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50歳無職となって感じたことなど。

※下記はあくまでも私個人の経験です。参考程度に読んでいただけますと
 幸いです。


今年の2月をもって再び無職となった。

"再び"とは8年ほど前に長年勤めていた会社を退職し4年間仕事が決まらず、つらい無職時代を過去に経験しているから。

そして4年前やっとのことで決まった再就職先が”業務のスリム化”のために昨年末をもって閉鎖となった。

本社から来た担当者は皆さんの再就職先は私が責任をもって手配しますからと言ってはいたが、少なくとも私は一社も紹介されていない。
周りでもそんな話を聞いていないのでおそらく誰も紹介されていないと想像する。

在職中に探せばよかったと思われるかもしれないが、急遽決定した閉鎖なのでかなりの密度で業務の”引っ越し作業”に追われ、とてもではないがそんな余裕はなかった。

そしてバタバタとあっという間に昨年末の閉鎖となり、一か月ほど有休残があったので実際の退職日は今年の一月末となった。

ハローワークに離職手続きに行ったのが2月の半ば。
”ダイヤモンドプリンセス号騒動”の真っ最中だった。

今回は会社都合の退職なので給付期間は6ヶ月、待期期間をへて3/11が最初の認定日(就職の意思やその間の収入の有無の確認をして給付を決定する日)となった。(自己都合退職の場合は+3か月の待期期間)

しかしその時期はコロナパニックの初期。学校の休校要請、オリンピックはどうなる?、緊急事態宣言は?などなど。

ハローワークでの対応も本来は次回認定日までの約一か月間に2回の求職活動(求人応募・求職セミナー参加など)を行わなければならないのだが求人コピーを見るだけで免除となった。
つまり求人もないし感染防止の観点からこの時期積極的には来なくていい、と私は解釈した。

その後今日に至るまで求職活動は従来は認定日間2回必要なところ、一回と免除は続いている。

しかしである。その一回の求職活動も求人が無ければ本当に辛い。
コロナ騒動後求人は底を打ったまま増える気配は殆どない。
ましてや正社員で50歳の中途採用など皆無に等しい。
また、あったとしても殺到するためかなりの”狭き門”となっている。

仕事を選ばなければ何かあるだろうとおっしゃるかもしれないが、これまでのキャリアを全く捨てでも探せとはいささか押しつけがましく、他人事的な発言だと思う。
しかしながら現実的には職を選んでいられず、未経験の仕事でも求人があれば応募するしかない。が、殆ど書類で落とされる。”その年齢で未経験だから”という理由で。矛盾しているが。

失業給付は本来8月末までの規定だったが、さすがにこの状況なので2か月の給付延長が現時点で決まっている。(10月末まで)

だが2か月後状況が改善されているのかというといささか疑問である。
ハローワークの担当者も雇用調整助成金だったと思うがその期限が切れるとこれまで”延命措置”がされてきた企業から一気に失業者が出て、今後ますます状況が厳しくなる可能性があるとも言われた。

今は何とか失業給付で食いつないでいるが、この年齢この先を考えると不安でならない。
給付が切れたならアルバイト・派遣等で食いつなぎながら探すことになるだろうが、おそらくそのまま世間一般の定年の年齢に達すると想像する。

この状況なので将来年金はいったいいくら給付されるのかが気になり、年金事務所に問い合わせると、このまま国民年金を60歳まで納付し続けたとしても、65歳から年間約95万円の給付という試算。(あくまで現状下での試算)
月に約8万円である。そこから家賃や食費、光熱費、その他雑費をさし引いたらと思うといったいいつまで働かなきゃいかんのだ、と中々の不安材料で押しつぶされそうな状況での求職活動。

なんとしてでも働き続けなければ生きてはいけない現状。
世間ではブラックだなんだと騒がせているが、面接までたどり着けたらどこも自分にとっては”ホワイト企業”である。

そしてやっとのことでたどり着いた数少ない面接でいつも驚かされるのが、雇用条件に対する説明が殆ど無いこと。
確かに求人誌等に詳細は書いてはあるが、きちんと確認しないと後からこちらが被害を被る。下手をすると退職→求職活動の負のサイクルにハマってしまう。

