「ESG投資」とは何か
『with コロナウイルスで変わること10・変わらないこと10 』という本からです! よろしければどうぞ!
ここからコロナウイルスで頻出した単語を覚えて頂くコーナーである。
なるべく1文で説明できるよにしており、そのあとは詳しい解説を書いている。
「ニュースで良く聞くけど定義は曖昧に知っているなあ」という方には是非読んで頂きたい。
しかし、すぐに「変わらないこと10」を読みたい方は単語説明コーナーは飛ばしても良いが、単語説明コーナーを読んだら、「変わること10・変わらないこと10」をより深く読むことが出来る。
【問い】「ESG投資とは何か」
【答え】「従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のこと」
【ESGとは】
・環境(Environment)
・社会(Social)
・ガバナンス(Governance)
の頭文字をとったもの
【具体例】
環境(E):地球温暖化、自然資源、廃棄物管理、環境市場機会(再生可能エネルギーやグリーンビルディングなど)等
社会(S):ダイバーシティの社会化(女性の社会進出・活躍)、サイバーセキュリティ等
ガバナンス(G):コーポレートガバナンス(取締役の構成・報酬)、企業倫理等
【数値で覚える「ESG」】
1,700以上の会社がESG投資を行っている
ESG投資の総額は6,200兆円を超えている
【ESG投資のメリット】
長期の資産形成に向いている
安定した運用が期待可能
社会貢献に繋がる
【ESG投資のデメリット】
短期的なリターンは小さくなりやすい
投資先の選定に手間がかかる
【参考】
経済産業省「ESG投資」
HEDGE GUIDE「ESG投資とは?メリット・デメリットや始め方をわかりやすく解説」
【解説】
現在のような厳しい環境下においても「環境・社会・ガバナンス」を配慮したESG戦略を採用しているファンドについては通常のインデックス(マーケットにおいては「市場全体の動向を示す指標や指数のこと」を指す)と比較して下げ幅が低く健闘しているというコメントが複数の機関投資家から発表されている。
何故ESG戦略を採用しているファンドは今回のコロナウイルスによる世界的な不況の影響を受けなかったのか。
理由はそのファンドには世界経済の減速により多大な影響を受けている化石燃料銘柄が含まれておらず、逆に急激に需要が増加している医薬品・ヘルスケア関連の銘柄やテクノロジー業界の銘柄が多い。
BCP(事業継続計画)も含めてガバナンスが担保されている企業はリモートワークへの早期切り替え対応等により安定して事業継続ができているなど、様々な要因が考えられる。
今回のコロナショックにより、ESG投資はグローバル経済に潜むリスクに対してより耐性があるということが実証されれば、withコロナの世界ではよりESG投資が拡大することになりそうである。
【参考】
IDEAS FOR GOOD「分断する」経済から「つながる」経済へ。アフターコロナの世界とサステナビリティ」
経済産業省「ESG投資と気候変動」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)