親からの解脱
「毒からの解脱」という本を出しました!初小説! 良かったらどうぞ!
人を社会的リスクなしで殺す事は出来ないものか
絵理はいつも家で、学校でずっと泣いていた。
本当は言いたい事があるのに言えなかった。
でも、私はもう大人だ。
小さい頃から私に悪口を言い、私を殴り、いつも「お前が悪い」と言われ、何をするにしても干渉が入った。
小さい頃から何もかも自分で決める事が出来なかった。
塾に行きたくないと言ったら両親二人とも家から出て、
「私達の言う事を聞けないのなら、自分だけで生活しなさい」と言われ3日経って帰って来ないから、私は母の携帯に連絡した。
「ごめんなさい。私は二人がいないと生きていけません」と言った。そうすると2人は戻ってきた。
「親の有り難みが分かって嬉しいわ」と母は涙ぐんでいた。
私はなんか違うな、と思っていた。
好きなお友達といたいのに「あの子は学校の成績が良くないから別の子と付き合いなさい。」
塾もピアノもバレエも自分の意志とは反しているのにも拘わらず通う事になった。
アルバイト先にも母から抗議の電話がかかってくる。
言いたい事が言える。怒れる。辛かったら何が辛いか言える。
あの頃には戻りたくない。
絵理は電車から通り過ぎ行く夜の街を眺めていた。
街の色が次々と変わっていく。
私は、もう大丈夫だ。
さようなら、私のお母さん、お父さん。
「お母さんとはもう一緒に住めない!」と言って家を出て、レオパレスで部屋を借りて一人暮らしをすることにしたが、住所は伝えていないが何故か家まで来て「いるんだろ!」と夜中にドンドンと窓を叩かれ、「親と住めないとは何だ!撤回しろ!」と母は何度も叫び、窓を叩いた。電話も鳴り止まず、メールも次々と来る。
職場まで電話が来た。
「撤回してくれる?お前がわがままだから家を出て行ったんだよね?」と開口一番。
「はい、お母さんの言う通りです、失礼します!」と電話を切った。
このままではいけない、と絵理は思った。
絵理は近所の精神科を訪ねた。