質問は4つの領域に分けて尋ねよう
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発見領域1:人
質問の範囲を4つの領域に分けて考えると、得られた情報を整理して、利用しやすいよう組織化することが出来ます。
1つの領域に集中して質問を出していくと、得られる回答、即ち「発見」は、他の領域にまたがっていることもあるので、その領域ごとに記録していきます。
「質問別アプローチ」と「回答者別アプローチ」
人に関する情報を得るには、2方向のアプローチがあります。
職業や経歴、人間関係といった相手に関する情報を問う「質問別アプローチ」と、質問に対する答え方で相手のタイプを見極める「回答者別アプローチ」です。
回答者別アプローチでは、受け答えの仕方から相手の考え方の癖を見抜き、そのタイプにふさわしい、工作質問や問い直しといったテクニックを用いることも考えます。
発見領域2:場所
場所に関する情報を得るには、相手が答えやすい適切な質問をするよう質問者が腕を磨かなくてはなりません。
道案内は相手の馴染み深い目印や進行方向で説明してもらうのがベストです。
距離や方向については大雑把な捉え方をする人が多いが、「朝日を見るとき、顔はどちらへ向けるか?」「車で走るとき、どんな路面を走るか?」等、質問術を鍛えることで、正確な情報を得ることが出来ます。
発見領域3:物(事)
物は最も訪ねやすく、答えやすい領域です。
予備知識がなくても、「2歳児の好奇心」の要領で、基本疑問詞を使いながら的確な質問を出せます。
思い込みも推測もせず、「それは何?」「何のため?」など完璧に理解できるまで質問を続けることで、正体不明な物でもその名前、目的、機能などをすべて解明していくことが可能です。
発見領域4:出来事
出来事が起こるのはある特定の時点だが、背景には一連の出来事が流れており、何かがそれに先立ち、何かがそれに続きます。
出来事には「そのとき」だけでなく、それ以前と以後があります。
出来事の質問は、まず特定の時点の静止画像について尋ね、最後は動画全体を理解できるように組み立てていく必要があります。
順不同で質問すると、詳細な面で新たな事実が浮上する
全貌を最も現実に近い形で解明するためには、時系列通りに質問するのではなく順不同で質問すると、詳細な面で新たな事実が浮上したり、食い違いが明らかになったりします。
【参考】ジェームズ・O・パイル・マリアン・カリンチ・柏倉美穂(訳)『米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない』.三五館