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『経験談:臨床で触察が重要な理由』 No.3

臨床で触察が大切であると感じる理由

私は触察の勉強を臨床2年目からはじめましたので、これまで13年間にわたって行ってきました(2021年現在)。

なぜ、ずっと触察のトレーニングを続けているのかというと、一つ目に触察能力が日々の臨床で本当に重要であると実感しているからです。

二つ目に触察は技術とともに経験が重要であると感じているためです。

触察スキルは経験も必要?

私が運営しているオンラインサロンのオフ会などでは、触察した組織を体表上にペンでマーキングしているのですが、そうすると一部の方から職人芸だと言っていただくことがあります。

ただ、私自信もすぐにそう言っていただけるようになったわけではありません。

現在も勉強中である身でも13年以上やって、ようやくそのようなご感想をいただけており、本当に時間のかかるトレーニングであると思っています。

そういう意味で、まさに触察は技術だけでなく長年の経験も大きく、職人芸に近いものだと実感しています。

学生時代には触察の重要性に気が付きにくい

皆様も触察能力は、正確な評価や効果的なアプローチの実施に欠かせないことは、ほとんどの医療職の方には共感いただけるのではないでしょうか(今は講師活動もさせていただいておりますが、触察の研修会をしてほしいというご依頼がとても多いです。これは正に触察が大切であると感じられている方が多いからだと思っています)。

講師活動の実績は⬇️

しかし、臨床で使えるレベルまでの触察を学校で習ったことのある方は少ないように思います。

なぜなら、学生時代は国家試験に合格するための知識の習得が第一優先であるためです(私も専門学校の学生さんに触察の授業を7年間担当させていただいた経験があるので、学校の先生は学生さんに触察を教えてあげたいと思っていることも理解しています。ただ、限られた時間ですので、そこまで時間を確保できないというのが本音だと思います)。

また、臨床に出て実際の患者さんを担当してみないと、いかに臨床で触察能力が必要であるかイメージできないということもあると思います。

元に私も触察の重要性を感じたのは臨床に出てからでした。

臨床では触察が必須と痛感した出来事

私は臨床に出てみて、よく以下のような経験をしました。

担当させていただいた患者さんが痛みを訴えられた時に、その訴えている部位の皮膚を取って中がどうなっているのか見ることができたら、患者さんに自信と根拠を持って原因の部位や痛みの理由を説明できるのに!!訴えている部位の中を探って見てみたいという経験を何度も、何度もしてきました。

その度に体表上から全てが分かるようになれたら強いのにと想うようになりました。

個人的に、触察という分野の立ち位置は、基礎と臨床の間に位置するもののように感じています。

なぜなら、基礎である机上での解剖学の理解がなければ、絶対に触察できません(触察は机上での理解を体表上に落とし込む作業だと思います)。

机上で紙に触察したい組織を描けなければ、間違いなく体表上で組織を描き触察することはできません。
(ただ、机上での知識を頭で理解しただけでは、私は体表上で触察できるようにはなりませんでした。

それは、臨床での評価やアプローチは机上で行うのではなく、もちろん生身の人の体で行うためです。机上でいくら理解ができても、それを体表上で表現できなければ意味がないと痛感しました。

触察と料理は似ている

個人的に触察は料理と似ていると感じます。

私は料理のサンプルをみても、サンプル通りに作ることはできません。そのため同じ料理を作りたければ、直接手を取って教えていただくのが勿論一番上達できると思います。また、一度覚えても、何度も作らなければ作り方を忘れてしまいます。

触察も同じで、触察しマーキングされた完成品の画像を見ただけでは、私自身が触れるようにはなりませんでした。
(参考:下記の画像は先日のオフ会で実施した斜角筋群です)
触る時の指の角度や組織の深さを意識した押す強さなど、触り方のポイントや触る時のポジション、組織ごとの触った時の感触の違いなどは、直接手にとって教えていただかないと分かりません。そして正常の組織の感触も手にとって教えていただかないと、異常がある組織の感触も理解できません。

斜角筋群

このように触察という技術は、料理と一緒で実際に手にとって教えていただかないと、なかなか独学は難しいと実感しており、私も触れなかった組織が、触れるようになった時の感動は今も鮮明し覚えています。

そして触れるようになったことで、日々の臨床に本当に自信が持てるようになりました。
(私は知識の学習は独学でなんとかなりますが、技術はそうはいきませんでした)。

私は、触察の技術を習得したいと思っている方の力になりたいという思いもあり、2018年からオンラインサロンCAラボを開設しました。

このような背景から私が運営している(オンラインサロン)CAラボでは月2回触察を中心としたオフ会を実施しています。サロンのメンバーの先生も触察が目的で賛同して下さった方が沢山いらっしゃいます。
(触察含め、実技は実際に手を取り合って、行うのが何とよりも上達できると感じていますが、サロン内には遠方の先生もいらっしゃるため、料理でいうキューピーの3分クッキングのようなイメージで、動画にて触り方の手順を一から解説させていただいています。触察の動画は3分で解説とは、いきませんので、一つ組織の触察に平均10分程度の動画を撮影しています)

私の目標は、CAラボは触察のプロフェッショナル集団ですよね、と皆様に周知いただける活動をしていきたいと思っています。

オンラインサロンの開設のきっかけは↓↓

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