精神安定剤にも2種類あるのご存じですか?
『人生を制限させない・ADHD』という本です。処女作!良かったらどうぞ!
先生に教わったのが精神安定剤にも2種類あることです。
「精神安定剤」というのは医療現場でもまだ使われている用語ですが、実はこれは昔の医療用語であり、現代ではあまり使われていません。
精神安定剤(tranquilizer:トランキライザー)という名称は、精神を安定させる作用に優れるお薬に対する呼び名として昔に使われていた名称になります。
トランキライザーは更に2つに分けられ、
Major Tranquilizer(メジャー・トランキライザー)
Minor Tranquilizer(マイナー・トランキライザー)
がありました。
現在では、
メジャー・トランキライザー⇒抗精神病薬(主に統合失調症の治療に用いるお薬)
マイナー・トランキライザー⇒抗不安薬(不安を和らげる作用を持つお薬)
と呼ばれるようになっています。
(引用元) 精神安定剤の種類や強さの比較
今回頂いたのがリスペリドン。リスペリドンは抗精神病薬です。
統合失調症(、幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患です。)の治療にも使われます。
具体的には、「精神安定剤」というのは、
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
セロトニン1A部分作動薬
の2種類のお薬のことを指しています。
この2種類のお薬について書くとめちゃめちゃ長くなるので下記URLを参照してください!
頓服薬としての精神安定剤の選び方
精神安定剤は、すぐに効果が得られるというのが利点の1つです。そのため、精神安定剤の中でも特に即効性に優れるものは「頓服」として使われることもあります。
頓服というのは、不安が急に強まってきた時に、
「その不安をとりあえず抑えるために服用する」という飲み方です。
普通、お薬というのは毎日決まった時間に飲みますが、
そのような飲み方ではなく「症状が辛い時に飲む」というのが頓服になります。
頓服は、大きな不安を感じる出来事が生じる直前、あるいは生じてすぐに服用します。例えば、人前で発表する前に頓服として服用したり、電車の中で急にパニック発作が生じそうになったため服用したり、という飲み方にになります。
各精神安定剤の即効性と作用時間は次のようになります。
抗不安薬作用時間(半減期)最高血中濃度到達時間グランダキシン短い(1時間未満)約1時間リーゼ短い(約6時間)約1時間デパス短い(約6時間)
約3時間ソラナックス/コンスタン普通(約14時間)約2時間ワイパックス普通(約12時間)約2時間レキソタン/セニラン普通(約20時間)約1時間セパゾン普通(11-21時間)2~4時間セレナール長い(約56時間)約8時間バランス/コントール長い(10-24時間)約3時間セルシン/ホリゾン長い(約50時間)約1時間リボトリール/ランドセン長い(約27時間)約2時間メイラックス非常に長い(60-200時間)約1時間レスタス非常に長い(約190時間)4~8時間
(引用元) 精神安定剤の種類や強さの比較
-おわりに- 精神安定剤を強めたい時に知っておいて欲しい事
お薬を増やすのはかんたんです。しかし安易に増やしてしまうと後々面倒なことになることも多いため、増薬は慎重に考えるようにしましょう。
ある1つの精神安定剤を上限量まで増やしても不安の改善が不十分な場合、
2剤目の精神安定剤を追加したとしても劇的に症状が改善することはまずありません。
このようにベンゾジアゼピン系をたくさん使ってもあまり効果はなく、むしろ効きがどんどん感じられなくなっていきます。
一方でベンゾジアゼピン系は大量に使えば使うほど耐性・依存性などの副作用のリスクが上がっていきます。
ここから考えるとベンゾジアゼピン系をどんどん増量するという行為は、増量すればするほどメリットが小さくなっていき、デメリットが大きくなるということになります。
それ以上不安を取りたい場合は、お薬以外の方法を検討すべきでしょう。
どうしてもお薬を使うという場合も、抗うつ剤や不安に効く漢方薬など、精神安定剤以外の選択肢を選ぶことをお勧めいたします。
(引用元) 精神安定剤の種類や強さの比較