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「育休」の経済学
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育休がある国もない国もある
育児休業(以下、育休)制度は、国によって大きく異なってます。
約3年間の雇用が保証されているドイツ、フランスのような「育休先進国」もあれば、育休は12週のみで、給付のないアメリカのような国もあります。
日本はちょうどその中間で、1年間の育休期間と6割程度の給付が保証されています。
「育休」は長いほどいいのか
では、育休は長ければ長いほど良いのでしょうか。
ドイツで1979年〜1993年にかけて行われた育休改革の政策評価を参照してみましょう。
これによると、1年以内の短期の育休制度は母親の出産数年後の就業に悪影響はなく、むしろ多少プラスの効果が見られました。
長い育休制度は母親の就業にとってわずかにマイナスの影響が生じた
一方で、それ以上長い育休制度は母親の就業にとってわずかにマイナスの影響が生じました。
給付金が支払われるのなら、母親は外で働くより、家で子どもを育てるほうが得だということになってしまう為です。
また、育休取得期間があまりに長くなってしまうと仕事のスキルや習慣が失われてしまうため、復帰しづらくなってしまうのでしょう。
日本でも1年間の育休は母親の就業にプラスの効果があることが示された
日本のデータに基づいてシミュレーションしたところ、日本でも1年間の育休は母親の就業にプラスの効果があることが示されました。
例え育休3年制が導入されたとしても、実際に3年にわたって育休を取る人はあまり多くないとも予想される。
日本の育休取得率は女性が80.2%、男性が17.1%
厚生労働省の調査によると、2022(令和4)年度の育児休業(育休)取得率は女性が80.2%、男性が17.1%となっています。
【出所】公益財団法人 生命保険文化センター「育児休業をとっている人はどれくらい?」