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いつまでも、心を励ましてくれる絵本の話
子どものころは、楽しいことも怖いことも、好きなことも嫌なこともごちゃまぜに存在してたように思います。大人の世界から準備されたものに順番に乗っかり、日々のできごとに真正面から体当たりをして幼少期を抜け出したというところでしょうか。
私の地元では、夏場に地域の子どもを集めた「肝試し」がありました。夕方、暗くなってからお寺に集まり、田舎の長老(のような方)から怖い話を聞いた後、数名に分かれてお寺の周りを歩きます。お化け役は大人たちだと知りながら、一方では不思議な気持ちでいたように思います。説明がつなかい何か特別な存在を感じながら想像力を働かせるのは幼少期の特徴かもしれません。肝試しの後は、花火をしたりアイスクリームを食べたり、楽しい時間を過ごしました。
そんな時期に、夢中になって読んだ絵本が「おしいれのぼうけん」です。保育園の昼寝の時間にさわぎを起こした2人の男の子が、ねずみばあさんのいるおしいれに閉じ込められ、ぼうけんがはじまるお話です。ねずみばあさんのいる不気味な世界を、手にもったミニカーやD51と一緒に駆け抜けます。展開が早く、ジェットコースターのようなスピードで物語は一気に進みます。
ぼうけんの終盤、暗いトンネルを抜け、ふたりは満点の星空に出会います。ふっと緊張の糸が途切れる場面です。今、読んでいる大人の私は、幼少期に肝試しが終わり、みんなで花火をしていた場面が重なります。そして、絵本の内容と共に幼少期の暮らしぶりを思い出します。この本は、子どものためだけでなく自分自身の心をいつまでも励ましてくれる大切な本として傍らに置いておこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも本好きのエピソードを紹介していきます。