人見知りだけどフリーでやっていけるんだろうか
先月、webメディアでエッセイの連載を始めた
私は、夫に「吉玉サキ」の名刺を作ってもらった。
今後の活動に必要だと思ったのだ。
プリントパックの一番安い紙で作った名刺だけど、両面に夫のイラストが入っていて、とても気に入った。
ちょっと恥ずかしいことを言うと、私は「名刺を持つこと」そのものが嬉しい。なんだか大人になった気がする(34歳だが)。
今まで山小屋スタッフとして生きてきたので、名刺を持つ機会がなかったのだ。
名刺交換の機会は意外と早く訪れた。cakes note フェスだ。
すでに書いたが、フェスで何人かの方に名刺を渡すことができた。
子どもの頃、「これ書いて~」とサイン帳を渡すときのあの感じを思い出した。
私にとって名刺は「お友達になってください!」という気持ちで渡すものだったのだ。
が、しかし。
帰りの電車の中でふと気づいた。
名刺って本来、「お友達になってください!」ではなく、「あわよくばお仕事ください」と渡すものなのでは……?
そしてあの場には、「業界の人」がたくさんいたのでは……?
◇◇◇
何度も書いているが、人見知りだ。
この記事をよくよく読んでいただけるとわかるとおり、フェスで私から話しかけたのは2人だけ。ほとんど、相手の方から話しかけていただいた。
私としては
「今日の私は初対面の人とも話せている! すごい! コミュ力の塊だ!」
くらいに自画自賛していたが、もっと自分から色々な人に話しかけたほうが良かったのかもしれない。
noteの深津さんを見かけて「わぁ、写真と同じ!」と当たり前のことを思っている暇があれば、話しかければ良かったのかもしれない。
だけど、私にはその発想がなかった。
私は、相手が私の存在(アカウント)を知らないのに話しかけるのは失礼だと思っていた。
それはネット上でも同じで、noteやTwitterでも、相互フォローじゃない人に話しかけたことはほとんどない(一度だけ、当時相互フォローではなかったますぶちみなこさんの記事に感動してついコメントしたくらいだ)。
しかし、本当にそうだろうか?
別に、話しかけても良かったのでは?
そう思い、こんなツイートをした。
すると、noteとTwitterで仲良くしてくださっているヤマシタマサトシさんから返信をもらった。
ほっ……。
もしかしたら、昔のフリーライターは、自分から業界の人(出版社や広告代理店?)に営業に行かないことには仕事をゲットできなかったのかもしれない。
今はネットがあるので、メールで営業できる。
インターネットがある時代で良かった。
なかったら、人見知りの私は営業ができない。
◇◇◇
家に帰ってきて、別のことに思い至る。
私は今回のcakesコンテストで選んでいただいたのに、担当のIさん以外のcakesの方たちに挨拶せずに帰ってきてしまった。
「誰も私のことなんて知らないから、自分から話しかけたら失礼」と思っていたが、よく考えたら、そんなことはない。
おそらく皆さん、選考のときに私の記事を読んでくださっている。しかも私は、この先cakesで連載をさせていただく身だ。
なのに、お礼も言わず、挨拶すらしなかった。
……こっちのほうがよっぽど失礼だ!
人見知りとか言ってる場合じゃない。人として、恥ずべきことだ。
結局私は、人からどう思われるかを気にしているくせに、人の気持ちは考えていないんだなぁ。
今、とても反省している。