貴重なホームランボールを惜し気もなく少年ファンにプレゼントした男性の話
今のご時世、どちら向いても、悲しい話、悲惨なニュース、暗い話題ばかりが飛び交っていますが、そんな中、ここトロントから飛び切り心温まるニュースをお届けしたいと思います。
このニュースは、SNSなどで世界中に拡散されていますので、すでにご存じの方々も多いかと思われますが、私はカナダの公共放送、CBCで報道された記事を参考にして、ご紹介させていただきます。
5月2日夜、トロントのロジャース・センター(旧スカイドーム)で、MLB トロント・ブルージェイズ対ニューヨーク・ヤンキースの試合が行われました。今シーズン序盤で、強豪ぞろいのアメリカン・リーグ東部でヤンキースが1位、ブルージェイズが2位。上位2チームが激突する試合とあって、多数の観客が球場に詰めかけていました。
ニュースの元となったストーリーは、6回、ヤンキースの強打者、アーロン・ジャッジ選手がホームランを放った時に起こりました。ジャッジ選手の大ホームランが観客席に入った際、それを素手で受け止めたブルージェイズ・ファンの男性がいました。その男性、マイク・ランジロッタさんは、受け止めたホームランボールを何の躊躇もなく、すぐ近くにいたヤンキース・ファンの少年にプレゼントしたのです。
少年の名はデレック・ロドリゲス君(9歳)。カナダに住んでいますが、父子2代にわたる熱狂的なヤンキース・ファン。しかもデレック君はジャッジ選手の大ファンで、その日、ジャッジ選手のチームジャージーを着ていたのです。だから、マイクさんはデレック君のことを気づいていたので、彼にホームランボールをプレゼントしたわけです。
ボールを渡された時、デレック君は感極まって、泣きながらマイクさんに抱きつきました。この一部始終がテレビ中継で流され、しかもSNSなどで世界中に流れたのです。
ジャッジ選手もこの話を聞いて、「どのチームのジャージーを着ていても、誰もが野球を愛するということでは共通しています。これこそ、このスポーツのいいところです」と語っています。
さらにジャッジ選手は、翌日、デレック君一家とマイクさんを球場ダッグアウトに招待し、しばし談笑の時を持ち、デレック君のホームランボールにサインをしたほか、彼のバッティンググローブを1組、プレゼントしました。この間、デレック君は感激の涙を流しつづけていたそうです。
ニューヨーク・ヤンキース球団は、後日、デレック君一家とマイクさんの双方から9人ずつ(計18人)をニューヨークのヤンキースタジアムに招待し、ジャッジ選手専用の特別観覧席でヤンキースの試合を観戦してもらうと発表したそうです。
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https://www.cbc.ca/player/play/2030024771785