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#37 南城市商工会事務局長 前川義統(まえかわ よしのり)さん
沖縄出身のご両親を持ち、沖縄にルーツを持つ前川さんは、幼少期から大学卒業まで九州や四国で過ごされ、大学卒業後は九州のメーカーで営業職に従事されますが、ドラマ「ちゅらさん」に影響を受け、沖縄への移住を決意。 その後、商工会に入職し、南大東村、北谷町、石垣市などでの勤務を経て、2024年度より南城市商工会事務局長に就任。
これまでの経験を活かし、地域経済の活性化と事業者支援に尽力されています。
前川さんの前半です。
地域の商工会についての説明
ーー本日はですね、これはオフィスの応接室ですかね。 表彰状とか感謝状がいっぱい飾られている部屋にやってまいりましたけれども、本日ご登場いただくのはこちらの方でございます。自己紹介からお願いできますか。
「南城市商工会事務局長の前川です。よろしくお願いします。」
ーーありがとうございます。商工会の事務局長、前川義統(まえかわ よしのり)様。
ーーありがとうございます。 前川さんと僕が初めて会ったのは去年の5月に箱根のDMOの視察という名前のほとんどの宴会旅行みたいなのがありましたけれども、それでご一緒させていただいたのがきっかけでございますが、南城市商工会様にいつからこちらにいらっしゃっているんですか。
「私は昨年の4月より赴任しています。」
ーー商工会という、いろんなところで商工会の方にお会いするんですけれども、そもそも商工会ってどんな仕組みなのですか。
商工会の活動内容
「商工会はですね、特に地域の中小、小規模事業者に対しての経営支援を主に行っている組織でございまして、例えば補助金の申請とか、また融資関係、特にこれからは確定申告業務、それに加えてまた販路開拓、商品開発ということで、本当に経営全般先にわたる業務を行っている組織となっています。」
ーー商工会に入るにはどうしたらいいんですか。
商工会への入会試験と採用について
「これは職員とか。職員については採用試験がございますので、そちらの方も受験してもらって、それから採用という流れになってきます。」
ーー前川さんその試験を受けられるんですか。
「そうですね。今から20年前になりますね。」
ーー試験難しいんですか。
「難しかったと思います、当時は。」
ーーそうですよね。 僕は佐渡島の活動をしたのがこういうことになるきっかけなんですけど、そのときに佐渡商工会の方が結構いろいろサポートしていただいて、みなさん優秀なんですよ、経営指導員の方が。頭いいの?みたいな、そういう結構難しい試験を。
「そうですね。」
ーーご苦労さまでございます。南城市にいらっしゃる前はどんなところを。
「これまでの経歴できますと、商工会できますと、本部からスタートして、豊見城、南大東、北谷、石垣、南城ということで今6か所ですかね。」
ーー本部、豊見城、南大東ですね。その後が。
「北谷、石垣、今現在南城市。」
ーー南大東って離島です。
「そうですね、南大東島ですね。離島です。」
ーー失礼ですが、そういうときはご家族も一緒に移動するんですか。
「私は単身赴任で。」
ーーお父さん寂しくないですか。
「亭主留守がいいっていうのがあるんでしょうね。」
ーーいやいや、石垣のときも。
「石垣のときも単身赴任ですね。 少し子どもが小さいときもあったので、少しかわいそうなことはさせたと思うんですけど。」
ーーそうですか。 やっぱり商工会の職員の方っていうのは、そうやっていろんな沖縄のところを3年5年ぐらいですか。
「基本的に県内34か所商工がありますので、そちらは定期的に異動という形になりますね。」
ーーありがとうございます。そもそも論を聞いちゃってすみません。 前川さんは何で商工会に入ろうと思ったんですか。
「やはり経営指導員っていう職種、魅力を感じまして、やはり直接企業さんのサポートができるっていうのが、通常の民間ではなかなかできないような取り組みができるってところで、商工会を受験しようと思って受けましたね。」
ーー第一志望が商工会ですか。
移住の動機
「途中、もともと県外のほうでタイヤメーカーの営業職を行ってまして、それから当時、ちゅらさん っていうNHKドラマ。あれを見て沖縄に住みたいと。ある意味私は出身は沖縄ですけど、ほとんど育ちは県外なもんですから。そういった意味合いで沖縄に住みたいと思って、前の会社を辞めて、沖縄に来て、そのタイミングで今いった、商工会の採用試験の情報を得たので、受験したという流れですね。」
ーーそれは商工会に採用が決まる前に、もう移動しちゃったんですか。
「そうですね。何も考えずに。」
ーー結構そういう人多いですよね。何も考えずに行っちゃってから。
「就職あるだろうと思って。」
ーーちなみに県外というのはどちらに?
