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7月15日の日記(note非公式オフ会に行ったこと)

予め断っておくと、これはただの日記だ。

イベントには40人くらいが参加していたので、レポートは他の方々が書いてくれるだろう。

だから、あくまで「人生初のオフ会に参加した人見知りおばさんの日記」として書こうと思う。

それでもよろしければどうぞ。

◇◇◇

7月15日(日)

朝からあまりにも暑い。アイコンに似せるため髪を下ろして行きたかったけど、髪をまとめて帽子をかぶることにした。熱中症予防だ。

バスと電車を乗り継ぎ、赤羽橋に向かう。乗り換えのため新宿駅の人ごみを歩いているとき、ふと「私、今ひとりで新宿を歩いてる」と気づき、感慨深い。

つい2ヶ月前まで、ひとりでは近所のスーパーにも行けないほど弱っていたのに。心ってちゃんと回復するんだな。

◇◇◇

会場は大きなビルの一室で、小学校の多目的室くらいの広さ(母校によって違うだろうが)。

受付で会費を支払う。名札と、参加者一覧のプリントが用意されていた。

立食パーティー形式で、壁際の長テーブルにはオードブルとドリンク類、noteのアイコンを模したアイシングクッキーなどが並んでいる。想像よりもずっと豪華だ。「楽しい」以外のメリットを求めていなかったけど、会費が1500円なので物質的にも元がとれてしまう。もし自分が結婚式するとしたらこのくらいの規模でいいなぁ、と思う。

主催のぐっちさんが「自由に飲んでいていいですよ」と言うので、お言葉に甘えて缶ビールを飲む。4本飲んだ。

私はいわゆる「壁の華」になることに抵抗がない。今日もそのつもりでいたが案外たくさんの方に話しかけていただき、手持ち無沙汰な時間はなかった。

話した人は、noteやTwitterでやり取りしている人もいれば、お互いに読んだことのない人、私が一方的に知っている人などさまざま。

いずれにせよ、知らない人と話すのは面白い。

少し話しただけで「キャラが立っている」ことがわかるケレン味のある人も面白いが、いかにも「市井の人」といった人の言葉にも滋味がある。私は市井の人だなぁ(滋味深いこと言ってないけど)。

そういえば、以前は初対面の人と話すときに「相手からどう思われるか」を過剰に気にしていた。

馬鹿だと思われたくない。ダサいと思われたくない。凡人だと思われたくない。地味だと思われたくない。

そんなことばかりを考えていて、会話を楽しめていなかった気がする。

だけどいつの間にか、「相手からどう思われるか」が第一ではなくなっている自分に気づいた。

興味の矛先が「自分がどう思われるか」よりも「目の前の相手」に向いているため、会話が面白い。

加齢による自意識の減退を実感した。

◇◇◇

司会の人に「近くにいる人たちと5~6人でグループになって自己紹介をしてください」と言われてぎょっとする。

スーパーマラドーナの漫才で「『二人一組になれ』先生のこの言葉がトラウマです」というツカミがあるが、なんとなく、noteユーザーにはそういう人が多そうだからだ。

しかし、あからさまにきょろきょろと仲間を探している人はいなかった。

みんな大人だな、と思う。

◇◇◇

立食パーティーが始まり、また何人かとお話する。

noteとTwitterで交流のあったますぶちみなこさんにはじめてお会いした。

文章と絵のイメージよりも、パワフルで生命力に溢れた印象。ほぼ同い年なのにとても若々しかった。

ネットで知っていた人とリアルで会う醍醐味ってそういうギャップを感じることなんだろうな、と思う。

また、遅刻してきたサチコさんにもお会いする。

サチコさんとはTwitterでやり取りしていたのだけど、文章そのままのふんわりした(でも芯のある)方で、年下なのにお姉さんという感じ。

「イメージと違う!」も「イメージ通り!」も、リアルで会うことの醍醐味なんだなぁ。


たぶん、私は文章と実物のイメージが異なると思う。

私の書くものは辛辣で露悪的だけど、私自身は地味でおっとりした(少なくともそう見える)おばちゃんだからだ。

ということはつまり、このオフ会ではじめて吉玉サキの存在を知った人にとっては、実物の印象が先行してしまう。

別にそれでも構わないけど、文章を読んだとき、実物のイメージとの乖離に驚くんじゃないか。

なので、自己紹介代わりによく読まれた記事を貼っておこう。

吉玉サキはこういう文章を書く人間です。

◇◇◇

その後、佐伯ポインティさんによるSNS講座。

「人間は多面的だけど、SNSではそのうちの一面だけを見せるとキャラが立つので効果的」という話はよくわかる。

こういった発信に対して、たまに「SNSくらい好き勝手やらせてくれよ」的な意見が上がるのを見かける。しかし、ポインティさんが言っているのは目的があっての「運用」の方法だ。個人的にSNSを楽しみたい人(フォロワー増やすことやバズに興味のない人)に向けた発信ではないので、発信のターゲットじゃない人までが真に受けないことを願う。

ちなみに、現在の私は(精神衛生上の理由で)Twitterのフォロワーを増やすことに注力していない。

だけど、純粋にポインティさんの戦略性はすごいと思うし、話も面白かった。いつかSNS運用が必要になったら参考にしようと思う。

◇◇◇

その後も懇親会は続く。

多くの人に「ライターさんなんですよね」と言われた。

そのたびに、「まだそれで生計を立てられていないのでほぼ無職みたいなものものです」「ちなみに夫もほぼ無職なので貯金暮らしです」と答える。

別にいちいち表明しなくてもいいことなのだが、あえて馬鹿正直に表明する。

それが、今の私にとって一番他人に知られたくない、恥ずかしいことだからだ。

最近の私は「さらけ出す」ことを自分に課している。

さらけ出したらどうなるのかの実験みたいなもので、特に意味はない。

ところで、会場を見回すとほぼ無職と思しき人間は私くらいだった(まぁ、見た目ではわからないが)。

あーあ。この中で私が一番、月収が少ないんだろうな。

悔しくはないが、自分が情けないとは思う。

◇◇◇

ラーメンを食べて、帰路につく。

そういえば、今日は「海の日の連休」じゃないか。

去年まで働いていた山小屋に思いを馳せる。

毎年、この日はめちゃくちゃに忙しかった。在庫管理も発注も真剣勝負だし、忙しさに慣れていない一年目スタッフに「慌てなくて大丈夫だからね」と声をかけるのも、自分の大切な役割だと思っていた。

なのに、なんで私は東京にいるんだろう?

時計を見るたびに「今頃、2回目の食事出ししてるな」「今頃、厨房の中で洗い物してるな。売店はまだ混んでるな」などと思う。

バスを降りて団地まで歩く。

夜なのに空気が生暖かい。山のひんやりした空気とは違う。

家に着く頃にはすっかり寂しくなってしまい、ドアを開けてくれた夫に抱きついた。

下界で文章書くって決めたんだから、全力で書かなきゃ。山のみんなに合わせる顔がないな。

平成最後の海の日は、生きていく場所が変わった日かもしれない。


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