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【和田よしあき国会だより2023.3.16】

ラピダス社による半導体工場

2月28日、ラピダス株式会社が千歳市に半導体工場を建設することが正式に発表されました。地元選挙区に世界最先端の半導体工場を誘致できて大変誇らしく思います。

ラピダス社はトヨタ、NTT、ソニー、ソフトバンク、デンソー、キオクシア(旧東芝メモリ)、NEC、三菱UFJ銀行が出資する2022年に設立された新たな「日の丸」半導体メーカー。

産業と生活の生命線でもある半導体の開発と製造を「日本企業の手で、日本国内で行う」・・・政府が不退転の覚悟で5兆円を投じる「国家プロジェクト」です。

1980年代、日本は半導体の開発・製造で世界のトップを走っていました。しかし、日米半導体協議で米国製半導体の輸入を強いられたことや、その後の日本政府の産業政策、世界戦略が不十分であったことから、多くの日本メーカーは半導体の開発、製造を大幅縮小。その結果、世界トップシェアを台湾、韓国、中国に明け渡す結果となりました。

折しも、米中関係が悪化し、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた2020年、マスクから半導体まで、国家として必要不可欠な素材や製品の生産を第三国に依存していることが国家安全保障上、深刻な問題であることを今更ながら思い知らされた瞬間でした。中でも半導体はものづくりニッポンとして、国民生活を守る上で、必要不可欠でした。

経済産業省は2020年より日本にとって核心的な素材、製品の製造拠点を中国など政治的リスクの高い国から日本に取り戻すべく、毎年数千億円を投じてサプライチェーン再構築を行なっています。

2021年、自民党に「半導体戦略推進議員連盟」が設立されました。そして日本の半導体産業を再生する決意が自民党の議員有志から強く示されました。私もこの議連のメンバーです。

2022年2月、ロシアのウクライナ侵略で国際社会の分断は加速。食料などあらゆる資源や製品が不足して世界的な争奪戦が繰り広げられています。自由貿易の終焉は決定的となりました。

同年5月、萩生田経済産業大臣(当時)がレイモンド米商務長官と半導体協力基本原則に合意して次世代半導体開発の共同タスクフォース設立を決定。

同年8月、紆余曲折を経ながらも政府主導でラピダス株式会社設立。

同年12月、ラピダスとIBMなどがパートナーシップを締結。それを受けてラピダスの半導体事業を政府が国家安全保障戦略の一部として正式に位置付け、今日に至りました。

日本の歴史に残る国家戦略プロジェクトが「千歳」から始動します。

昨年末より密かに動いていた「このプロジェクトを千歳に!」という願いに力を与えて下さったラピダス社と西村康稔経済産業大臣をはじめ政府関係者各位に心から感謝申し上げます!

↑衆議院予算委員会で政府答弁

地方創生交付金・デジタル田園都市交付金の採択決定!

私が所管する地方創生とデジタル田園都市の交付金。令和4年度分で地元選挙区から申請していただいた案件は厳正な審査をクリアして全件採択されました!素晴らしいご提案作成に汗を流した自治体のみなさま、地域のみなさま、おめでとうございます!

そして、地域のみなさまが、「ちょっと便利になったかも」と、ある時感じていただければ、私としてもこれほど嬉しいことはありません。

【デジタル田園都市】
地域のデジタル化推進で住民の方々の利便性や生産性向上を目指す事業です。
※数字は概数にて表記
札幌市(厚別区もみじ台・青葉町):総額2億円
 「共創型スマートシティ・新さっぽろモデル」・・・2億円
 (交通の利便性を向上するための実証実験)

千歳市:総額2710万円
 「GPS除雪情報システム整備事業」・・・740万円
 「公共施設予約管理システム導入事業」・・・330万円
 「デジタルドリル導入事業」・・・800万円
 「キャッシュレス決済対応レジ導入事業」・・・830万円

恵庭市:総額2950万円
 「電子入札システム導入事業」・・・260万円
 「窓口支援システム(書かない窓口)導入事業・・・1330万円
 「LINEを活用した市民サービス導入事業」・・・1360万円

北広島市:総額330万円
 「窓口キャッシュレス決済導入事業」・・・330万円

石狩市:総額1億円
 「オンライン手続プラットフォーム導入事業」・・・5290万円
 「AIドリル実装による学びのDX事業」・・・4860万円

当別町:総額4240万円
 「リモート相談窓口推進事業」・・・370万円
 「証明書等コンビニ交付事業」・・・560万円
 「気象観測事業」・・・2270万円
 「デジタル教育推進事業」・・・1040万円

【地方創生】
地域の歴史や文化など強みを活かして地方創生を推進する事業です。

江別市:総額9990万円
 「旧町村農場保存活用推進事業」・・・9990万円
 (酪農の歴史の資料館を設置)

↑内閣府では全国各地からたくさんのご要望をいただきます

日本の防衛産業強化と海外装備移転を推進する議員連盟を設立

インド太平洋の「航行の自由」を守ることは海洋国家日本にとって死活問題です。石油を筆頭にあらゆる資源や物資がインド太平洋を通過して、さながらパイプラインのように船舶がつながり、我々の暮らしを支えています。

仮にこのパイプラインが寸断されれば、たちどころに国内の電力供給はひっ迫し、物資は不足し、あらゆる経済活動や生活に甚大な影響を及ぼします。それゆえに中国の南シナ海、東シナ海での横暴は深刻な懸念事項となっています。そしてこの価値観は米国、ASEAN、インド、オーストラリアなどとも共有されています。

日本政府はASEAN諸国をはじめアジア全域において長年資金援助や経済協力を通じてその発展に寄与してきました。しかし中国の発展と共に中国の政治的、経済的影響力が強くなり、インド太平洋の安全が脅かされています。

例えばインドは隣国であるパキスタン(西側)、スリランカ(東側)に中国海軍が自由に利用できる港ができました。中国はモルジブ(南側)にもアプローチをしており、インドが面する海の全方向に中国海軍の基地が置かれる恐れがあるのです。

南シナ海では中国が7つの岩礁に人工島を建設して基地化しました。そしてミサイルを配備し、爆撃機の発着できる滑走路も建設しました。

このような状況下、日本はインド太平洋諸国との関係をさらに強化しなければなりません。これまでの経済面でのパートナーシップのみならず、お互いの国益を守る軍事のパートナーシップが不可欠になります。

2022年、日本はフィリピンに警戒管制レーダーを移転(輸出)しました。フィリピン周辺の空域と海域での異常行動を半径600kmの範囲で警戒します。フィリピンのような民主主義国家が自らの国を守ることを日本が応援することは民主主義の価値を守る上でも極めて重要です。そして同時に高い技術力を持ちながらも衰退の一途を辿っている日本の防衛産業を再生することにも寄与します。

↑来日されたフィリピン、マルコス大統領を表敬

今年2月21日、小野寺五典元防衛大臣を会長とする「次世代の防衛産業の構築と海外装備移転を抜本的に推進する会」を設立しました。国家安全保障局、防衛省、外務省、経済産業省、防衛装備品メーカーなどから二年間に渡りコツコツとヒヤリングを重ね、満を持しての設立です。昨年策定された「安全保障3文書」にも、装備品移転の必要性が明記されるよう議論した上での設立です。

↑防衛産業・装備移転議連発足後の記者ブリーフ

あらゆる側面から日本とインド太平洋地域の安全を守るべく、元商社マンとしての経験を活かして、飛び回ります!

以上です。
今月も最後までお読みいただきありがとうございました!

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