#21 エヌエコツーリズム 田中栄一(たなか えいいち)さん
エヌエコツーリズムの田中栄一(たなか えいいち)さんは、35年前にネイチャーガイドと環境活動を始め、「人と自然との繋がりを取り戻す」というテーマのもと活動を続けてきました。生活の不安定さから30年前に起業し、15年前にセミリタイアを決意。その後、沖縄・南城市に移住し、11年が経過しました。 沖縄での活動としては、エコツーリズムや自然学校、カフェの運営をスタートし、コミュニティ作りや恩納村で宿泊施設も手がけていました。
しかし、コロナ禍の影響により、これらの事業は一時停止。その時期に子供たちの不登校問題が急増し、それまで利用されていた親御さんたちからの相談を受けたことがきっかけで南城市内でフリースクールを開設します。その後も、子どもの居場所づくりや子ども食堂の開催など、地域の子供たちを支える活動に尽力しています。
11月23日に、田中さんが主宰する「SUP&ビーチクリーン&釣りもあるよ!」イベントです。
お問い合わせは、℡:050-3636-2270 Necoツーリズムまでお願いします。
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自己紹介とNエコツーリズムの活動
ーー本日は南城市の海沿いの高台から収録しておりまして、美しい砂浜がちょっと見えたりしますけれども、静かな場所でございまして、本日ご登場いただくのはこちらの方でございます。自己紹介をお願いいたします。
「エヌエコツーリズムの田中栄一と申します。」
ーーよろしくお願いします。 エヌエコツーリズム代表の田中栄一様、田中様の勉強会にもご参加いただきましてありがとうございます。
「途中で退出しちゃったりしてますけど、今のところ全部行ってますからね。」
ーージャンケン大会勝ちましたか?
「ダメなんですよ、もう1回も勝ったことないですね。全然残るワクワクドキドキ感もないまま、1回戦で負けちゃってますね。」
ーー10月からまたワークショップが始まるんですけど、一応毎回僕賞品持ってきますから、1回ぐらい買ってください。
「何出すか教えてください。」
ーー事前にメールしてきますから。
「ありがとうございます。」
Nエコツーリズムの仕事内容
ーーエヌエコツーリズム様はどのようなお仕事をやってらっしゃるんですか?
「難しい質問ですね。仕事って言うと、仕事なのか、お金を稼ぐ仕事なのか、それ以外なのか。」
ーー田中さんはどんなことをやってらっしゃるんですか?という質問に変えます。
「そうですね。」
ーーどんなことをやってらっしゃるんですか?
「たくさんあって何から説明したらいいのかというと、迷ってしまうんですけど。 一番今、時間を使っているというところでいくと、フリースクール。分かりやすくすると。 僕らはオルタナティブスクールと言っているんですけども、それの活動が一番時間を使っていて。あと似たようなことになるんですけど、子どもの居場所というところですね。子ども食堂。勉強を見たりとか、この自然の中で遊びに行ったりとか、社会見学したりとか、そういった活動が2つ目ですね。 あとは、自然の保全活動というところで、海のビーチクリーンだったりとか、森行って森の土を良くしたりだったりとか、そういった活動ですね。」
フリースクールと体験学習
ーー今、私がいるこの場所が、フリースクールの拠点ですか。
「そうですね。」
ーーフリースクールというもの自体は、どんなことをやるんですか。
「どんなことをやるのかと言いますと、僕たちは中心としては、自然と暮らしっていう、そこに焦点を当てたところでして、自然体験ですよね。 海に行って、自分たちで魚を獲ったりとか、森へ行って木の実を獲ったりとか、そこで自分たちに料理するとかっていうところで、そういった暮らしの体験、学習、自然体験、学習っていうところですね。 一般的なお勉強っていうのも、最初のうちはしてたんですけど、ちょっと今はやってないですね。なんでかっていうと、子どもたちがこの環境に来ると、ちょっと机に座ってお勉強するというよりかは、思いっきりはじけたいなっていう。」
ーーそれは人間の性としてそうですよね。
「そうですよね。ここで急に勉強するんだっていう気にならないよ。 こんな自然にいっぱいのとこ来て、机に座っておとなしくしなさいって。」
ーーそれは無理ですね。
ーーそう。だったら、ここでは思いっきりエネルギーを使って。 ここは週3回の開催なので、他の時間とかはお家でやったりとか、学校行きながら来てる子たちもいるので、そこまでお勉強するっていう。机に向かってするというよりかは、体験学習っていうことで。」
ーー体験学習、なるほど。
「そんな学校ですね。」
ーー何名くらいいらっしゃるんですか?
