<不格好な思い出> 部下の成長ではなくお互いに心地良い関係優先の結果…
その頃の僕は、僕を含め7名のチームのリーダーでした。6人の部下は全員女性で、自分ではうまくチームをまとめ、自分の思い通りに仕事を回していると思っていました。
部下に相談されると「こうしたらうまくいくと思うよ」と、次にどうすればよいか具体的にアドバイスしていました。僕が指示を出すときには背景や目的を丁寧に説明した上で、迷いそうなことやミスしそうなことを想像し先回りして「こうならないように ここはこうしてね」とできるだけ細かく伝えていました。
それぞれの部下のレベルや得意なこと(←好きなことに近いかもしれません)を考慮して、その人にできる仕事を割り振り、少しでも本人が躊躇すれば割り振り方を変えたり、僕がカバーしていました。
そして、重要な会議には全て僕が出席して発言し、部下から頼まれれば他部署と揉めそうな打合せに極力顔を出していました。
こういうチーム。部下からすると、きっと心地良いですよね。僕も、彼女達から頼りにされ、自分の思ったとおりに仕事が回っていて、とても心地良かったです。
でも、このチーム運営のやり方を続けていたら何が起こったか。
リーダーの僕が忙しくなりました。そして、仕事がこなせなくなりました。
その頃の僕は、夜9時くらいまでは普通に仕事していましたし、もっと遅くなることもよくありました。それに、土日のどちらかは出勤していました。でも、仕事がこなせないのです。
そんな僕の一生懸命さを部下の人達は理解してくれていました。そして、僕が本来行うべき僕の雑務を彼女達がしてくれるようになりました。
お互いに都合の良いところを頼り頼られる関係。その心地良さに僕も彼女達も安住し、何とかその状態を維持しようとしたのです。そうして、そのサイクルからなかなか抜け出せなくなるのです。
当時の僕に決定的に欠けていた視点が、部下の人達の「成長」と「仕事のやりがい」です。少しでも困れば自ら手を出して助け、困りそうだと思えば顔を出す。過保護の典型。そう、僕がしていたことは度を過ぎた過保護なのです。部下から、「成長の機会」と「仕事のやりがい」を奪っていました。
当時の部下の方々には本当に申し訳なかったと思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。