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農業が教えてくれた人生で大切なこと〜正しい努力の継続が成果を導く〜
農業日記(2025/1/19-1/21)
年初のため初詣などのイベントが多く、少しインターバルを挟んでからの今年2回目の農業体験。今回も愛知県渥美半島で完全無農薬野菜を栽培している吉田園さんにお世話になりました。
1日目:輪島塗展@名古屋からのほうれん草、九条ねぎの出荷作業
今回渥美半島を訪問する前に、吉田園の園主、吉田訓章(のりあき)さんとのご縁を作ってくれた上海時代の恩人のご夫婦と一緒に、名古屋栄三越で開催中の「輪島の未来のために」という輪島塗の展示即売会に立ち寄りました。
目的は、輪島塗はもちろんのこと、展示即売会と同時開催されている写真家平林克己(かつみ)さんの、震災前の輪島の原風景と輪島塗の職人さん達を被写体にした写真展を拝見するため。上海時代に平林さんの東日本復興写真展をボランティアとしてお手伝いしたこともあり、久しぶりの再会とともに、素晴らしい写真と輪島塗の作品に触れる事が出来ました。輪島をはじめ、能登・北陸地方の一刻も早い復興を改めて祈念いたします。
さて、本題です。いつもより遅い15時頃に吉田園さんに到着した私は、今回も18時頃までほうれん草と九条ねぎの出荷作業をお手伝いしました。前回経験した作業なのですんなりかと思いきや、、、不器用すぎる自分にげんなり。農業はやっぱり奥が深いなーと痛感した初日でした。
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作業が終わった夜は、吉田さんのご自宅近くの鉄板焼屋さんで一杯。今回は吉田さんの従兄で銘柄豚「保美豚(ほうびとん)」を飼育されている吉田畜産の生産責任者、吉田幸伸(ゆきのぶ)さんにもご一緒頂きました。
この吉田畜産の幸伸さん、吉田園の訓章さんの従兄だけあって、というか訓章さん以上に安全で美味しい食品生産へのこだわりが強い方。安全かつ美味しい養豚をとことん追求され、遺伝子組み換えでない、しかも国産の独自配合飼料と、腸内環境を整え免疫力を高める酵素飲料のみを与え、畜産業界では当たり前に使用されている抗生物質やホルモン剤を一切使わない「無投薬養豚」を実践されている、全国でも5軒ほどしかない希少な養豚家。私の人生でベストワンな豚肉「保美豚」、機会がありましたら是非一度ご賞味ください!
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2日目:春菊、九条ねぎの出荷作業
前夜に盛り上がり過ぎてしまった翌朝。
何とか起きて、お風呂に入り、朝食を食べ、旅館で少し本業の仕事をしてから吉田園さんに出勤しました。吉田園の皆さんは既に朝早くから既に一作業を終えているご様子。「 サーセン(スミマセン)」と心の中でお詫しながら、しれっと作業を開始しました。
2日目も前日に引き続き出荷作業のお手伝い。本日は、大根、菜花も豊作です。
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本日は出荷作業の合間に、収穫したばかりの九条ねぎの根の洗浄に初挑戦。数本が群生して育つ九条ねぎ。絡まって土が入り込んでいる根っこを、強力洗浄器で洗浄しながらほぐしていく作業はかなり大変でした。
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薬味で使われることの多い九条ねぎ。でも、商品として出るまで、出荷作業だけでもこんなに手間がかかってるなんて!ひと欠片も無駄にしないよう食べ切ろうと思った2日目でした。
3日目:引き続き出荷作業
最終日も前2日に引き続き、ほうれん草、春菊、九条ねぎなどの出荷作業をお手伝いしました。そして、昼食を食べて、伊良湖オーシャンリゾートで汗を流すというお決まりルートを経て、東京に戻りました。
東京に戻ってから、以前お世話になった女性社長と渋谷で一杯。(飲んでばっかり。。。)吉田さんが持たせてくれた吉田園の野菜詰め合わせをお土産にお渡したところ、翌日に早速ご家族で食べて頂いたとのこと。大学生と中学生の娘さん達からもお礼のLINEメッセージを頂いたのですが、とっても嬉しい内容だったのでここでご紹介したいと思います。
送り主は中学1年生の娘さん。「美味しいお野菜たくさんありがとう。人生で初めて菜の花がおいしいと感じた」とメッセージを頂きました。私が中学生の頃、野菜の味なんてあまり気にしなかった(というか、あまり野菜を口にしなかった)ため、すっごく嬉しい感想!やっぱり本物の味は分かってもらえるんですね。「気に入ってもらえて良かった!」と返信したものの、送信から1週間が経過した本日現在も未読のまま。未読スルーかよ!やっぱり今どきの中学生、恐るべし。。。
