせる。
なお、柄頭で相手の腹を攻めていく呼吸(柄当てとか言われます)とか、飛び込んでくる相手の流れを転換してそのまま投げる呼吸投げは、時間がないので省略。
(2) 転換してしゃがんで、剣を縦に抜いて浴びせる呼吸投げ
片手取りの呼吸投げの帯刀バージョン。剣を浴びせようとしたときに相手とぶつかるようなら、さらに転換して刀が無理なくできる間合いを確保します。
後ろ両肩取りをされた状態から抜くのも、演武ではやりましたが、ちょっと訓練がいると思うので、またの機会に。
運動負荷が少なすぎたかなぁ、なんて思ってますが、季節的にガンガンやる時期でもないですし、こういうのもいいですよねたまには。
―以上―