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#35 ホテル沖縄夢登(むーと)支配人 大城八弥(おおしろ やや)さん
南城市玉城出身の大城八弥(おおしろ やや)さんは、大学進学を機に県外で福祉を学び、卒業後に沖縄へ帰郷。児童デイサービスの立ち上げや太陽光販売事業などの経験を経て、現在はホテル沖縄夢登(むーと)の支配人として活躍されています。 生まれ育った玉城を離れたのは大学時代の4年間のみ。それ以外はずっと南城市で過ごされ、地域と深く関わりながら暮らしてこられました。
現在は、百名保育園跡地に3年前に建てられたホテル沖縄夢登で、お客様が心地よく過ごせるよう心を尽くしたおもてなしで、たくさんのご縁を大切にされています。
ホテル経営を通じて、南城市の雄大な自然や温かな人々の魅力を改めて実感され、市民一人ひとりが「南城市の観光大使」となれるようなまちづくりを願いながら日々奮闘されています。
大城八弥さんの前半です。
ホテル沖縄ムートの支配人について
ーー本日はですね、実は私以前に泊まらせていただいたことのあるホテルにお邪魔しておりまして、そちらのホテルの支配人さんにですね、今日はインタビューをしたいと思っております。自己紹介をお願いします。
「はい、よろしくお願いいたします。私、南城市百名の元百名保育園跡地に建っております、 ホテル沖縄夢登(むーと)のジョーシチャーとして毎日楽しく過ごしている大城 八弥(おおしろ やや)と申します。」
ーーはい、大城八弥様。沖縄夢登の支配人、今ジョーシチャーって言ったんですか? ジョーシチャーというのは何なんですか?
「ジョーシチャーというのは沖縄の言葉でお手伝いさんという意味があるそうで、支配人というとちょっとカタックルしく面白みがないので、ちょっと面白くどうお伝えしようかということで、ジョーシチャー、何のお手伝いかってよく聞かれるんですけれども、お越し下さる皆様のお客様の旅を楽しむお手伝いをさせていただいております。そういう意味でジョーシチャーという。」
ーー初めてお会いしました。ジョーシチャーさん。
ホテル沖縄夢登の由来と設立経緯
ーーここの宿は、ホテルは何室くらいあるんですか?
「ホテル8室ですね。全8室になっております。」
ーーできて3年目。
「3年目。」
ーー1回泊まらせて、7月かな、泊まらせていただいたんですけど、すごく快適ですよね。
「ありがとうございます。嬉しいです、本当に。」
ーーここはちなみに、八弥様のご親族が建てたってことですか?
「そうなんです。私の父親、両親が建ててですね、元ここ百名保育園というのが玉城村時代にありまして、そこを南城市からお声がかかって、父親がご縁ありまして、そこでホテル。 最初アパートも考えたようなんですけれども、やっぱり出入り、出入りというか、いろんな方々が行き来できる、そういう土地だったというこの南城市、あ、百名のこの旧道の方が建ったので、もっと活発してほしいというお声があって、だったらホテルにしようかということで、8室のちっちゃなホテルなんですけれども、たくさんの方々が南城市、百名の魅力に心地よさと気持ちよさを感じきれる、地元の方とも交流も兼ねて拠点になればいいなと思って。夢登っていう、沖縄夢登、夢に登るって書くんですけれども、泊まってくださった、ご縁いただいた皆様の夢が登っていきますように、ということで夢登と名付けています。」
ーー素敵な名前ですね。
「ありがとうございます。」
ーーちなみに大城さんは、お手伝いさんになる前に、どんな人生を歩んでお手伝いさんになっちゃうんですか?
「お手伝いが多かった人生です。」
ーーそうですか。
「最初、大学は千葉の方に行って福祉を学んだんです。」
ーー福祉を学んだ。
「福祉を学んで。最初、介護福祉を全般に学んで、卒業して入社したのが、子どもたちの児童デイサービスの立ち上げということで、子どもたちの発達のお手伝いをさせていただいていました。」
ーー沖縄に帰っていらっしゃって、児童福祉の立ち上げの後、どんなことがあったんですか?
