なんのはなしですか。【長編小説】33
中華料理屋に入ると見覚えのある姿、パーカーにヘッドホン…またお前かー!
宮下は思わず心の中で叫んだ。そして、隣にいた榎本へ耳打ちする。
「あそこに座ってるパーカーにヘッドホン。難民No.1の蒔倉です」
「なに、ここは2人で詰めるか。宮下、先に行け」
「分かりました」
榎本に顎で使われるように4人がけのテーブルへ向かった。蒔倉の肩を軽く叩き話しかける。
「また会ったね、蒔倉さん」
蒔倉は驚いた顔で酢豚を食べている手を止めた。
「宮下さん、いったい今週で何回目ですか」ア