"覚悟" 友人という誇り
タイトルをもう少し柔らかいものにしようかな、と悩んだ結果、ここは変に恥ずかしがらずにストレートに書くことに決定。
タイトルそのまま”覚悟”のお話です。
この記事は、メインブログの「祥吾日記」に書いた文章をここにも加筆修正して掲載しています。
それでは、どうぞ。
『祥吾日希』から『祥吾日記』に戻して気持ちも新たになったところで、まだ書くことを悩んでいることを、このタイミングだからこそ書こうかな。
まっそんな書き出しで、いきなり書かれても“何を?”ですよね。
えっと、今回書くのは、8月1日に出演した『The Acoustics』について。
そして、ライブの内容じゃなくて、コロナが益々ひどくなる状況で、出演する心の葛藤や、感染した場合に、今関わっている人たちや、活動を続けることに対してどれだけの迷惑や損害になってしまうのか。
そして、何より、このイベントを企画して、僕に声をかけてくれた友人が、僕以上の葛藤を抱えて、どれだけの熱意と覚悟を持って開催を決定したのかを。
なぜ書くことを悩んでいるのか、それは、もともとの性格や活動するうえで僕自身が大事にしていることが理由。
自然災害や、世の中が大変な時にはブログやSNSでは発信しない。
大変な時だからこそ発信する人達もいて、単純に僕はそっち側ではないというだけ。同じように耐え忍んで光射す日を待つ。
これから変わっていくかもしれないけれど、現時点ではこの想いは変わらないので、書くことを悩むのです。
長々と、事細かに書くつもりはないので、たったそれだけ?と思う人もいるかもしれないけど、僕にとっては“記す”ことがとても大事なことなので、内容にあまりこだわっていません。なので、興味がある方は、ざっと目を通して「そうか、そうか」と読んでやってください。
僕が一番怖いのは、決まっていた仕事がコロナでどんどんなくなっていくことよりも、生活するお金に不安を抱くよりも、いつ終わるかわからない状況よりも、コロナで生まれた“差別”が何より恐怖。
僕の心にもしっかり生まれている“コロナ差別”
その差別は“正しさ”を武器に、思いやりも優しさも切り捨てて、深く深く人を傷つける。今、現在、動けば必ず文句や攻撃してくる人がいて、でも、それは過剰だとしても、守りたい人や生活、命があるからであって、一概に文句を言う人、否定する人が“悪い!”とはいかない。
だから僕としては、コロナが落ち着くまでは、活動は控えてそっとしておくつもりでいる。
それと、その都度やってくる“なぜこんな状況なのか”には、必ず理由があると思っているから。今なら、離婚もして人生が変わった僕は、“人間生活”の大事さ、歌や伝える以外で社会に繋がる時期だと捉えているので、コロナが自分にとって悪い状況だとは思っていなかった。それこそ、そんな状況で無理して歌おうとはまったく思わない。
そのなかで歌うことを選んだ理由は、主催者でもある友人の存在。
彼は二度にわたる延期の末、福岡で一番集団感染がひどくなりそうな時期に開催を決定した。
前日に送ったメールで今、開催する覚悟を聞いた。
その返答。
リスクがあること、辞めたいと思ったこと。
そのうえで、待ってくれているお客さんや演者、みんなの楽しみにしている時間の為に決定したこと。
その最後に送られてきたメール。
「向き合って生活していく
向き合いながらやるべき事をして生きていく
そんな時代だと思ってる」
僕は彼がすごく好きだ。
誤解を恐れずに書くと、僕にはない“音楽に命をかけることができる人”
僕は音楽じゃない。
“人の人生に深く影響を与えられる生き方”として、歌や伝えることを選んでいる。
『音楽』というひとつのジャンルではない。
そんなややこしい僕の心に深く響いて、“この人と一緒なら活動したい!”と思わせてくれた言葉がある。
「このままではエンタメが死ぬ」
ほかの人にはわからなくていい。
僕にはすごく響いた。
全国を相手にしている人間なら、そう思っているかもしれない。
でも彼は違う。
これは僕の勝手な偏見で、とても失礼な書き方をしている。
でも、だからこそ響いた。
こんなに生活の一部として“音楽”を愛している人間が友人だということ。
迎えた当日。
できる限りの対応や対策をして臨んだ。
8月1日の福岡市の感染者は67人、感染者数が1150人目を超えた日。
結果、感染者はなし。
ライブ後2週間の追跡をしっかりやっての結果だ。
ライブに来てくれた人なら、あの日、どれだけの熱量でコロナに立ち向かい、当日に生まれた感動を忘れないでいてくれる、と勝手に信じている。
僕は彼とまたライブがやりたい。
あの日来てくれていた人たちにまた会いたい。
当日来てくれていたすべての方。
同じステージに立ち、それぞれの想いをわけあってくれた ゆめのさん MIZUHOさん 中島晴香さん。
何より、この『The Acoustics』を企画して、声をかけてくれた友人に心からの感謝。
また必ず“音楽”で繋がる日を信じて。