【狸】続・猫魔一族の陰謀
門番にマタタビを嗅がせ、大膳の肩によじ登り、た組の精鋭が猫魔屋敷に集結した!
「こんばんだいぜーん!」「玉のじょ〜!会いたかったじょ〜〜」「良キ絨毯ナリ!」
「しっ!お前ら静かにしろィ!……オィお玉!……どうしたんでぃ煮コゴリみてぇなツラしてョ…」
イキナリ呼びつけられたんで文句垂れてやろうと思ったが、久々に会った玉乃丞の目は、軟禁生活のストレスで淀みまくっていた。
「ウルセェ!かくかくしかじかで…とにかく大変なことになってんだよ!」
自らの境遇(前編を読んでネ!)を熱弁する玉乃丞。ほえ〜〜っと聞く一同。
なるほど、この状況(前編を読んでネ!)は確かにヤバイ。
このまま玉乃丞が「普通の貴公子」になり、ましてや「た組」を抜けちまうようなことになったら一大事だ。
すでに暗雲は垂れ込め始めている。
色男の玉乃丞がここ一ヶ月留守にしていたことで、た組の冬の生命線であるバレンタインデイ・チョコレート獲得数が過去最低となった。これヤバイのョ。晩冬はあれで食い繫いでるところあるから……
このままいくと、た組のカリスマ平均値は低迷の一途を辿ることになる。おまんまの食い上げだァ。
身の上話を終えた玉乃丞が仲間を見回す。
「…お前ら、協力してくれるな?」
「「「「応!!!」」」」
我等た組の心はひとつ。おまんまの元に。
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