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日本文化の基層 ①風土

今から2500~1500万年前、ユーラシア大陸の東端に亀裂が入り、そこに海水が流れ込みました。(この頃は、ユーラシア、太平洋、フィリピン海の3つのプレートでした)

1500~300万年前、北上したフィリピン海プレート上の海底火山や火山島が次々に衝突し、ユーラシアプレートに対し北米プレートが西進して来ます。

300万年前、北へ向かっていたフィリピン海プレートが北西へと進路を変え、太平洋プレートが沈み込み、日本海溝そのものも西への動き出し、東日本を圧縮し始めました。

この東西圧縮による隆起や多くの巨大カルデラ噴火などにより2万年前には、ほぼ現在のような山岳を伴った、弧状列島の姿が完成しました。

ユーラシア、フィリピン海、北米、太平洋の4つのプレートのせめぎあいにより、3000m級の脊梁山脈と1万m級の海溝を合わせ持ち、北海道から本州中部までと、九州から本州中部までの火山フロントにより、火山活動も活発で、世界の地震の2割がこの列島で起きています。

温帯モンスーン気候帯にあるこの列島は、暖流の黒潮、対馬海流、寒流の親潮、リマン海流などの影響や、また偏西風や季節風が山を乗り越えていく事や、台風の通り道である事などにより、世界平均の1.8倍の雨が降ります。

国土の70%近くを占める山林と、その急峻な地形を流れ下る河川により分断される土地柄や南北3000㎞にも及ぶ地域性の違いは、世界で最も四季の変化に富むこととも相俟って実に多様な地方性を生み出しました。

文化的に見ても、日本は山の国であり、木の国であり、川の国であり、海の国であることを再認識します。
山には信仰があり、木は生活そのものです。
川と海は交通の動脈でしたし、軟水の水は料理やお酒、お茶へとその影響を広げて来ました。

様々なお国柄の中、旬の山の幸、川の幸に、海の幸に恵まれ、四季の移ろいを愛でる、重層的かつ多様性のある文化を育む国民性を支えてきたのは、正しくこれらの風土です。

参照資料
・『NEO地球』小学館の図鑑
・『地形・地質でわかる日本列島5億年史』洋泉社MOOK
・『三千万年の旅 列島誕生ジオ・ジャパン』NHKスペシャル

※地域の特長などはNHK「ブラタモリ」がとても参考になります。

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