ちょっとした物語

ある女の子が男の子にこう言いました。
「大人になったら魔法が使えるようになりたいわ」
男の子は不思議そうに答えます。
「何を言うんだ、君はもう魔法を使っているじゃないか」
女の子はぽかんとした顔で「どういうこと?私、空も飛べないし燃え盛る炎も出せないわ」
男の子は笑って「同じことを君はしているんだよ」と答えました。
女の子はずっと要領を得ない表情で「何を言ってるかわからないわ」と言いました。
緑の絨毯のような草原にぽつんと建つ(というより、そこに突如として現れたかのような違和感すら感じる)
白い壁に赤い三角屋根のアンティーク調のお家の影で、女の子と男の子は笑っていました。

そして、男の子は言いました。
「言葉って人が一番最初に覚える魔法なんだよ」


以上、部屋の掃除がめんどくさいから魔法でどうにかなんないかなーと思った時に浮かんだ、いつかどこかで本当にあったかもしれないちょっとした物語でした。




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