「そうですね。例えば、幼稚園は佐賀県。小学校が大分県。中学が宮崎県。高校が香川県。 大学は福岡に行って、就職が長崎県。今は現在沖縄という形ですね。」
ーーじゃあ、お父様の転勤。
「そうですね。九州四国を。」
ーーどうですか。沖縄住んでみて。
「いいですね。」
ーー何がいいんですか。沖縄。
「やはりこの人が一番いいですね。人と、例えばこの気候。やっぱり寒くないっていうのが一番いいですかね。過ごしやすいと思いますね。」
ーー沖縄にいるIターンの方たちが、人がいいっていうことを聞くんですけど、九州も結構いいじゃないですか。
「そうですね。さらにそれよりもっと沖縄は密着というか、親密というか、距離が近いというかありますね。」
ーー僕家内が大分の人なんですよ。その九州のコテコテ感よりも、もっと。
「そうですね。」
ーーもっとグリグリくるんですか。
「そうですね。沖縄は。」
ーーそうですか。だそうです。 ギャラリーの方がうなずいておりますが。 今日も夜、ゆんたく会という宴会が待っておりますので。 日が変わらないうちにみんな帰ってくれるんだろうか。 心配になっておりますけども。 ありがとうございます。
南城市の魅力
ーーまずご質問の一番目は、南城の好きなところを伺っております。
「そうですね。 南城市は他の地域と比べると、やっぱりこの自然豊かなところが多く残っているというのと、やはりこの歴史ですね。 歴史がすごい他の地域よりは特化していますので、そういったところが魅力としては感じていますね。」
ーー自然豊かで歴史があると。
「そうですね。」
ーーそれはどうなんでしょうか。 経営主導員という立場でいろんなところを回られてきたのと、比較してみても自然の歴史が多い。
「そうですね。多いと思うと感じますね。」
ーー特にどんなところなんですかね。
「特にやっぱりこの久高島とかですね。」
斎場御嶽を中心とした拝みする場所と沖縄県内の南城市について
「やっぱり斎場御嶽を中心とした拝みする場所も含めてですね。 あとは沖縄県内全体ですけど、特に南城市は人が真面目て感じますね。特に経営者の方々。」
ーーそうですか。
「とても感じます。」
ーー経営者は真面目なんですか。
「方が多いですね。」
ーーへー。
「あとはこの商工会の会員さんでいきますと、商工会の事業に関して一緒に取り組み、協力的にやってくれますので、本当に助かっていますね。」
ーーそうですか。 箱根の宴会の雰囲気から真面目な雰囲気はしなかったですけど。
「オンとオフがちょっと。」
ーー激しいんだ。
「先ほど言ったように日中は仕事は真面目にやりながら、夜は楽しく飲もうという感じですよね。」
ーーいいですね。そうですか。ありがとうございます。 好きじゃないところを聞いているんですけど。
「好きじゃないところはですね、私もまだ来て1年経ちませんのでそこまで分からないんですけど、そんなに好きじゃないところはないかなと思いますね。」
ーー皆さんそう言うんですけど、あえて言ってもらってるんですよ。
「なるほど。好きじゃないところをあえて。 そうですね。例えばタクシーがなかなか来ない。 少し飲んだ後に帰りが困ったりしますかね。」
ーーそうですね。
「それがちょっとというところですかね。 あとはそうですね。でも本当にそこまでないですかね。」
タクシー事業者に関する課題と南城市の交通問題
ーー二次交通問題が前々から課題なんですよね。
「そうですね、そこの解消に向けた取り組み、やっぱりやっていく必要があるのかと感じています。」
ーーそうですね。 お聞きしましたところタクシー事業者さんが2社あると。だけどその方たちは那覇の方に行った方が収益が上がるので。市内にあまりいらっしゃらないということなんですよね。
「そうですね、今おっしゃったようにタクシーを呼んでも例えば佐敷と聞いて言うとちょっとすいませんってお断りされたケースもあるので。」
ーーそれ近くにいないからと。
