見出し画像

群れることは悪いこと?

 職能団体って、何のために存在する?

 同業者から会費を集めて、その集めたお金を動かして、同業者が働きやすい環境をつくる。そのために関係する政府機関に働きかけを行ったり、そこから得た情報で会員の資質向上のための教育を行ったり、必要に応じては資格の発行までする団体のことだと僕は理解しているのだけど、違うのかな?

 僕が今属している3つの職能団体だけど、米国の1つ以外は、職能団体として機能しているとは到底いいがたい。ではなぜ会員でいるのか、と聞かれたら、Aについては長年のおつきあいで、Bについては、保有する資格の卒後教育の単位を取得できる機会をくれるから、で、それ以外に理由はない。

 Aについては実は、日本の同業者の置かれている環境を改善できるかも、という期待をどこかに抱かせる前トップのビジョンがあったが、ライバル団体(傍から見てて、こちらもまともに機能しているとは思えないのだけど)に押されてどんどん縮小、会員全体の高齢化もあって、機を見て敏に動けなくなって、この20年ことごとく浮上する機会を逃し続けてきた。

 Bの方は、設立時は会員から国内で活躍できる環境を整備してくれそうな期待があったとは思うが、設立者がB以外の団体(Aのライバル団体でもあった)で体よく持ち上げられて、Bの会員は置き去りにされてしまった。それ以降、業界をリードするべき存在でありながら、知る人ぞ知るマニアックな団体、で留まってしまってこちらも浮上の機会を失ったばかりか、現代表はここからどうしたものか、との困惑を隠そうとしない。こちらもAと同じく会員の高齢化は目に余るほどとなり、若い世代はもう入会しない、大学や専門学校の教員となった会員が教え子を連れてくる、程度になってしまっている。

 では、なぜ、若い世代はそのよう職能団体に入ってこないのか? 会費が負担であることに尽きる。会費をはらってそのような団体に所属することにメリットを感じないからで、その団体が会員に提供できるサービスの内容、講習会やシンポジウムの企画力、が会費に見合っていないから、だ。もちろん、団体の側も若い世代に十分説明しきれていないのは当然のことではあるが、そうやって毛利の「3本の矢」ではないが、同業者が知恵を出し合って業界全体の環境が良くなること、の価値を若い世代に伝えることができていない。これホントは僕ら養成教育に関係している者の仕事ではあるんだけど、現場に出ていない人が多いからその必要性を感じていないうえに、同業者個人個人が自分の利益を追求するためには他者を蹴落として、という側面・背景もあるのでなかなかそれは進まない。

開業できる医療職者を「アスレティックトレーナー」にしようとしたところに問題があるのかも、ただでさえ一匹狼、悪く言うとお山の大将なのに、組織を作ってさらに大きな組織に権利を主張して勝ち取る、なんてタスクとして難しすぎる…

うっしー心の叫び

 もしかしたら、うまくいっている人ほど、現状の混沌を良しとしている可能性もあるのではないか?「オレはうまくいってるよ、うまくいかないのは自分の努力が足りないんじゃね?」な自己責任論は我が業界でも顕著なのだろう。 なんか、それを突き詰めていくと、本来あるべき理想からどんどん離れていくような気がして不安になる。今うまくいっている人も、もっとうまくいく可能性があるのに、それを閉ざしてしまっていないですかね…

 もちろん、上を向いて口を開けているだけ、の人を助けるのではなく、正しく努力している同業者がそれに報われる社会を望むが、そのためには「向かうべき方向」を示す必要があるのではないか。「向かうべき方向」をわかっている人がいるのかどうか、そこすら疑問でもある。そういった意味でホンモノの職能団体、は今見つからないのが本当に心苦しい。

いいなと思ったら応援しよう!

Yoshikatsu Ushijima MS ATC
このnoteをご覧くださりありがとうございます。サポートいただけた際には子供たちが安心してスポーツに打ち込める環境づくりに使わせていただく所存です。よろしくお願いいたします。