【和田よしあき国会だより2022.10.14】
安倍元総理の国葬儀が無事執り行われました
9月27日、安倍晋三元総理の国葬儀が執り行われました。私は主催者(内閣官房、内閣府)の葬儀委員として皇室の方のアテンド、ご遺骨のお見送りなどを担当しました。
国葬儀の是非については確かに議論がありました。しかし、在任期間歴代最長の総理大臣で、しかも外交、経済、安全保障、こども政策などで目覚ましい成果を上げた総理大臣が民主主義の象徴である選挙の最中に暗殺され、非業の死を遂げたわけです。
一方、テルアビブ空港乱射事件や、あさま山荘事件等で多数の一般市民を殺傷した認定テロ組織、日本赤軍の元メンバーが安倍元総理殺人犯を擁護するような映画を国葬儀に合わせて制作・公開。問題は一部マスコミがこれを好意的に報じたり、殺人犯に同情的な報道をしていることです。日本にはかくも暴力革命に寛容な人が居るのかと、その異常さに驚きを禁じ得ませんでした。
私は葬儀委員長である岸田総理の5列後ろで葬儀の一部始終を見ていました。会葬にお越しくださった方々、とりわけ外国の王族や安倍さんと親交のあった政府要人の方々がみな一様に献花の際に昭恵夫人のところに行き、その心に寄り添うように深々と頭を下げていました。そして献花の際には安倍さんの遺影をみなさんが名残惜しそうに、何かを語りかけるように見つめていました。
私は、安倍さんがそうそうたる賓客から真に惜しまれているこの様子を見て、心と心が通い合う国葬が無事執り行われて本当に良かったと確信しました。岸田総理も葬儀委員長の責務を立派に果たされました。菅前総理の弔辞は涙を誘いました。ご遺骨は最後、100名余の儀仗隊による、一糸乱れぬ三発の一斉弔銃で武道館から送り出され、ご遺族のもとに帰って行きました。
日本の有事に「想定外」は許されない
8月6日・7日の2日に渡りJFSS(日本戦略研究所)の台湾有事シミュレーションにお招きをいただきました。この目的は政治家が有事に適切な判断ができるよう訓練をする事と、政府が適切に事態対処するにあたって足枷となる法律を浮き彫りにする事です。
次々と繰り出される状況シナリオは岩田清文元陸幕長、武居元海幕長、尾上元空自補給本部長をはじめとした自衛隊高級幹部OBが作成。シナリオは①武装民兵が漁船に乗り込み尖閣諸島に上陸②先島諸島の国民避難③中国が日本に対して核の恫喝の3種類。それぞれ約半日かけて、閣僚会議の形式で対処していきます。
政府の陣容は小野寺五典元防衛大臣が総理大臣役、木原稔元総理補佐官が官房長官役、大塚拓元内閣府&財務副大臣が防衛大臣役、薗浦健太郎元総理補佐官が外務大臣役、松川るい元防衛大臣政務官が国交大臣役、有村治子元国務大臣が経産大臣役、中堅議員がシナリオに挑みました。私は通信の確保や自治体との連携を担う総務大臣役でした。
大臣を支える事務次官役には本物の事務次官OBや各分野の専門家が招聘され、大臣役を補佐していただきました。
このシミュレーションを実施している間はマスコミフルオープン。カメラが回っている中、想定外の出来事がものすごいスピードで発生し、それに対して次々と決断をすることは大変良いトレーニングになりました。
今回の学びは・・・
▶︎台湾有事では台湾のみならず東シナ海全域が戦場になり、沖縄のみならず沿岸の鹿児島県、宮崎県、佐賀県などにも影響が出ること。
▶︎米軍は台湾の防衛にかかりきりになり、日本の領土領空領海は日本が独自で守らなければならない「分業」体制になること。
▶︎戦争状態になったら在中国邦人11万人と在台湾邦人3万人の避難・救助が事実上極めて困難になること。
▶︎法律の制約で戦争状態にならなければ民兵が上陸した尖閣の島に自衛隊でなく軽武装の警察・海上保安庁を派遣せざるを得ない。従って無駄な犠牲を生む。
▶︎法律の制約で防衛装備や弾薬の大量輸送に大きな制約があり、急速な侵攻に間に合わない。
▶︎法律の制約でサイバー攻撃の兆候を事前に察知するサイバー空間の探査やサイバー反撃が困難なことから、サイバー防衛が後手に回る。
▶︎先島諸島など戦火に近い地域の住民を避難させる船や航空機が圧倒的に足りないことから、かなり早い段階で避難を始める必要がある。
・・・などです。
新型コロナ、物価高騰対策の手は緩めません
9月に「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の追加措置を閣議決定、速やかに執行します。4月に6000億円を措置し、9月にも同額の6000億円の措置としました。非課税世帯への一人5万円はこれとは別に措置されます。
北海道:168億円
内、札幌市:35.8億円
江別市:3.0億円
千歳市:1.9億円
恵庭市:1.6億円
北広島市:1.4億円
石狩市:1.7億円
当別町:5.6千万円
新篠津村:1.9千万円
※数字は四捨五入
これから12月にかけては各省庁の補正予算も編成します。財政健全化の旗印は堅持しながらも、国民の命と暮らしを守り抜く為に適切な財政措置ができるよう努めて参ります。
以上です。
今月も最後までお読みいただきありがとうございました!