「今、27人ですね。」
ーーその子たちは、お子様たちは、南城市内の方なんですか?
「どれくらいかな、6割、7割くらいですね。」
ーー7割が市内の方。
「市内で、あとは市外ですね。 結構ね、もともと遠いところにいたんだけど、南城市に引っ越してくるとか、県外から近くにこの学校に通うために来るということで。南城市民になってる方が多いですね。」
家族の引っ越し
ーーいらっしゃるんですか?
「います、います。」
ーーお父さん、お母さんも引っ越してきて?
「そうです、そうです。今、デジタルノマドじゃないけど、お仕事は結構外でできるので。 それで、お父さん、お母さんたちもネットでお仕事をしたりとかしながら、子どもの環境が大事だよねという方がだんだん増えてきて。 全国を回ってきて、どこでも仕事できるから、気に入ったよということで、そこで住まわれて。」
ーー南城に住んで。
「そうそう。それこそ、ちょっと卒業してからまた違う場所に引っ越するとか、本当に自由に家族ごと引っ越していくっていう方たちがいたりして。時代変わったね、って。」
ーーちなみに、田中さんたちの活動に出会い、南城に住んでもいいよって、家族丸ごと引っ越してきた方たちは、今までの何組くらいいるんですか?
「何組だろう。」
ーーざっくりでいいんですけど。
「7組くらい。」
ーーすごい。
「すごいでしょ。」
ーーすごいね。すごいですよ。やっぱりこの環境を見ちゃって、ここだと思ってくるんですかね。
「でしょうね。やっぱり子どもたちもここ来て体験するんだけど、体験してのびのびしてたりとか、今まで暗かったのが生き返るように元気になったとか、そういう姿を見るのもそうだし、お父さんお母さんもこの南城の環境を見たら、ここいいよねって、自分たち自身も気に入ったりとか、子どもも気に入ったとかすれば、それは引っ越すよねって。」
ーーなるほど。
「そんなに難しいことじゃないよって。」
ーーそれ、かなりヒントですね。
田中さんの活動理由
ーーいいじゃないですか、これ。 これからどんどん伸びていかれる領域なんじゃないかと思っていますが、そもそも田中さん、ここにたどり着くのはなぜですか。 どこでお生まれになって、どうしてここに来ちゃったんですかということなんですが、何年前に南城に。
「僕来たのは10年前ですね。」
ーー10年前。それまではどんな人生を歩んでらっしゃったんですか。
「もともと出身は岐阜県とか愛知県、その間を行ったり来たりしてたんですけど、今から30年前に自分で起業をして、15年前にセミリタイヤして、金融資本を求めるのはやめようということで、それでセミリタイヤをして、こっちに来ましたね。 自然のことをやりたいなと思って、自然と人を繋げるっていう、繋がりを取り戻すっていうのが自分の役割だなっていう、いろんな出来事の中でそういったことを考えて、自然って言ったらやっぱり沖縄だなっていうことでここにたどり着きましたね。」
沖縄と南城市の選定理由
ーー沖縄っていうのが一回フォーカスされた後に、その中でも南城を選ばれた理由なんですけど、なぜですか。
「南城はね、沖縄は大自然なんだけど、大きな自然っていうのも大事だと思うんだけど、そこにやっぱり暮らしっていうのがないといけないなっていうところでいくと、南城市っていうのはまだ自然が残ってるんだけども、その自然の中に暮らしっていう文化があったりとか歴史があったりとか、そういったところがやっぱり気に入って、あとはもう本当に海沿いに土地があったっていうのが大きかったですね、それで。」
ーーたまたまこの場所に巡り合ってたんですか。
「そうですね、たまたまですね。」
ーーいいとこ見つけましたね。
「すごいですよ。導かれてるとこがあるじゃないですか。」
ーーそうでしょうね。
「で、来たら、最初知らなかったんだけど、隣に川はあるし、滝があったりとか、すぐ行くと洞窟があったりとか、本当にね、自然のいろんな多様な自然っていうんですか、ただ海だけじゃなくて山だけじゃなくて、そこにいろんなものがあるっていう。だからね、すごいですね。なんかもう、あなたやりなさいって。」
ーーそういうことなんでしょうね、きっとね。
人生と貧困体験
ーー田中さんの人生面白そうだな。面白そうって言っちゃあれですけど、ちょっと深掘りしたいな。
「なんでいろんなことがまわってるかっていうと、まわってるっていうか、岐阜県のとこで、じいちゃんおばあちゃんが自給自足の暮らしだったんですよ。 幼少期で結構そこで育って、世の中でやってて楽しかったんだけど、結構めっちゃ貧乏だったんですよ。親も働いて、鍵っ子でいなくて、おじいちゃんおばあちゃんに預けられたりとか、そういった経験もして、それこそ今、居場所事業の貧困対策っていうところで本当に自分たちもそうだったんですね。 周りの近所の方に育てられながらきたっていうのもあったりとか、そういうことを経験したから、今、知らないうちに同じようなことが起こるってことなんですね。 そのときに周りの近所の方に育てられたっていう方に、本当は恩返しとかするんだけども、死んじゃっていなかったりするから、恩送りっていう形で何かできたらいいなっていうところはあります。」
自然と文化
ーーそれでは次のご質問に行きたいんですけども、南城の好きなところ、どんなとこですか?