今回の気づき:正しい努力は成果を導く
さて、今回の気づきです。一番最初の投稿で自分の人生の原動力を自動車の四輪に例え、人生(車体)は努力と、運と縁とタイミングの四輪が揃った時に動き出すという気づきを投稿しました。今回は、最初の車輪である「努力」について補足しようと思います。
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努力は成果を導く前提条件であることは異論がないと思います。もちろん、大した努力もせずに成果が出てしまう事も稀にありますが、それはあくまでもラッキーパンチや、ビギナーズラックというだけのもの。勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなしと言われるように、努力なしでは当然に負け越してしまうのが人生だと思います。
では、成果を導く努力とは何か。私は、「正しい努力を継続する」事だと感じています。
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「正しい」努力とは
まずは、「正しい」努力です。正しいとは、しっかりとした理論に裏付けされた戦略・方法という意味だと、今までの数々の失敗を経て解釈するに至りました。この事が分かっていなかった高校、大学生時代。大学や司法試験受験のために自分としては必死に努力したつもりでしたが、自分の理想とする成果は得られませんでした。その理由は、今から振り返ると努力の方向が独善的で、ピントがズレていたからだと自己分析しています。
その後、十数年を経て、初めて努力が成果に結びついたのが、ダイエットでした。
最初にダイエットを決意したのは、3ヶ月後に結婚式を控えていた36歳の時。ボディメイキングに成功した知人の勧めで加圧トレーニングを始め、トレーナーの指導に従って食事も見直したところ、日頃の不摂生で出ていたお腹もスッキリし、筋肉も付いて細マッチョに変身することに成功。自信満々に結婚式を迎える事が出来ました。しかし、その後がいけませんでした。ダイエットに成功したという慢心と仕事上のストレスからか、お金のかかる加圧トレーニングを中断し、浮いたお金でダイエット期間中にずっと我慢してきたラーメンやビールなどについつい手を伸ばしてしまったところ再びお腹がポッコリに。ダイエット前の体型にすっかり戻りきったところで、自分の体型のヤバさを痛感。2度目のダイエットを決意しました。
2度目のダイエットを決意した2023年の年初。前回成果を上げた加圧トレーニングを再開する事はもちろんですが、前回の失敗経験を受けてトレーニングと食事内容を徹底的に見直す事を決意し、医師などのオーソリティ(その分野の権威者)が執筆した書籍を数冊一気読みし、ダイエットの戦略立てをまず行いました。そして、知り得た知識に基づき自分なりの戦略を立てた後は実践あるのみ。筋トレや、ウォーキングなどの有酸素運動を行うと同時に、糖質を制限して、野菜と動物性・植物性タンパク質をバランス良く意識的に摂るような食事を実践したところ、結婚式当時よりも更に引き締まったボディに。2度目の決意から今まで2年間、体型をほぼ維持しています。(ただ、、、最近は加齢からか少しポヨポヨになりつつありまして。3度目のダイエットと戦略の見直しが必要だと自覚しています・涙)
このようなダイエットの体験から、成果を達成するためには間違いなく努力が不可欠ですが、それは学術的な理論に裏打ちされた正しい方向性の努力でなければ意味がないという事を実感しました。そして、この法則を他の分野、例えば肩こり解消など身体の悩み解消や、資産運用、新規事業にも適用してみたところ一定の成果をほぼ必ず上げられるようになりました。しかも、長期間、ブレずに、迷わずに。
この経験から、目標が出来て、その達成に向けていざ努力を開始しようとする際は、まずは焦らずに、正しい方向に向かって努力をすること。そして、そのためには、関連分野の専門家(オーソリティ)が書いた書籍で正しい知識・理論を学び、正しい戦略・方法を立てる事が重要だと実感しています。私の場合、基本的な情報源はその分野の専門家(オーソリティ)が体系的に書いた書籍です。これらの書籍を自分が消化し、納得の行く戦略・方法が出来るまで何冊も(通常5〜10冊前後)一気に読みまくります。一方で、インターネット、SNSなど、健康や投資系で世間に溢れているインフルエンサーの投稿・発言は誤情報や再現性のない情報も多いためひとまず無視しています。
なお、正しい知識・理論も、努力を実践する中で改めてその効果や、その知識・理論が自分に合うかどうかを検証する必要があります。これをマーケティング用語でPDCA(Plan - Do - Check - Action)サイクルと言いますが、既に多くの書籍等で解説されているのでここでは説明を省略させて頂きます。