「その後は、父親が本職が電気工事なので、その時に太陽光システムの販売店を次にさせていただいていました。その時は、太陽の光を皆様に届ける。 アマテラスという社名だったんですけど、アマクマテラス、沖縄でアマ、あっち、そっち、照らすということで、太陽の力をお借りして、皆様に光をお届けしてまいっていました。」
ーーというご商売を経て、経てこれ。
「経てこれです。なので、私、ホテル業というのは一切やったことがなく。」
ーーなるほどね。
「なんですけど、人と関わることが好きなので、高級ホテルのようなサービスはできないんですけれども、親しみやすい、心地よさを届けられるように、今、スタッフと一緒に一生懸命させていただいております。」
ーー今、私どもが収録させていただいている場所が、これは食堂ですか?
宿の食堂の利用状況について
「そうなんです。以前は食堂として営業していたんですけれども、コロナ禍で一旦止めたので、動きが悪くなってしまって、今はもう食堂、名前はあるんですけれども、お客様の朝食会場として使わせていただいております。」
ーーいい感じですね。いい感じですよね、これね。 特に和室があったりなんかしてね。
「そうなんです。気持ちがいい。景色もよくて。ここで飲む朝のコーヒーとか。 うち朝食がですね、おかゆ御膳。」
ーーおかゆ御膳。いいですね。
朝食の人気とリピーターについて
「心が温まり、体も温まって、この朝食を食べたいっていうお客様が、リピーターの方が多くて、大々的には素泊りでお出ししているんですけれども、お声掛け、ご希望があれば朝食を出させていただいています。 一度食べた方は、また食べに帰ってくるという形で、皆さん本当に景色を見に帰ってきたり、朝食を食べに帰ってきたり、うれしいのが、また会いに来たよ、ただいまっていうお声が多くて、私たちもお帰りなさい、行ってらっしゃいでお送り出しております。」
ーー僕、実は毎回なるべく泊まる宿を変えてるんですよ。毎月来るんですけど。 それも同じところにずっといるんじゃなくて、2日と1日とか、なるべく分けてるんですけど、実は朝の散歩コースこの辺なんですよ。
「そうなんですね。」
ーーいいですよね、この朝の散歩コース。
「いいんですよ。気持ちいい。 本当にこの朝日、今日の朝日はご覧になられました?」
ーー今日は残念ながら、那覇からバスに行ってしまいました。
「そうでしたね、バスで。すっごい夕日のような朝日が、本当にこういう色してました。」
ーーそうですか。
「今日はすごい素敵な日だなと思いながら。」
ーーそうですか。バコーンと上がるわけですね。
「映画を観てるような朝日でした。」
ーーそんな素敵な場所で、ホテル経営をなさっている大城八弥さんなんですけれども、皆さんに聞いております。
南城の自然や子供向け施設の魅力について
「私の南城の好きなところ、2つあるんですけれども、皆さんおっしゃるかと思うんですが、1つ目が、自然や空間がすっごい好きで。 これはですね、子供の頃には全く気づかなかった感覚なんですけれども、本当に普通に当たり前にあるこの自然が、大人になってみて。大人になってって言っても、ここホテル始めてからですね、本当にこの自然の良さに気が付かされたのは。 当たり前でないことが、見方を変える、感じ方を変えるだけですごい感謝に変わって、この自然があるってことが本当に幸せ、幸福だなぁ。それだけで幸せを感じられる場所だなって思います。」
ーーなるほど。普通に自然があふれてるってことですね。 そうなんですよ。車で那覇から向かってくると、南城に入ると空気感が変わるのは、僕も分かりますね。これはやっぱり南城の利点だとすごく感じております。 2つ目は何ですか。
「2つ目はですね、大人と子供の関われる場所がある。私、子供が3人いるんですけれども。 3人もいるんです。」
ーー3人のお母さんなの。
「そうなんです。」
ーー全く見えませんね。
「よく言われるんです。」
ーーそうですか。何歳、何歳、何歳なんですか。
「2年生、1年生、5歳です。」
ーー5歳。2年生ってことは8歳?
