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パノラマアワード2024結果発表

さて、本日10月1日は、『EPSON Pano Awards 2024』の結果発表日でした。 この度、3年ぶりに4作品を応募いたしましたので、その気になる結果は・・
記事の最後にご報告させていただきますね。

パノラマアワードとは?

名称の通りパノラマ作品のみを対象とした、海外で開催される写真コンテストです。オーストラリアのエプソンが主催し、毎年開催されている世界最大規模のパノラマ写真コンテストであり、今年で15回目を迎えます。

コンテストのカテゴリーは、Landscape(風景)とBuilt Environment(風景以外の街並み、建築物など)の2つに分かれており、それぞれのカテゴリーにアマチュア部門とオープン部門が設けられています。さらに、VR(360度)の部門も加わっています。

私は2015年からこのコンテストに参加し、2020年まで毎年応募を続けていました。初年度の2015年には、アマチュア部門のBuilt Environmentカテゴリーで50作品中22位に入賞し、以降2019年までは上位50位以内に常に入選するなど、高い評価をいただいておりました。

これまで最も高い評価をいただいたのは、2017年のアマチュア部門、ビルト環境カテゴリーにおける2位でした。 この年は、50作品中13位と40位にランクインした作品も2点あり、ファイナリストとしてアマチュア部門の1位にあと一歩というところまで迫ることができました。

2015年初参加の作品。大阪のコスモタワーからの夜景

審査条件の変更

2015年大会以前は、単に得点の高い作品が入賞するというシンプルな選考基準であったため、いわゆる「一発屋」と呼ばれるような作品でも受賞の可能性がありました。しかし、2016年大会から、優勝するためには以下の条件が課されるようになったのです。

TOP10に1枚の作品が入選すること
TOP50内に2枚以上の作品が入選すること
つまり、ファイナリストとなるためには、最低でも3枚の高品質なパノラマ作品を提出する必要が生じたのです。この変更により、常に一定以上の水準のパノラマ作品制作能力が求められるようになりました。

一方で、この新しい審査基準は、「似たような作品を3枚提出しても、クオリティが高ければ入賞できる」という負の側面を生み出す結果にもつながりました。
特に2020年以降、このような「類似作品」の増加が顕著に見られ、今年の大会でもその傾向が続いているように感じられます。

2017/アマチュア部門ビルト環境カテゴリー2位:LAにある有名なディズニーコンサートホール

2020年問題

2020年に、パノラマアワードの採点方法が変更されました。(具体的な変更点については、残念ながら詳細な情報を得ることができていません。)この変更に伴い、ウェブサイトも全面的にリニューアルされ、2020年以前の応募に関する情報は、応募者自身もアクセスできなくなりました。(過去の受賞作品は、ウェブサイト上で閲覧可能です。)

従来から、同一の作家による類似作品が複数、上位50位以内にランクインするケースはありましたが、2020年以降、その傾向が顕著に強まったように感じられます。この現象は、採点システムの変更が原因であると、私は推測しています。

実は、私自身も2020年には、アマチュア部門とオープン部門合わせて10作品を応募し、普段は撮影しない360度VR部門にも挑戦するなど、意欲的に参加しました。しかし、結果はどの作品も上位50位以内に入選できず、非常に残念な結果に終わりました。それまで比較的順調にスコアを伸ばしていただけに、大きなショックを受けました。

翌年の2021年も、3作品を応募しましたが、いずれもカラー作品という珍しい試みにもかかわらず、上位50位以内に入選することはできませんでした。2020年、2021年の2年連続で不本意な結果に終わり、パノラマアワードに対する私の興味は、急速に薄れていきました。

既視感

率直に言うと、ここ数年のパノラマアワードの受賞作品には、独創性に欠けるという印象を抱いています。作品の技術的な完成度は非常に高いのですが、過去の受賞作品を彷彿とさせるものが多く、斬新さをあまり感じられません。審査の基準が、作品の視覚的なインパクトや華やかさに偏っているように思われ、作品ごとのオリジナリティが十分に評価されていないように感じています。そのため、どこかで見たような作品ばかりが並ぶことにうんざりし、2022年、2023年の大会には参加を見送ることにしました。

ドローン作品の台頭

それに加えてここ数年は、ドローンを用いたパノラマ作品が上位入賞を果たすケースが顕著に見られるようになりました。ドローン技術、カメラ性能、そして画像処理ソフトウェアの目覚ましい発展により、非常に高品質なドローンパノラマ作品が制作可能になったことが、その背景にあると考えられます。私自身、ドローンパノラマを否定するつもりは全くありません。しかしながら、どうしても共感できない部分があり、その理由については改めて述べたいと思います。2024年のオープンビルド部門においても、上位50作品中17作品がドローン作品で占められていたという事実からも、この傾向がいかに強まっているかが分かります。ドローンパノラマと通常の地上からのパノラマ撮影を、同じ基準で評価することは難しいのではないでしょうか。

そこで、今後はドローンパノラマを別カテゴリーとして扱うことを提案したいと思います。これにより、ドローンパノラマの専門知識を持つ審査員による評価が可能となり、ドローンパノラマ作品のさらなる質の向上に繋がるのではないかと考えています。

そして 2024 Pano Awards の結果は・・・・

実は今年もコンテストへの参加を迷っていたのですが、韓国と東京での撮影旅行で得られた素材をもとに、意欲的なパノラマ作品を制作できたため、久しぶりに応募してみることにしました。オープン建築部門に4作品を投稿し、その結果、8位(トップ画像)、12位、56位、63位という成績を収めることができました。目標としていたトップ10入りは達成できたものの、正直なところ、もう少し上位にランクインできればと考えていたというのが本音です。特に、8位に入賞した築地大橋のパノラマ作品は、これまでに見たことのない構図だと自負しており、私自身も大変気に入っている作品です。ちなみに、中央に写っている人物は私自身です。
近日中に大きなサイズの画像をFlickerに掲載予定ですのでお楽しみに!

こちらは56位にランクインした五色桜大橋のパノラマ写真


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