努力の「継続」とは
さて、正しい知識・理論を学び、正しい戦略・方法を自分なりに確立した後は、それを実践して、継続するのみです。
でも、実践するだけならまだしも、その努力を継続するのは想像以上に難しいもの。だって、努力の過程では苦労や辛い事も多々あるから。ここからは実体験に基づいて、努力を継続するためのコツを皆さんと共有したいと思います。
目標の明確化、言語化
努力の習慣化
努力過程における短期目標(マイルストーン)の設置
メンタルコントロール
新たなチャレンジの実践
よく言われることですが、努力を継続するためには、まず自分が理想とする目標を常に意識するよう、目標を明確化・言語化することが大事です。「いつまでに、〇〇を達成するぞ」と決め、それを文字で残したり、言葉で発しましょう。ちなみに文字にするか、言葉で発するかは人それぞれ。自分の性格に合う方法を選べばOKだと思います。(ちなみに私は、思ったことをすぐに口に出してしまう性格なので、目標は手帳の表紙裏の一番目につく場所に書くとともに、お酒の席でベラベラ口に出すハイブリッド型です。)
次に、努力という行為を日常生活のルーティンにしてしまう「習慣化」や、長期間にわたる努力の過程を細分化し、目標達成度合いを計ったり、自分へのご褒美を与えるというマイルストーンを設置することも努力継続の有効な方法です。これもよく言われることですので、詳細は割愛します。
さて、ここからは私のオリジナルの「メンタルコントロール」の工夫をご紹介します。そもそもですが、努力の過程ではメンタルが落ち込むことも多々あります。例えば、努力の初期では中々結果が伴わず、目標に近づいているのかどうか不安になったり。努力の中期・後期では、自分で設定したマイルストーン(勉強なら模試など)で思うような結果が出ず、挫けそうになったり。こんな時、気を取り直して、また前進できるよう自分を奮い立たせる手段が「メンタルコントロール」です。そして、私の場合、漫画「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空の必殺技「界王拳」的思考をメンタルコントロールに使っています。すなわち、努力の過程で「疲れたなー」、「メンタル落ちてるなー」と感じたら、こう自分に言ってあげるのです。
「ま、でも今の努力はまだ界王拳2倍くらいだからまだまだ大丈夫!」と。
界王拳 | Dragon Ball Wiki | Fandom
自分の戦闘力を大幅に上げてくれる「界王拳」。ドラゴンボールでは、400倍界王拳まで登場したようなので、2倍なんてまだまだ余力十分。全然へっちゃらじゃんーと自分を自分で勇気づけてあげるのです。疲れた時、辛い時に是非試してみてください。
最後に、新たなチャレンジの実践です。これは長期間に及ぶ努力の過程で新しい刺激を加え、気持ちのマンネリ化を防止するという工夫ですが、最近まさにこれを実践している方にお会いしました。そう、吉田園の吉田訓章(のりあき)さんです。(←ここに繋げるんかーい・笑)
一般的に不可能と言われる、完全無農薬野菜の栽培でビジネスを成り立たせる「奇跡の農園」になることを目標に、日々努力している吉田さん。そのハンパない苦労は既にご紹介している通りですが、そんな中で始めた吉田さんのこちらもハンパなく無謀な新たな挑戦。それは・・・
完全無農薬で「イチゴ」を育てる!というもの。
私も初めて知りましたが、イチゴの栽培過程では65回も農薬を使用するのが通常とのこと!(ひえぇー)実は、摘みたてのイチゴをその場で食べるなんて危険極まりない行為だそう。私、やっちゃってました。。。
一方で、イチゴを完全無農薬で栽培するのは最も無謀な試みというのもまた事実。現に、4年間にわたり完全無農薬イチゴの栽培にチャレンジしている吉田さんの従弟のマサアキさんなんて、イチゴの苗を数千本植えて無事に採れたのがわずか5粒だったという年もあったそう。さすがに菊の栽培をしているご両親からも「いい加減に諦めろ」と言われたのだとか。そこでマサアキさんの助言のもと、吉田さんがその意志を継いでチャレンジしたというのがいきさつのようです。
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そして今月。吉田さんは全滅も覚悟していたようですが、何と!まだ少数ですが、完全無農薬イチゴを出荷できるようになりました!ブランド名は「四っ星 1.5カラット」!パッケージデザインは吉田さんのお二人の娘さんの力作です。
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多忙の合間に、マサアキさんとイチゴの生育状況を確認したり、ブランド名やパッケージ・パッケージデザインを考えている吉田さんは実に楽しそう。やっぱり楽しまなきゃ、努力も継続できない!そう実感した今回の農業体験でした。