北欧の旅4(ストックホルム編)
早いもので、北欧の旅も今回で最終回。
ストックホルムは2日ちょっとしか滞在できなかったのですが、可愛らしくそれでいて大人の街という印象でした。雪もふっていたけれど、SORELのレインブーツを履いていたおかげで寒さに関しては問題なし。ただ、雨がつらい。ぼくは濡れると激しくテンションが下がります。しかも頭も痛くなる。雨の日は国民の休日にすべし!
レインコートを鞄に入れるかどうか最後まで悩んだのだけどやっぱり入れておけばよかった。むしろPCはいらなかった!旅行の際のPCはいつも悩みますね。。
建築や街はストックホルムに留学中のひらおしえなさんに案内してもらい、5つのショップは、おさだゆかり著「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」を見て回りました。ありがとうございました。
今回の記事をさらに濃くしたものが、「パブリック・トイレ×キッチンのゆくえ」で来月辺りに公開されるので、こちらもよろしくお願いします!
https://www.biz-lixil.com/column/architecture_urban/public_toilet/
みなさんのお役に少しでも立てたら嬉しいです。他にも情報があれば教えてください。役にたったよ!とかあそこは要改善!とかもぜひ。
次、なにを書くのか。それとも書かないのか。まだ未定ですが、
とりあえず、また!!
下記がグーグルマップのリンクです。こちらを横目にみながらぜひ!
https://drive.google.com/open?id=1mmKEo7xmr-QKuKjsN26q1UzE4MRUHINt&usp=sharing
ストックホルム
建築
Stockholms stadsbibliotek ストックホルム市立図書館
そりゃいいです。もう文句なしにいい。中央のホールは思っていたよりも小さい。そして、訪れた日はホールでレクチャーをしていたのですが、その感じも良かった。ただ、ちょっと全体的にくたびれているのも確かなので、リノベーションするよりもメンテナンスをしたほうが良いかなとは思いました。そういや、以前増築のコンペがあったはずですが、どうなったんですかね?
Stockholms stadshus ストックホルム市庁舎
ここは以前、日建設計の岩崎克也さんが、日経アーキテクチャーの階段の取材で伺った際に、好きな階段として真っ先に上げられていたので、いつかは見たいと思っていた建物です。というのも、岩崎さんはどちらかというと寡黙な人なのですが、この階段の話になるととても嬉しそうに説明していたので、強く印象に残っていたのです。そして、実際に訪問したのですが、ここも本当に良かった。実は100年程度とそれほど古くはないのですが、歴史的建造物のようになっています。ある意味では歴史引用主義的な手法でつくられているのだけど、ここでは上手くいっている。エストベリは確か村野さんが好きだったはずで、それもよく分かる。ともかくブルーホールの階段は素晴らしい。寸法も計ったけれどそれは内緒。
森の墓地 ここもそりゃ素晴らしいです。雪の中の十字架、そしてランドスケープは本当に本当に素晴らしい。ぼくが中まで見れたのは、森の教会と葬祭場がちょっとだけ。森の教会は、柱の模様が実はペイントだったり、サイズが想像よりもはるかに小さかったり、実は地下があったりと発見がありました。ビジターセンターは冬の間は休みで、レベレンツによる復活の礼拝堂は中に人はいたのですが、いれてはもらえませんでした。復活の礼拝堂も完全に歴史引用主義的な建物で、かつ、とても不思議な建物でした。いいとか悪い以前に謎。中心部からメトロで15分+徒歩15分の計30分ほどで行けるので意外と見やすいです。
Markuskyrkan レベレンツによる教会。ぼくは森の墓地から行きました。雪が降っていたのでUber呼びました。すみません。車だと10分かからないぐらい。メトロも一度乗り換えはありますが、駅からすぐなので30分かからずに行けます。教会全体は長期改修中なのですが、礼拝堂だけは現在公開されていました。ただ、工事中ではあるので開いてなかったらすみません。訪問時はぼくだけだったので長時間堪能しました。しかも暖かかった。本当に細かい所までデザインされていて、しかもそのデザインボキャブラリーがまったく古びてないことに驚きました。これは荒木信雄さんが言っていたことなのですが、数十年前にデザインした建築とは思えない。全然ぼくらより新しいなと。建築設計者以外の人が見て、どれぐらい感動するのかは分かりませんが、つくりかたを一度学んだ人なら感動するはず。いくつかはいつか真似したい。
Biograf Skandia アスプルンドによる映画館。ただ、閉まっていたのでガラスを覗いただけ。開いている時にもう一度見たいですね。。時間がなければパスしてもいいかも。