「8歳、7歳、5歳ですね。」
ーーそうですか。じゃあ、お母様。
「そうなんです。今朝も雷を落としてきて。」
ーー怒ると怖そうなお母様タイプですね。
「そう、怖いです。」
ーーなるほど。そのお母様として。
「どこの地域にもあると思うんですけども、地域のスポーツクラブ。 あとはこれはあるかな。子供の居場所っていって、月に1回、私の住んでいる自治区。 子供たちが居れる場所を作ってくれるっていう大人がいらっしゃって。 そこで大人と子供の関わりを作ってくださる。」
大人と子供の関わり
「すごい素敵だなと思って。今大人と子供が関わる場所っていうのが、私たちの小さい頃よりも減っている気がするので、こういった大人と子供の関われる、顔が見れる場所があるっていうのがすごい素敵だなと思っています。」
ーーこの大人と子供の関わるっていうのは具体的にどんなことをやってらっしゃるんですか。
「本当にただ遊んでいる。大人が見守っている。この子供の居場所なんですけど。 それでも大人がいるから安心していられるっていう子供たちの表情がすごい見えるし。 スポーツクラブでは大人に質問する。大人と子供の縦社会も習いますし。 それでも横のつながりもありますし。 こういった規律と人間味というか、そういったものを育める場所っていう私は感覚で。」
ーーそれは何ですか。毎日やってらっしゃる場所があるんですか。週何回みたいな。
「この子供の、私のところは月1回なんですけど、小学校でそういった放課後クラスがあったり、学童もあったりするんですけど、地域の小さいコミュニティではあるんですけど、地域の大人、学校の大人、いろんな大人と関われるっていうのがすごい。」
ーー大事ですね。
「大きい目だけじゃなくて、小さいコミュニティの大人と子供が関われるというか。 昔はあったなと思ってたら、今もあって。見つけたときは嬉しかったです。」
ーー大事ですね。やっぱり大きくなってから、ふるさとに戻りたいとか、ふるさとのために何とかしたいとかっていうのは、そういうきっかけがないとなかなかね。
「そうだと思います。」
ーー家族で育っていくと、なかなかそういうふうにはならないと思うんですけど、そういう素晴らしい活動が何所にあるというところが、お好きなところの2つ目でした。
地域のコミュニティ活動
ーー好きではないところはあえて皆さんに聞いておりますが。
「そうですね。好きでないところ2つ。 これももしかすると皆さん言うのかな、おっしゃるのかな。 しょうがない部分でもあるんですけど、昔の風景がだんだん開拓されて、いろんな道路とかになってるっていうのが、大きく言えばそうなんですけど、ちっちゃく言うと、昔泳いでたオタマジャクシの畑がなくなってるとか、帰り道だったところのものがなくなってるとか、ここでサトウキビがザワザワしてたなとか、ここでこんな花、草があったなっていうのがなくなってるっていうのがちょっと寂しいなと思いつつ、今、登下校も歩いて行く、帰るっていう子も、そんなに私たちの時代よりも少なくなってるので、この風景が見れない子どもが多いっていうのが、あの風景を見せれないっていう、ちょっと寂しい、大人としての寂しさと責任というか、かわいそうっていうだけで、ちょっと言葉が足らないかなと思いつつ。」
ーー昔の景色が消えつつあるというところが1つ。もう1つは。
サービスの最適化
「サービスの最適化、循環をしてほしいと私の欲望である。 ホテル業をしてて、南城市マップっていうのが昔あったんですね。地図。 東御廻り(アガリウマーイ)とかそういったものが載ってるマップがあったんですけれども、これが今廃止になってまして、役所の方ともお話ししたことがあったんですけども、これ無料で配布してたんですね。 なのでこれを有料化にしちゃえば、もっと長く続けられたんじゃないかっていう話をしたり、今はNバス、バスの時刻表もおそらく無料でお配りして、サービスとしていただく側としては嬉しいと思うんですけども、やっぱりこれ循環していくには、50円でも100円でも高くなくてもいいので、そういった、今もう袋も何円ってなってるので、そういった意味では、無料のサービスと有料のサービスっていうのをもう少し明確化にして、いつまでも続く、持続可能といえばそうなんですけれども、そういったサービスが増えていけばいいなっていう、無料だけに魅力っていう時代ではもうないので、欲しければ買ってでも、お金出してでも、このお金がどっかで生きるし、お金の循環、物の循環っていうのをもう少し起こせればいいのになって、ちょっとホテルをやってて感じています。」
