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相手の心を開く「聞き方」とは

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ペーシングを使う

 相手に安心感や信頼感を抱いてもらうためには、共通点を探したり、呼吸や仕草、話すスピードなどを合わせたりして「自分と似ている」と思ってもらうと良いです

 これをNLP心理学:Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)では「ペーシング(同調行動)」と言います。
 話しやすい人は自然にペーシングを使いこなしている一方、会話で相手を不快にしてしまう人は無意識に「ディスペーシング(反同調行動)」をしています。
 具体的には「冬は寒くて、出かけるのが億劫になってしまって……」と言う相手に「私は寒くても平気で、どこでも出かけますよ」と答えてしまうといったケースです。
 若干空気読めていないの分かります?

相手が「暑いですね」だったら自分も「暑いですね」で良い

 無理に相手に合わせる必要はないが、「寒いと出かけるのが億劫になるんですね」とペーシングするだけでも、相手は気分よく話してくれるはずです。
 相手が「暑いですね」だったら自分も「暑いですね」で良いのです。
 35℃の真夏日なのに「え?そんなことないですよね?」と言ったら変な方です。

適切に自己開示する

 相手に心を開いてもらうには、自己開示も有効です。
 自己開示のポイントは2つ、「相手と話の深刻度を合わせる」と「過剰な自己開示をしない」です。

自分の行っている工夫を足して返す

 例えば「最近、歳のせいか物忘れが酷いんですよ」と自己開示されたとき、「そうなんですね。私の父は認知症で施設に入っているんです……」と返すと、話の深刻度にギャップがあるので、会話は盛り上がらない。
 こんなときは、「私も同じです。すぐ物忘れしてしまうので、タスクを付箋に書いてパソコンの横に貼っています」などと自分の行っている工夫を足して返すのが自然でしょう。

こちらも失敗談を開示する

 また、相手が失敗談や弱みをさらけ出してくれたときは、こちらも失敗談を開示することです。
 「初対面のお客様と打ち解けて話すことができなくて……」と言われたら「そうか。俺も最初は、初対面のお客様と話すと声が震えていたよ」という感じに返すと、相手は「悩んでいるのは自分だけではない」とホッとするはずです。

まとめ ソフト老害になるな

 「俺が新人の頃はとにかく当たって砕けろで、どんどん飛び込み営業したもんだよ」などと武勇伝を語り、過剰な自己開示をすると、相手は心を閉ざしてしまいます。
 「最初は困るよね、どうしたら良いかわからなくなるよね、自分が今でも気を付けていることは,,,」と相手に寄り添って話をしましょう。
 ストップソフト老害!

【参考】藤本梨恵子(2023).『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』.明日香出版社

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