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【和田よしあき国会だより2023.9.15】

今年も「JFSS台湾シミュレーション」に参加!

7月15日・16日、二日間終日に亘り日本戦略研究フォーラム(JFSS)主催「台湾有事政策シミュレーション」に参画しました。小野寺元防衛大臣が総理大臣役、長島昭久衆議院議員が官房長官役、木原稔衆議院議員が防衛大臣役を務め、私は外務大臣役を務めました。

↑JFSS台湾有事政策シミュレーションに参加しました
↑JFSS台湾有事政策シミュレーションに参加しました

このシミュレーションはマスコミフルオープン。そうそうたる防衛省・自衛隊OBが台湾有事の極めてリアルで困難なシナリオを作成し、我々大臣役に容赦なく状況を打ち込みます。それを受けて我々は担当大臣として正しいと信ずる決断を都度下します。その決断を下す過程では歴代の事務次官や高級官僚が次官役として補佐。

米国務省OBや台湾軍OBもシミュレーションのメンバーとして参画し、米国、英国、リトアニア、スウェーデン、台湾などの大使館関係者もオブザーバーとして出席しました。

台湾有事の始まりは、20XX年、中国が親中路線の政党を支援し、更には意図的に台湾独立運動を扇動し、台湾市民の分断や混乱が引き起こされます。サイバー攻撃など軍事力を使わない手段で電力、通信、金融ネットワークなどが麻痺させられ、台湾市民の生活は混乱し、正確なニュースにもアクセスできなくなります。そして中国が独立阻止という大義名分で台湾に侵攻します。

これを受けて米国が在日米軍など極東の部隊を台湾に展開し、日本は後方支援を要請されます。

時を同じくして、尖閣諸島に中国の武装漁民が「避難」という名目で上陸し、中国海警と海軍がこれを救出するという名目で日本領海に侵入。日本はグレーゾーンの対処でまず海保が出動しますが反撃を受け犠牲者が発生。

その頃、日本でも台湾と同様に偽情報の流布やサイバー攻撃が発生。加えて、台湾有事を受けて南シナ海、東シナ海を通過するすべての船舶が2週間から1ヶ月遅れ、日本は深刻なエネルギー、物資の不足に陥ります。日本の株価が下落し、円相場も下落して経済的な混乱も生じます。

そのような中、米国からは、米軍は台湾にかかりきりになる為、尖閣諸島は日本単独で守るよう通達されて…と、言ったシナリオです。

時々刻々と変化する状況、矢継ぎ早に繰り出される中国の様々な攻撃に対して、米国のみならず英国などNATO諸国、QUAD(日米豪印)、ASEANなどから、引き出せる協力を引き出して事態に対処する作業は、政治家の「覚悟」と、平素から有事に際して切るカードを備えておくことの重要性を嫌と言うほど思い知らされました。素晴らしいトレーニングの場をご提供いただいたJFSSならびに関係者の皆様に感謝申し上げます。

↑マスコミフルオープンで錚々たる顔ぶれが参加されています

余談ですが、シミュレーション終了後、参加者の多くに巧妙なウイルスメールが送信されました。シミュレーションに不満を持った方がおられたようです。

商社マン時代に5年間住んだインドに出張!

↑日印友好議員連盟としてインドの国会議員や有識者と意見交換

7月18日〜20日、デリーに弾丸出張しました。今回の出張の目的は2つ。

一つ目は、日印友好議員連盟の事務局長として議員外交を定期的に行うことです。インド最大与党BJPのB.J.パンダ副総裁をはじめ与野党の友好議員連盟のメンバーと、今後どのような分野で日印連携を強化すべきかを議論し、両国間の民間投資促進、人材交流の活性化、安全保障の連携強化などが挙げられました。

また、議連の会長である西村康稔経産大臣が日本から新興企業(スタートアップ)の創業者を多数同行しており、インドの14億人市場としての魅力やエンジニア人材・経営者人材の供給拠点としての魅力について意見交換をしました。

↑スタートアップ(新興企業)経営者と意見交換

二つ目の目的は、自民党議員による議員連盟「次世代の防衛産業の構築と海外装備移転を抜本的に促進する会」の幹事長代行として、インド政府要人に日本が防衛装備移転の意志があることを伝え、インド政府のニーズや意図を確認することです。

インド防衛省事務次官のアラマネ氏と防衛研究所所長のチノイ氏(元駐日大使)と意見交換。特に防衛研究所ではインド軍OBや有識者の方々とも意見交換を行い、日本のインド太平洋の安全保障への積極関与と防衛装備品移転に対してインド側から歓迎の意と大きな期待を確認しました。

↑インド国防省事務次官(事務方トップ)のギリダル・アラマネ氏と意見交換
↑元駐日インド大使・現インド防衛研究所代表のスジャン・チノイ氏と意見交換

インドは北の国境で中国からの圧力を受けており、国境紛争で犠牲者も出ています。日本と同様、中国の脅威に直面しているのです。

一方、インドは防衛装備品の65%・原子力発電設備と使用済みウランの処理をロシアに依存しており、これがウクライナを侵略するロシアに強く反発できない最大の理由です。加えて、ロシア製の装備品がウクライナ戦争の影響で枯渇している為、インドは装備品調達に困っており、国防にも影響が出ています。

インドのロシア依存解消を支援し、中国という共通の脅威に共に対処する為にも、装備品移転は日本の外交政策のカギになります。

令和6年度予算獲得の為の要望活動が本格化!

↑井上貴博財務副大臣へ陳情

現在、霞ヶ関の各省庁が 6月に閣議決定された「骨太方針」に基づき、8月末に概算要求を取りまとめ、財務省に提出されました。その後、年末にかけて財務省との各省庁との予算折衝の結果、12月中旬に来年度予算案が内示され、1月に召集される通常国会で令和6年度予算案が衆参予算委員で審議されます。

従って、例年7月・8月は地方自治体や各種団体からご要望をいただきます。この7月は私の選挙区の自治体で構成される石狩地方開発促進期成会や北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会、北海道経済連合会、北海道商工会議所連合会、北海道建設業協会などの関係者のみなさまからご要望をいただき、目指すゴールの指差し確認を行いました。

国会議員の最も重要な仕事の一つは「予算獲得」です。国益、国民の利益の為に足らざるところにいかに予算を配分するか。愛する地元の繁栄を実現する為にいかに予算を勝ち取るか。限りある予算財源の取り合いは熾烈を極めます。今年も予算の議論の山場を迎えました。全力を尽くして頑張ります。

↑井上貴博財務副大臣へ陳情

以上です。
今月も最後までお読みいただきありがとうございました!

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