リーダーが実践すべき「着眼大局」と「着手小局」
リーダーの語る内容や伝え方、順番次第で、社員が鼓舞されることもあれば、士気が落ちることもある。言葉力の本丸、「語る力」がいかに重要かということです。
「着眼大局」と「着手小局」
リーダーは、全体を見て進むべき方向を示す「着眼大局」と、大局を目指す為に何を行うべきか、具体的な一手を自分自身で示す「着手小局」を実践しなければならないです。
ただし、小局において細かく指示しすぎて、下の人が指示待ちにならないよう、注意が必要です。
「着手小局」の一例として、坂根氏は、現場が実際のアクションレベルで何をすべきかがわかる「行動の指針」の重要性を説きます。
例えばある日、お客様の機械が故障し、修理に必要な部品を工場から調達しないといけなくなったとします。
しかし、その部品を抜くと新車の組み立てに困ります。
こんなとき「お客様の満足度を高めよう」という指針だけでは、現場は判断に迷ってしまいます。
そこで、「新車の納期より、補給部品の交換を優先する」という具体的な行動例を挙げておけば、非常にわかりやすく、その行動が徹底されるようになります。
腹落ちする言葉で、根気強く伝える
誰かの受け売りの言葉では、人を説得するのは難しい。
最初は一般論や一般名詞で語っていても、リーダーはそれを咀嚼して、腹落ちするオリジナリティある言葉にまで突き詰めていく必要があります。
さらに大事なことは、リーダーが何度も同じことを根気強く伝えることです。
社員に「また同じことを社長が言っているよ」と思われても構わないのです。
リーダーがブレて組織の混乱を招くことのほうが問題だからです。
「実践の場でくり返して学んだことこそ本物だ」
坂根氏の座右の銘の一つは「知行合一」であります。これは「実践の場でくり返して学んだことこそ本物だ」という意味であります。
リーダーが何度も同じことを語り、行動しながら自説を検証し、表現を少しずつ改善していくことは、まさに「知行合一」にあたる。実際に改善されていけば、社員の納得度も次第に高まっていく。