しかしである、そこを確認しようとすると必ずと言ってもいいほど少し嫌な顔をされる。(そこを今触れてくれるな忖度しろよみたいな。)

求職セミナーなどでは、
”内容を必ず確認しましょう。説明をきちんとしないところは避けたほうが良いでしょう” のような ”アドバイス” はあるがこちらにとっては必死になって手に入れた数少なく、かけがえのない ”命綱” である。
余計な ”圧” をかけて台無しにしたくないので言われるがままである。
こちらは一百姓、農民の身分である。ことを荒げたくはない。
穏便に何とか機嫌を損ねることなく“仲間”に入れてもらえるように協調性を前面に出すしか戦術はない。ひたすら低姿勢である。”おっしゃる通りで~”という具合に。
それでも結局は落とされているのが今の現状。
だったら自分の本性をさらけ出したほうが良いのでは?と思われるかもしれないが、前途した通り、何度も履歴書を書いて、応募して、やっとのことで面談にたどり着いた私にとっての ”聖地” でもある。
面接までは粋がっていても、”神”の前ではひれ伏してしまう。

そんなこんなの繰り返しである。


在職中で転職を考えられている人へ、こんな私からの個人的アドバイス

1.可能な限り転職には余裕をもって臨んでほしい。在職中に活動を出来る限りの活動をする。在職中なら自分にも余裕があり腰を据えて探すことが出来、自分を堂々と売り込むことが可能。また、今回のコロナのような予期せぬ事態に陥った時に活動を一時休止する選択肢もある。

2.在職中に自分なりのスキルを磨いてほしい。意識してほしい。
自分にしかできない”強み”は”他社でも必要とされる可能性があるし、応用できる可能性もある。何より強みがあることは熱く語ることが出来、面接で強い印象を残す。

3.自分を見つめなおす時間を作る。
これ意外とできていないことが多い。2にも重なる点はあると思うが
自分に何ができるのか、何をやってきたのか、強みは何なのか、今いる会社で自分は精一杯やってきたのか、足りていない点はないかなど。
自己分析はやめた後に職務経歴書を書く時や面接対策としてやることはあるが、是非在職中に少しでも良いのでその時間を割いて自分を見つめなおしてほしい。

4. 3の続きになってしまうが在職中の会社でまだやれること、やり残したこと、改善の余地があることがあればとどまるという選択肢も考えてほしい。巷には「無理してそこにいる必要はない。いやなら会社を変えればよい」という発言が飛び交っているが、どれも”転職成功者”の発言でもあることを念頭に置いて欲しい。(相当ブラックなら別だが)
スキルアップのための転職なら問題ないと思うがそうでない場合は、長期的に考えて後悔している人も同じくらいそれ以上にいると肌感覚で思っている。
結局スキルの蓄積がないので何等かの形でつまずき、また別の会社・・・と長続きせず転職を繰り返す人も多く見てきた。

5.人間関係につまずいている人は上司に相談して配置換えを検討してもらうのも有効。距離を置くことは「逃げ」ではなく会社で生き残るための「知恵」。
その上司との関係で悩んでいる場合は、困難かもしれないが一度上司の立場に身を置いてみるのも手かも。上司自身もプレッシャーを抱えながら業務に対峙している。その業務にたいするベクトル(方向性:何を最優先事項としているか、何を最も恐れているのかなど)を想像し、自分のベクトルとの乖離を確認してみる。同じ方向で努力を重ねていれば良いのだが、別のベクトルで懸命に努力しても残念ながら報われず軋轢の種となってしまう。お互いに不幸な結果となる。

6.「転職のスパイラル」に陥ってしまうと中々抜けられない。たしかに様々な職を経験するのもひとつの生き方であり、人生の幅を広げることになるのかもしれない。
しかし自分のキャリアを積み重ねることは人生の基盤を持つことであり大きな”保険”でもある。失ったときに自分のメンタルに不安があると感じるのなら、再度自分の生き方・方向性を考え直すことも必要かもしれない。

以上、あくまでも個人的見解である。
自分の心身を壊さない範囲で、今後どのような方向に進めてくべきなのかを自身を見つめ直しながら考えていただければと思う。
※私は圧倒的に自身を本気で見つめる力が足りなかった。








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