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何故正論だけでは人は動かないのか

【「人を動かす力」という本を出版致しました! よろしければどうぞ!】

何故正論だけでは人は動かないのか

 貴方が試してうまくいった、画期的なダイエット法があったとする。お金も時間もかからないだけでなく、科学的にも効果が証明されている、すばらしいダイエット法です。
 貴方は「このダイエット法なら必ず友人の悩みを救える」と考え、その方法を体重増加に悩む友人に伝える。だが当の本人は、あまりよい反応を示さない。
 貴方はきっと、友人の反応にモヤモヤするでしょう。

「現状維持バイアス」

 相手によい提案をしてもなかなか動いてくれないというのは、ビジネスシーンでもよくあることです。
 その原因は「現状維持バイアス」にある。人は行動を変えることに抵抗感を抱くのです。

「良い解決策をプッシュする」というアプローチは正しいのか?

 現状維持しようとする人に働きかける時、多くの人は「良い解決策をプッシュする」というアプローチを選びます。
 企業が行うマーケティング活動、営業担当のセールストーク、メンバーに対するマネジャーの指導……いずれも「良い解決策をプッシュする」アプローチが中心です。

相手を動かしたいなら「良い解決策」を一方的に押し付けてはならない

 ですが、相手を動かしたいなら「良い解決策」を一方的に押し付けてはならないのです。
 強引に押し切って相手を思い通りに動かしても、結局しこりが残ってしまいます(そういう経験はめっちゃあります)。
 その結果、相手が不満を抱いたり、人間関係が悪化したりする可能性が高くなります。

競争的な議論における3つの落とし穴

 「良い解決策」は自分の正しさの押し売りでもあります。
 相手と正しさを競うことになると、3つの落とし穴に陥りやすくなります。

1つ目の落とし穴は「相手の抵抗を生むこと」

 1つ目の落とし穴は「相手の抵抗を生むこと」です。
 自分の正しさを伝える行為は、相手が間違えているというメッセージにもなります。
 誰しも自分の間違いを認めるのはイヤなものです。
 その結果、相手は動いてくれなくなります。

2つ目の落とし穴は「隙のない準備が議論を殺してしまう」

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