Second Home Apartments - Asplund アスプルンド設計の元バクテリア研究所が現在、改装して宿泊できるようになっています。ぼくも2泊しました。螺旋階段や、冷蔵庫のようなエレベータータワーなど、見所はあるものの、市内からは結構距離があるので、時間がない人にはそこまでおすすめしません。ホテル自体は悪くないけど、駅まで毎回歩くのは正直辛かった。
Arkitekturbiblioteket KTH スウェーデン王立工科大学建築棟。まさにここに留学しているひらおしえなさんに案内してもらいました。1階には3Dプリンターやレーザーカッターが常備してある工房があり、さらに専用のスタッッフが3人いて、いつでもテクニカルなアドバイスをもらえるとのこと。これは大きい。結局これらの機材が生きるも死ぬも運用する人次第なので、素晴らしいですね。日本ももうちょっと増えるといいですよね。本当に。
Skansen 実際の住宅が展示している建築の博物館。民家園のようなものなのですが、もっとテーマパークぽい雰囲気。実際に市民の人が遊びにくるようなので、建築への素養が磨かれているのかも知れない。
Gamla Stan 魔女の宅急便のモデルになったといわれている可愛らしい島。完全に観光地化しているのですが、それでもとても可愛い。道はうねり、建物同士もジャンプすれば届くぐらい接近しています。
ストックホルム国立美術館 https://www.nationalmuseum.se/
訪問時にちょうどフィン・ユール展のオープニングが重なったので、見に行ってきました。フィン・ユールのソファは、北海道辺りに別荘を建てて暖炉の前にでも置きたい。ここは最近、中庭をアトリウム化してイベントや展示にも使えるようにしたりと現代的に改装していました。青木淳さんと西澤徹夫さんが設計している京都市美術館もそうですが、最近は中庭をアトリウム化する美術館が多いですよね。ここは、地下にあるトイレがとても面白かった。それは「パブリック・トイレ×キッチンのゆくえ」のほうでとりあげるので、ぜひ!
夏の家 アスプルンドの夏の家。昔から恋こがれていた建物なので、本当に心から感動しました。開閉式かつ網戸を仕込んだ巨大な窓とか凄い。テラスもいいし、暖炉ももちろんいい。食堂もいいし、ロフトつきのベッドルームもキッチンもいい。現代建築とは少し離れたボキャブラリーですが、死ぬまでにああいうものを一度はつくって住んでみたいなと思う。憧れ。(どうやって行ったかは一切答えられないので聞かないで下さい)
ショップ
Svenskt Tenn ここは以前設計した住宅のクライアントに教えてもらいました。ストックホルムでは超有名な家具店。しかもかなりの高級な家具です。ただ、つくりはとてもいい。ファブリックを使ってみたいと思って金額を見てみたら1m辺り2万円以上。まだまだぼくには高嶺の花でした。。
BYREDO 「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」で知った香水ブランドのショップ。とても小さいショップなのですが、ボトルのデザインも相まってキリッと締まって見えます。香水はつけないので、ハンドクリームとキャンドルを買いました。ここは伊勢丹などでいくつかは買うことができます。
L:A BRUKET こちらも「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」で知ったスキンケアブランドのショップ。店内の什器や壁の腰より下の部分の木を、波打った等高線のようなかたちに立体的に削っていて、しかも上部の白い壁からグラデーションがかかったようにシームレスに繋げてるので、有機的かつシンプルな不思議なインテリアになっています(と説明したものの分からないですかね…)。ともかく、北欧は乾燥しているので、ここでリップバームを生まれてはじめて買いました。昨年、表参道に世界で2店舗目の路面的がオープンしたとのことなので、行ってみようと思います。
PÄRLANS KONFEKTYR ここも「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」で知ったキャラメル屋さん。店舗の隣で実際につくる所が見れるので、行くと楽しめます。インテリアもそうですが、パッケージも素晴らしく、お土産を買うのにおすすめです。
Acne Studios 今は世界中に店舗がありますが、多分ここはかなり古くからある店舗なんじゃないかと予想(間違っていたらすみません)。今の尖ったデザインも好きですが、ここはいい意味でゆるく、リラックスした雰囲気です。これぐらいの方がいいなと最近はまた思い始めています。
Östermalms SALUHALL フードホール。木造の大スパン建築でポリカで覆われています。中は高級食材屋さんで、どれもが美味しそう。魚や牡蠣も生で売っていました。その後のバス移動のことを思うと怖くて牡蠣は食べなかったのですが、今でもあれは食べたかった!
