期待が確信に変わった。
ガイアメンテの新馬戦の日、「今日、伝説が始まります。」というタイトルのnoteを書いた。伝説は、確かに始まった。
伝説。そう言い表しても大袈裟にならない、凄いものを見たというレースだった。パドックに入ってきた彼を見て、思った。凄い、と。風格、雰囲気が、他の馬とは一線を画していた。未だデビューしていない2歳馬なのに、王者の風格を纏っていた。然し、パドックを周回しているのを見ている内に、彼に思い入れが強いからそう見えているのでないか。コルレオニスもよく見える。そんな不安が募ってきた。ただ、彼、ガイアメンテは、騎手が跨った瞬間、戦いに向かうことを知っているかの様に、表情が変わった。大丈夫だ。勝ってくれる。そう思った。
レースが始まる。少し掛かり気味で前行こうとする彼を、鞍上が宥める。折り合ってくれ。そんな想いで、最初の直線を見ていた。何とか、折り合った。3,4コーナー中間。「手応え大丈夫か?」近くの人の声が聞こえた。ターフビジョンも見づらい位置にいた為、彼に対する言葉かと思い、馬場を苦にしたか、と思った。直後、視界に入ってきたのは、今にも先頭を捉えようとする彼だった。よし、大丈夫だ。勝てる。後は、きっちりカメラに彼を収めるだけ。そう思った瞬間、一瞬、緊張で震えた。一瞬で済んだ。本当に良かった。彼は無事、先頭でゴールを駆け抜けた。ダービー馬だ。そう思った。来て良かった。競馬を見てきた中で、凄い馬になると信じてデビュー戦に駆けつけても、思い通りにならないことも多い。ただ、今回は違った。鞍上武豊で、デビュー前に怪物だと確信した馬が、他馬を力で捻じ伏せる。そんな姿を目の前で見られて、幸せだった。来年のダービーを、武豊のエスコートで制す。そんな姿を、想像していた。それが単なる想像ではなく、現実になる。そう、信じている。
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