「好きなところはですね、やっぱり先ほども言ったんだけど、自然ですね。 自然とそれだけじゃなくて、自然とそこに暮らしがあるっていうところが大きいですね。 やっぱりそこの世話もそうだし、そこを守ってきたこの地域っていうのもそうですし、暮らしとそこでやっぱり文化があるよとか歴史があるよとか、そういったところがすごいなって思ってます。 その自然の中でも本当に海だけが綺麗であるんじゃなくて、森があって山があって川があって滝があって、大きな洞窟も何個かありますよね。 その多様性、やっぱり自然が作り出していくんですよ。僕らは自然のモザイクって言うんだけども、そこが作り出していくエネルギーというか、そこが好きですね。 よくパワースポットって言われるんだけど、僕らはそういう感じないんだけど、何があってそういう生命力、生物だったりとか、生き物の生物、それが生きようとする力っていうところでパワーが感じるなっていう。」
ーー自然があり、だからそこに人が生き着いて文化歴史があってというのがちゃんと残っているということですか。
「そうですね。」
ーーありがとうございます。
「あとは人ですね。人が、個性がある人が多いんじゃないでしょうか。 うちは久手堅だから、ヌーバレーっていうものがあるんですけど、地域の芸能があるんですけど、自治会の同じ班の人が地方(じかた)でみんな三線やってたりとかするんで、みんなすごいプロレベルの人がいっぱいいて、沖縄ってすごいし、またこういった地域の人でみると本当にすごい人がいっぱいいるなって思いますね。」
ーーありがとうございます。南城の好きでないところ。
「好きでないところ。好きでないところが難しいですよね。嫌い。 嫌いって言うじゃなくて、好きじゃない。」
自然災害と個性の強さ
「自然災害がちょっと多いですね。」
ーー多いですか。
「多いですね。うちで行くと本当台風がすっごくて、ツリーハウスとか作ったりすると、もう2回ぐらい飛んじゃったりするし、あとは本当に崖崩れも多いし、田んぼとか畑やってるんですけど、そこから川から水が引いてるんですけど、そこが決壊して。全部沈む。田んぼが全部沈んで、もう使い物にならなくなったりとか。 そこはね、そう、ありますね。 あとは、そうですね、さっき言った人で行くと、個性が強いけどやっぱりちょっと頑固な人が多いし、まとまりがないですね。自分の意見を貫いて、みんなで仲良くやりましょうみたいな。別に必要あるかないかはわかんないけど、そういったので、まとまりがないなっていう。 好きなことを自分たちで勝手にやってて、いいではあるけど、でも何かやろうと思うとまとまらないっていうところが。 僕もね、よそから来てるので、全部してるわけじゃないですけど、なんかいろんなね、まちづくりのことでちょっと参加したりとか、地域のお話し会とか参加したりとかすると、なんかそんなことを感じましたね。」
ーーそうですか。それは15年前に田中さんが過ごしてた世界と比較して、やっぱりコミュニティの中には割と自分の意見を押し通そうとする人が多いって感じなんですか?」
ーーそうですね。
「そうですか。なるほどね。」