積み重なる夏の記憶 #6
日が長く伸びた夏の夕暮れ、わたしは涼を求めて、海辺のカフェへと足を運んだ。潮風が心地よく肌を撫で、遠くに聞こえる波の音が、いつもとは違う穏やかな気持ちをもたらしてくれる。この場所は、心の揺れ動きを静かに整理するための特別な場所だった。
最近、彼との関係に迷いを感じていた。何度も会って、笑い合い、互いに心を開こうとしているのに、その先にある何かが見えてこない。努力しているはずなのに、進展がないように感じるこの関係。彼が何を考えているのか、本当にわたしのことをどう思っているのか