わたしは、植物男子ベランダーになりたい。
私はここ一年ほどで、理想とする生活のモデルを見つけた。
それは、「植物男子ベランダーのような生活」である。
植物男子ベランダーとは、NHK BSで2014年に放送されたテレビドラマ。
田口トモロヲ演じる主人公「ベランダー」は、都会のマンションのベランダで、好き勝手に植物を育てるバツイチの中年男だ。
毎日、昼から缶ビール片手にベランダの植物を観察し、花が咲いたり根が枯れたりすることに一人で一喜一憂する、その滑稽さが面白い。
行きつけの花屋での、片想い中の店員との報われないやりとりや、個性的な植物仲間との会話もコミカルで笑える。
なぜ私が植物男子ベランダーを理想としているか。
それは、昼からビールを飲んだり、ふらっと花屋に出掛けたりと、そうとう自由な生活を送っているからに他ならない。
誤解を与えそうだが、ベランダーはニートではない。
職業はフリーライターだ。
ドラマ内で、自宅でパソコンに向かって仕事をしている場面や、出張でインタビュー取材に出掛ける話もある。
友達のように仲のいい編集者もいて、ライターとしては一目置かれた存在のようだ。
ベランダーは、ライターとしてしっかり“食べて”いける収入を得ている。
それどころか、気になった植物は値段を気にせず即購入してしまうし、冷蔵庫に缶ビールのみということは、ほぼ外食で済ませているのだろう。
都内のマンションで、なかなか良い暮らしぶりではないか。
考えれば考えるほど、わたしの目標とするところはベランダーなんじゃね?と思えてきた。
仕事をする時間を自由に決められて、プライベートが充実しているなんて、魅力的すぎる。
私はべつに昼からビールを飲みたいわけでもなく(たまにはいいけどね)、ベランダで植物を育てたいわけではない。
でも、ベランダーのように、仕事の時間を自分で決められて植物に全力を注げる生活はいい。
私に置き換えて考えると、晴れた日を狙って登山やキャンプができるし、平日開催のサッカーの試合だってスタジアムで観られるわけだ。
なにより、早起きが絶望的に嫌いなので、朝のストレスがなくなる。
ものすごく安直で単純な私は、Webライターをしている少し先の自分の理想像をベランダーに重ね合わせた。
未来志向タイプの私は、イメージがはっきりするほどモチベーションが上がる。
ドラマの中の、好き勝手に植物を育てるバツイチの中年男の生活。
それを理想像として、私はライターとブログを続けていくことにしてみよう。
やっぱり私は、植物男子ベランダーになりたい。