レストラン、カフェ
Tennstopet 図書館の近くにあるレストラン。ここはOkuizumi Risakoさんに教えてもらいました。なんとなく地元の人が来るお店という感じで、とても雰囲気がいい。インテリアもいい意味で謎。ただ英語メニューもあるので、注文には困りませんでした。前菜の盛り合わせと肉を食べた。あとビールも。けど、その後のインパクトが強すぎてすでに味を覚えてない…。美味しかったのは確か。
DROP COFFEE「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」の表紙にもなっている、お洒落なカフェ。店内は腰から下が水色に塗装されていて、それがとても効いている。ラフなんだけど、少しエレガントな要素が足された感じ。奥にPC作業用の部屋があって実際にミーティングに使われていたりと、お洒落なだけじゃなく使い勝手もとても良さそう。近くにこういうカフェがあったらいいな。寒かったのでバナナケーキとカプチーノを注文。あと、この地区一帯が昔の中目黒のようで、場の雰囲気もよかった。
ROSENDALS TRÄDGÅRD ガーデンカフェ。温室。「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」にも書かれているのですが、ここは本当に素敵な場所でした。「素敵」という言葉をぼくはあまり使わないけれど、それでも素敵としかいいようがない。一帯が菜園のようになっていて、奥に温室が並んでいます。そして、奥にある温室の右隣にパンやジャムなどを売っているショップがあり、温室の中は右2棟がカフェレストラン、左側がガーデニングのショップとなっています。レストランには暖炉もあり、3月でも暖かい。中古の大きなキャビネットがあり、それがまたいい味を出している。食事もとても美味しい。ぼくは鶏肉を食べました。温室なので、建築デザイン的にどうこうというものではないのかもしれませんが、本当に素敵な場所でした。こんな雰囲気の場所をつくりたいし、ともかくまた行きたい。
Gastrologik アーチ状の大きなガラスの窓はすべて白いカーテンで覆われ、暖色の間接照明で照らされた、いかにもお洒落なレストラン。コース料理のみ。最後にストックホルムにたどり着く日程だったら間違いなく行っていたと思う。という訳で今回は外から眺めただけ。けど、ここはひとりじゃなくて誰かと一緒にいきたいですね。
Speceriet Gastrologikの隣りにあるビストロ。といっても、新しいインテリアでとてもお洒落。その上、カウンターは奥行きが60センチほどしかないので親密な雰囲気もあります。夜に行ったのですが、どのお皿も美しく本当に美味しかった!ひとりで行ってもここは問題なし。実際、隣の隣の席では女性がひとりで食事していました。トム・ヨーク似の店員さんが食事の内容を丁寧に教えてくれます。生のラム肉の上にえのき茸を乗せたものがその日は一番よかったな。あとトイレのデザインがいい。思い出したらまた食べたくなってきました(笑)。
最後に。BYREDO、L:A BRUKET、PÄRLANS KONFEKTYR、 DROP COFFEE、 ROSENDALS TRÄDGÅRDの5件は、
おさだゆかり著「わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ」
2018年5月、株式会社筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480879004/
で知って行きました。他のガイドブックもいくつか買ってみましたが、1週間程度ならこの本がベストだとぼくは思いました。写真も文章も素晴らしく、読んでいるだけで幸せな気持ちになります。ぜひ手にとってみてください。(著作権的に問題があるということであれば5件の項目は削除します)
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