「そうですね。」
ーー僕も南城に来たときになるべくここ宿を変えてるんですよ。 それで終わった後市民の皆様と宴会みたいなのがあるんですけどタクシー呼んでも2時間来ないとかってありましたね。 そうなると飲み会も厳しくなりますよね。
「そうなんですよね。」
ーー市役所の職員の方が僕の泊まっているところに来て飲み会があったのはいいんですけどいつまで経ってもタクシーしか来ないのですいません先に寝ますみたいな。 そんなことがありましたけど。 これ商工会の施策として何とかなる方法論ってないんですかね。
「これはですね。やっぱり商工会って会員企業の収益を求める中でやっぱりタクシー事業者さんはもちろん収益のためには那覇とか」
自動車の交通問題とライドシェアの提案
「どうしても売上と利益が立ちますから、この辺考えるとなかなか今商工会としてもやっぱりタクシーの交通問題も大事なんですけどどう取り組むか具体的にはまだ策がない状況ですね。」
ーーそうなんですね。 市役所の方の施策の案としてはUberみたいなライドシェアっていうのがあったらしいんですけど商工会さん的には絡み方があるんですかね。
「今はそうですね。ライドシェアに関しては特に絡んでないですね。 南城市の場合はですね。」
ーー他のエリアでは多分南城市だけの問題じゃないんじゃないかと思っているんですけれども何か具体的な解決策をやってるところってありますか。
「多分石垣の方が石垣のライドシェアっていうところで先行的に取り組みスタートしたと思うんですが、ただそうは言ってもやっぱり確か石垣の場合は週末だけとかしか実施できないとかいうことも確かあったと思うので、やはりこの飲み会っていうのは週末以外平日も結構多いのでやっぱりこのライドシェアも本当にね例えば南城市版ライドシェアで平日も運行できるような形が取り組みできれば今やったらタクシー問題とか二次交通問題も少しは解決できるかなと思いますね。」
ーー僕結構そのライドシェア的な二次交通の問題って結構問題解決できるスキームが提供できるとビジネスとして儲かるんじゃないかなって思ってるんですけれども、なんでやらないですかね。なんですかね。
「なんでしょうね。運転手がいないですかね。それもあると思います正直。」
ーーなるほどね。 それこそ前川さん6時になったらライドシェアやるとか。
「ですよね。兼業を本当はしたいですね。」
ーーそうか。
「今兼業禁止になってるんですよ。商工会の職員としては。」
ーーそれはもう全県全部。
「そうですね。今後もしかしたら人手不足を含めてどんどん公務員も兼業ができるような仕組みができますから、商工会もできれば今やったらライドシェアとして自分の業を後に6時以降とかできればいいですよね。」
ーーそうですよね。そうかそうなんだ。やっぱり商工会の方はまだ。
「まだそうなんですよ。」
ーーダメなんですね。
「ダメなんですよ。」
ーーうちの息子が消防士なんですけど。
「はい。」
ーー復業しちゃって捕まった人が最近いろんなところでいるもんですからね。
「そうなんですね。」
ーー復業だけはやるなよって、こないだ釘さしておきました。
「そうですね。」
ーーはいはい。 なるほどね。 ありがとうございます。
南城市の将来に関する懸念とインフラ強化の必要性
ーー10年後の南城なんですけど、どんなまちになっているのがいいですかね。
「そうですね。やはり南城市の少し欠点というかやっぱりインフラがちょっと弱いというところがあると思うんでやはり今ですね。県道の東通路が少し工事が遅れてるということもあると思うんですが今の商工会として来月にあるんですけど」
地域のインフラ整備と経済活性化