ーーじゃあ今、南城マップみたいなものはないってことですか。
ホテルサービスの提供
「今マップがなくて、なので以前いただいた小さなものを、以前はお客様にお配りしてたんですけども、お部屋に置いて、もう無くなったらもう。」
ーーほんとですか。
「そうなんです。誰かが持ち出したらもうそれまで。」
ーーなるほどね。
「でもちょっと無いお部屋もちょっとあったり。」
ーーそうですか。 10年後なんですけど、もうここでお生まれになって、ほぼ大学の4年間以外はほぼここで生まれ育った八弥さんは、このまち、どんなまちに10年後になってたんですか。
「10年後ですね。 私も子どもだったので、子どもから大人まで、子どもたちも大人たちも、一人一人がこの南城の魅力っていうものを掲げられる。 私の思う南城はこれだっていう、年に一回漢字で一文字で表すみたいなのがあるじゃないですか。そういった感じで、一人一人が持てる。10年後だったらいいなと思ってます。」
ーーなるほど。
「書き初めに書くとか。出せって言ったらすぐ出せるような、一人一人が心の中にあれればいい。素敵だなって思います。」
ーーここで生活して生きていらっしゃる方たちが、南城の思いっていうのはちゃんと伝えられるようなまちになってほしいなと。 なるほど。 そのためにですが、ホテル経営者と言いますか兼お手伝いさんの立場として、どんなことがやりたい、できるっていうのはありますか。
「ホテルお手伝いさんとしては、3つあるかなと思って。」
地域コラボレーション
1 「1つはお客様への情報提供として、ホテル内でのイベント、宿泊プラン、日帰りプランなど、南城市の魅力をお伝えできるようなプラン作成。 2つ目は、他事業者、ホテルだけではなく、ホテル事業者もそうなんですけれども、他の事業者も一緒になって連携して協力をして、10年後、子どもたちにも自分の南城市を想ってほしいので、子どもたちを巻き込んで大人が楽しむ企画。 大人が楽しんでいれば、たぶん子どもも楽しいので、大人の姿を見せるっていう意味で、子どもを巻き込んだ大人の企画っていうのができるかなと。」
ーーいいですね。子どもを巻き込んだ大人の企画。
地域の魅力発信
「あとは、市内スポットの発信。これはホテルでSNSだったり、ホームページだったり、個人的にも南城市のスポットに着目して発信しつつあるので、これも継続していけるかなと思っております。」
ーー子どもたちを巻き込んだものづくりというか体験。
「そうですね。」
ーー市内のスポットの発信。 今既にやられてらっしゃるということですか?
「これはホテルとしてはSNSだったり、ホームページだったり、景色だったり。 今、人っていうのを載せてホテルの中での人、市内の人との関わりっていう部分をアップできてないので、そういった人が見える、顔が見える発信もいいかなって今ちょっと思っております。」
ーー結局、旅人がリピートしたいなと思うことの一つの要素に馴染みっていうのがありまして、きれいな景色って日本全国いろいろあると思うんですけど、訪れた先の方たちとのコミュニケーションとか、またあの人に会いたいなっていうのがあるとまた戻ってきてくれるんですけど、そういうことを情報発信していきたい。
「今ホテル内ではそういったことをしているので、これをもうちょっと拡大できればいいかなと。ホテルではお客様からご予約が入ると、ホテル側から連絡を入れたり、やり取りをして、お客様と距離を近づけて、程よい距離で近くなったり遠くなったりするんですけど、こういったことをしてまして、すると面白いことに、お客様から来る前からすごい親しみ、親近感があって、本当にこの間会ったように泊まりに初めて来れた。 一人旅だった、不安もあったんだけど、こういったやり取りですごい楽しみが増えましたっていうお声がすごく多くて、そういった関わりを持つことでこの方がリピートしてくれた。 本当に来年のご予約をいただいたり、半年先のご予約をいただいたりするので、ホテルを通して本当に人と人とのつながりっていうのは大事だなって感じております。」
ーーありがとうございます。