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N-0. 高校生のぼくを魅了したブログ
受験生の頃、夢中になったブログがある。
名前は「崎山晋平の自転車世界一周」。
京都で小学校講師をしていた崎山晋平さんが、ぬるっと一念発起(?)。
道中様々なハプニングに巻き込まれながら、また、時々日本に帰ってきたりもしながら、
4年半かけて、自転車で世界一周するという内容だ。
どうやってここにたどり着いたのかはもはや忘れてしまったが、
当時受験生だったぼくは、このブログに夢中だった。
勉強の合間にトイレに籠っては、お尻が痛くなるまで読み漁り、
世界中で繰り広げられる冒険譚に、胸を高鳴らせていた。
中でもぼくが特にお気に入りだった、いわゆる「神回」が2つある。
ひとつはラパスの話。
ラパスは南米ボリビアの首都。
世界一標高の高い首都として知られ、標高約3,600mの盆地の中に、70万人以上の人々が住んでいる。
当時アンデス山脈を南下していた崎山さん。
果てしない荒野を何日も走り続け、峠を越えた刹那、眼下にワッと広がるすり鉢状の巨大都市。
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想像しただけで心臓の鼓動が聴こえるほどの感動だった。
もう一つは、ケニアで川に流された話。
アフリカ大陸にはワジと呼ばれる涸れ川(雨が降ったときだけ水が流れる川)が点在している。
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そうとは知らずに涸れ川にテントを張った崎山さんが、深夜、突然増水した川に流され、荷物の大半を失ってしまう話だ。
他にも、中米各国で消防署に泊めてもらう話 など、めちゃくちゃ面白いのでぜひ読んでほしい。
このブログがきっかけで、当時高校生だったぼくは、
「自分もいつか自転車で世界一周を、いや、それよりもっと面白いことをしてみたい」
と思うようになった。
(それからしばらく、ぼくの将来の夢は
「自転車とカヤックで、人力だけで世界一周すること」 になっていた。)
あれから約7年。崎山さんは今どこで、何をしているのだろう。
いつかお会いすることがあれば、全身全霊ゼンリョクのお礼を言いたい。