またやった日銀の大失策

7月31日の日銀の不用意な金利引き上げにより、史上最大の株価の大暴落が発生しました。アメリカは景気後退局面に入り、インフレ対策のため、引き上げられていた金利が、間もなく引き下げられ、日米の金利差が縮小して、何もしなくても、超円安から、円高へと向かうのが確実視される中、日銀は
なぜ金利の引き上げを急いだのでしょう。
金利の引き上げは、日本経済の回復基調が鮮明となり、それが1年位続いて初めて行うべきものであり、慌ててやるべきでは、ありません。せっかく円安により、輸出産業が大儲けしているときに、日本のほうから、円高にもっていって、みすみす利益を減らす必要は、全くありませんでした。輸出産業の利益に対しては、巨額の利益には、法人税の税率を上げて税収を増やし、それを消費税を減らすのに使うのが、最善の策だったと思います。
思うに、ここ30年余りの間に、日本銀行は、3回、大失敗をおかしました。

1つは、バブル期の三重野総裁です。その頃の日本には、土地の価格は、永久に上がり続けるという土地神話があり、そういう中で、金融緩和が続いたため、銀行から低金利でお金を借りて、不動産を買う人が続出し、異常な価格上昇が起こりました。このとき消費者物価の上昇は、以前とほとんど同じだったのですから、不動産投機に、警鐘を鳴らすため、徐々に金利を引き上げていくべきだったのに、短期間に一気に6%台まで引き上げたため、高騰した不動産を買う人がいなくなり、莫大な不良債権を抱えて倒産する銀行がいくつも現れ、日本経済は、崩壊しました。
2つ目は、民主党政権時代の白川総裁です。白川総裁は、デフレなのに、インフレが心配だと言って、金融を引き締めたため、1ドル78円まで円高を進め、産業の空洞化を引き起こしました。即ち、輸出産業は、日本から出て行ってしまったのです。
3つ目は、今回の植田総裁の軽率な金利の引き上げです。岸田さんが、貯蓄よりも投資をというので、投資を始めた方も多いと思いますが、投資は、余剰資金の1割か2割で始めて、十分怖さを知ってから、もう少し増やすようにしないと、せっかくの努力の成果を失うことになるかもしれません。もしそういう方がいたら心が痛みます。
次回は、なぜこういう日銀の失敗が繰り返されるのか、私なりに、その背景を考えてみたいと思います。


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