「要は、知念半島に災害対策も含めてなんですけど国道バイパスを作ってほしいという住民決起対策を行うんですよ。 そういった今後知念半島の方に国道バイパスができて、東通路も完成していくとかなりインフラ整備ができると那覇からののアクセスがだいたい30分圏内で知念半島に来るといったときに、今知念半島って実際この過疎化地域指定されてますが、このインフラ整備することによってどんどんまた新しい産業とかが知念半島含めて生まれてくると思いますので、そうなってくると活気のあるまちになってくるんじゃないかと期待はしてます。」
ーー国道バイパスといいますのは今高速道路途中まで作っているじゃないですか、あれがもっと伸びるということですか。
「イメージは最終的に直結するというふうに考えてますね。 今の高速道路からですね。ちょうど南風原のインター辺りから東道路を通って最終的にバイパスでつなぐと本当に那覇含めて高速道路からも含めてかなり利便性がよくなってくると知念半島のほうにもさまざまな産業が生まれてくると期待してます。」
ーーそれは観光だけではない。
「ではなくて、製造業の可能性もありますし農業も含めてですけどね。」
ーー30分という時間だったら本当にもう楽勝ですね。
「そうですね。 今知念半島のほうは結構距離が遠いもんですからね。 なかなかそういった意味で過疎地域になっているみたいなので。」
ーー10年後といいますと商工会の事務局長というお立場でいいますと。このインフラを強くしていくというところが。
「そうですね、そこでまず新しい産業とかも期待してますね、正直。」
ーーそれに向けて前川さんというお立場としてはどんなことができるんですか。 もしくはどんなことがやりたいでも結構なんですか。
「そうですね。 ちょっとまだ具体的には案としてはないんですけども、やはりこの10年後というと社会情勢も含めて変わっていると思うのでそういった意味でこれまでないような新たな産業もしひらめきができればそういったのをパイオニア的にしていければ一番いいのかなと思いますね。」
ーーこれまでないような産業ってことですね。
南城市の主要産業と会員構成
ーー今商工会というのは会員さんが成り立っていると思うんですけども 一番多い産業はどこになるんですか。
「今南城市の会員さんの多い業種は建設業が多いですね。」
ーー建設が一番。
「今大体南城市の商工会の会員さんが約1,120社現在いらっしゃるんですが、そのうち約300社が建設業関連の方々なのでまだ観光業とか特に飲食関係は少ないですね。」
ーー建設の次はどういう方ですか。
「建設の後はですね、そうですね。 建設の後は生活関連サービスなので例えばエステとか美容室とか結構幅広いんですけどね。 そういった方々になりますかね。」
ーー美容室。なるほど。
「とても小規模事業者の方が多いですね。」
ーーそうですよね。 産業としての観光宿泊業というのは一回市役所の方に調べていただいたんですが、あんまり多くないんですよね。
ホテルの増加と宿泊施設の開発
「そうですね。確か10室以上あるホテルが多分市内には2カ所だけ。 確かユインチホテルと百名伽藍。 あとは本当に民泊という形の宿泊施設があるという形なのでこれから宿泊施設も多分増えていくと思うんですけども。特にコストコ周辺がこれからまた開発が始まっていく中でそこにも多分宿泊施設も建設しようという話が出ているみたいなので。」
ーーなるほどね。ありがとうございます。 どうなんでしょうか。 それ以外の産業ということで言いますと、例えば僕も関わってみて分かったんですけど薬草を作られている会社が結構大規模にやっているらしいですね。
「そうですね。」
ーーウコン。
ーーそうウコン。 ああいうような南城ならではの会社というのは他には象徴的なところが何かありますか。
「そこが一番そうなんでしょうね。 先日分かったんですがこのウコンの発祥の地というのが知念にあって、知念にウコンの発祥の地という石碑まであって初めて知ったんですけど。そういった中でやっぱりウコンの発祥というところで今やったらもう少しウコンの販促も含めてPRというのもちょっと強化できればなというふうに思っていますね。」
ーーなるほど。 ありがとうございます。