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第六回Rappers選手名鑑 Lil Uzi Vert, Lil Yachty, Lil Baby, etc.
10代のためのHIPHOPリフレッシュしました。なんかの作業の時とか、後輩にHIP HOP擦り込む時とかに使って頂けたら幸いです。
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全然記事関係ないんですけど、Amineのライブすごかった!! 笑顔がキュートで、ラップは抜群に上手くて、フロアのエナジーもすごくて、マジ最高な空間でした。Tシャツも全サイズ完売でしたね。日本はノリが悪いから、海外からラッパーを呼べないなんてことは、経験からだとありえない気がするんですがどうでしょう。動画しか見たことないですけど、ベイエイリアのRolling Loudよりは100倍盛り上がってるんで、テキトーに海外と比べるのはそろそろやめにしたいです。
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長続きしない自分が6週も連続で同じことできたのは、マジですごいことですね。ただ続けすぎたせいで、完全にネタ切れです。ストックしてたラッパーたちを眺めながら共通点を探してたら「Lil」が見つかったんで、それでいこうと思います。
今ではLilと言われれば、タトゥーいっぱい! 、マンブルラップ! 、みたいなイメージがつきましたが、実は歴史のある名前です。Lilのつくラッパーが次々にヒットして普及していく中で、流行と結びつけて語られるようになりました。
これに関しては様々なメディアが記事を出しており、DJ Boothの『A Brief History of "Lil" Rappers in Hip-Hop』、Complexからは『How Did All These Lil Rappers Get Their Names?』。日本のメディアからもblock.fmから『30年続く“Lil”ブーム。 “Lil”から始まるアーティストは8,000人以上いる』。またこれらをわかりやすくまとめた、YA More Than Noiseさんの『US Hip Hop "Lil/リル"多過ぎ問題』など、多くの人が注目している切り口でもあります。
大体のことはこちらで書かれているので、自分の意見は少しだけ。
90年代から徐々に増え続けてきた「Lil」ラッパーですが、この名前を一般化させたのは間違いなくLil Wayneでしょう。ポップシンガーとのコラボや、Tha Carter IIIの成功など、HIP HOPの枠を飛び越え、次のジェネレーションに最も大きな影響を与えたラッパーのうちの1人です。長い時間をかけて「Lil」をクールなステージネームに変えていきました。
そもそもLilという言葉自体は1800年代から使われていました。その時からLittleの省略版ということは変わっていないです。つまり何か小さいものを表現する時にLilという言葉が使われます。
・大柄のジョンという友達がいた為、Lil Jonと名付けれた、物理的パターン。
・父親の名前にLilをつけることで踏襲しようとした、Lil Herb(現G Herbo)、Lil Durkの二世パターン。
・フッドで過ごしているときに年上とつるむことが多く、一番若いという意味からつけたLil Yachty、Lil Babyの年齢パターン。
などなど、様々なパターンがあります。多くのLilラッパーが出てきたことで、嫌気がさし、Lil Bow WowからBow Wowに改名したレアなケースもあるようです。
能力が低いものは、自身の能力について高く評価をするという研究もありますが、Lilラッパーたちは、それらを無意識的に理解し、正当な自己評価としてLilをつけている可能性もありますね。HIP HOP元来のハングリー精神を表しているんでしょうか。
まぁここら辺にしといて。いつも通り、25歳以下で10組まとめました。どうぞ。
Lil Peep
オーバードーズが原因で21歳の若さで亡くなったLil Peep。死後に評価を上げたと感じる人がいるかもしれないが、エモラップというサブジャンルをメインストリームまで引き上げた功績はもっと評価されるべきだ。Benz TruckのMVではクレムリンで撮影され、ロシア語の字幕をつけるなど、強いロシア愛も有名であった。
Lil Yachty
赤ドレッドの先端に派手なビーズと、一度見たら忘れない最強の外見の持ち主。そして夢の世界から出てきたような高いピッチでのラップ。この特徴的な声は、曲の印象をガラッと変えるほどの影響力があり、アーティストからも大人気だ(2016年に約35万で1バースを引き受けると話す)。「iSpy」も「Broccoli」も彼でなかったらヒットしなかっただろう。
Lil Baby
アトランタ出身の24歳。刑務所を出てからは1年に4つのEPと、とんでもないペースでリリースを続け、Gunnaとのジョイントアルバム『Drip Harder』はロングヒットを記録。現在は若手のフックアップを積極的に行っている模様。詳しくはこちら。
『Lil Baby好きBLOG ①Perfect Timing編』
Lil Uzi Vert
現在レーベルとの契約問題を抱え、新作『Eternal Atake』の完成が待たれるフィリー出身の24歳。音楽だけでなく、ダンスやファッションなど、幅広いジャンルで彼中心のムーブメントが広がりを見せている。25歳以下のラッパーで最も影響力のあるラッパーのうちの1人だ。
Lil Skies
フェイスタトゥーと流れるようなフロウが特徴的なLil Skies。去年はWiz Khalifaとツアーを周り、今年はLil Pumpとジョイントツアーを成功させるなど、着々とファンベースを広げている。ビデオグラファーCole Bennettとのコラボはドロップすれば、必ず1000万回再生を達成するヒットの方程式だ。
Lil Nas X
元々はアーティスト活動をする傍ら、(日本では特に嫌われがちな)パクツイアカウントを運営していたのだが、彼の場合はその全てを巨大なビジネスに変えてみせた。パクツイアカウントの経験から、ミームの流行を捉える力は人一倍高く、ほぼセルフプロモーションだけで「Old Town Road」をNo1に押し上げてしまった。
Lil Xan
精神安定剤のザナックスをそのままステージネームに変えた、サウンドトラックラップを代表するアーティスト。彼自身は反ザナックスを訴え、ダークなトーンで鬱な感情をボツボツラップするスタイルは、同じような環境にいる人を引きつけた。
Lil Aaron
Lil WayneがBlink-182とのツアーを発表する(Lil Wayneの体調不良が原因でキャンセルされた)などポップパンクが再び注目を浴びているが、Lil Aaronもその流行を作り出したアーティストの1人。Travis Barkerとの「Quit」や、Paramoreのサンプリングなど、00年代の青春を回帰させる不思議な魅力を持ち合わせたエモラッパーだ。
Lil Keed
出身のストリートをタイトルにそのままつけた『Trapped on Cleveland 2』がアトランタを中心にやや流行。リリースする度に質を高めていくEPは、Young Thugファミリーのさすがなところだ。Lil Keedの参加していない曲でも、Playboi CartiやLil Durkなどからシャウトアウトを受けており、アーティストからも好かれる存在のようだ。
Lil Gotit
誕生日にもらったという眉の上に彫られたタトゥーがトレードマークのLil Gotit。Lil Keedの実の弟で、以外にもラップを始めたのはGotitの方が先だ。自分自身をMazi Gotit(最近Maziはあまり見ない)やHood Baby(フッドで一番ベイビーだったから)と呼ぶこともある。Lil KeedとLil Gotitに関してはこちらで詳しく書いている。
『NEXTアトランタ Lil Keed & Lil Gotit 〜ZONE3ってどこ?』
以上です。最近は「Lilが多くて覚えられない〜」という気合いの足りないコメントを散見するので、みなさん気合い入れてください。
written by Yoshi