見出し画像

「会話がどんどん続くテクニック」とは

【『話す力』という本を出版致しました! よろしければどうぞ!】

意識的に相手の名前を呼ぶ

 人の話を集中して聞き続けるのは難しいです。つい関係ないことを考え始めたり、眠くなってしまったりすることもあるでしょう。

 もし貴方と話している相手がそんな状態になったら、相手の名前を呼んでみよう。「……ということで驚きましたよ山田さん。これ本当にあったことなのですよ、信じられますか?」という感じで名前を入れて呼びかけたり、話の途中で「先ほど遠藤さんの話に出てきたように……」と、起こしたい相手の名前を入れたりします。
 自分の名前を呼ばれると、緊張感が生まれ、集中力が回復するはずです。

名前を呼ぶのは、初対面でも有効

 名前を呼ぶのは、初対面でも有効です。
 名前を呼ぶと、相手は「自分のことを尊重してくれている」という気持ちになり、心を開きやすくなります。

自然に話題を変える

 興味のない話を延々と続ける人がいて困ったときは、5つのステップで話題を転換しましょう。
 相手が演歌の話ばかりしていて、話題を変えたいと思ったときの例を出して見ていこう。

「……で、私、Adoのコンサートにも行ったことがあるんです」→「へぇーAdoいいですよねぇ。お好きなんですか……私はエリック・クラプトンが実は好きで……」→「へぇー、その人どの国の人なの?」→「イギリス人です。私、実は30年以上も前にイギリスに留学したことがあって、もうエルトン・ジョンとともに人生生きているくらい好きなんですよ。好きな歌手がいるっていいですよね。好きな音楽はいつ聞くことが多いのですか?」→「寝る前とかですかね……」→「私もですよ。なかなか寝つきが悪いもんで、寝つきがいい方ですか?」

 このように、最終的にまったく違う話題に移ることができた。整理すると、次のようになります。

(1)相手の話題:Adoが好きなんです

(2)自分の話題の素地:私はエリック・クラプトンが好きです

(3)質問で、相手の話題を停止:音楽はいつ聞くんですか?

(4)答える:寝るときです

(5)話題を変える:私、寝つき悪いんです。貴方はいかがですか?

 全く関係ない話をいきなりするのではなく、質問をベースに流れを変えるため、相手をイヤな気持ちにさせずにすむ。ポイントは(2)と(3)です。
 (2)で相手の話題に乗りつつ、ちょっとだけ軸をずらします。
 そして(3)の「相手の話題を停止させる質問」で、別の話題に転換する。「相手の話題を停止させる質問」は、「いつ」「どこで」「誰と」「どのように」といったものが使いやすいでしょう。

 やや高度ではありますが、コミュニケーションの訓練としてもおすすめできる方法です。
【参考】安田正(2021).『武器になる話し方』.ダイヤモンド社