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頭がゾンビになりまして

個人ブログより転載


コロナに罹った後いわゆるブレインフォグの症状が改善せず、1週間まるまる療養していた。

基本的に頭がずっとぼぉーっとして重く、物事への集中力が持続しない。
それだけならまだ何とかなるが、最もしんどく感じたのは抽象的な思考力が一段か二段落ちることだった。
例えば、仕事でプロジェクトについて議論していても、他のメンバーの言ってることすぐに理解できない。
あるいは、自分が文字に書き起こして伝達したいことをスッとタイプできない。

仕事をしているフリならば何とかできていた。チャットで何か聞かれたらそれっぽいことをゆっくり返すとか、ミーティングで「なるほど」と言っておくとか。
そういう ”私というインターフェース” を何とか繕うのが関の山で、本質的なアウトプットを出せないことに対して良心が耐え切れず、とうとう療養のための休暇を申し出た。

休暇に入っても、布団に横たわっている時間が長くなってしまっていた。
普段はカフェに出かけて読書をしたりこのサイトのためのブログを執筆していたのが、コロナ復帰後はぱったりとできなくなってしまっていた。
とにかく文字を読むのが億劫で、ニュースサイトではなくYouTubeばかり眺めてしまう。読みかけている『三体』や『百年の孤独』なんて全く手をつけられない。

怖いのはいつ治るのが分からない点だ。
近所のクリニックに相談しても、「現時点では原因について詳しく分かっておらず、明確な対処法も確立されていないので症状の改善を待つ他無い」と言われてしまった。最後には逆に謝られてしまい、こちらがなんだか申し訳なくなってしまった。
多くの場合は3か月から1年以内に症状が寛解するらしい。が、悪くすると年単位で闘病する人もいるようだ。
私にとっては「頭がゾンビみたいな状態」に思えるが、これがずっと続くと思うとさすがに気が滅入る。

とこんな風にずっと不安な気持ちで過ごしていたのだが、ここ数日は症状がかなり軽減されており、文章を書くこともできるようになってきた。今まさにタイプしていて気持ちがホッとしている。
コロナ陽性と診断されたのが8月9日だったから、私の場合はほぼ1か月ぐらいかかったことになる。長く感じたが、この期間で回復したのはまだ運がいい方だったのかもしれない。

さて、読書筋力がだいぶ落ちている気はするが、『百年の孤独』をまた開いてみるとするか。

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