鏡は自分の何を「ウツス」か
「目は口ほどにものを言う」
人間は、自分を「映す」鏡で顔を確認し、表情を変えてみせる。
そんなに表情が大切なのだろうか?
そんな自分の顔を見るより、自分たちの行動を見てほしいと、私は氷の上で思うのだ。
人間たちが遊びに行くという夢の国には、現実を見せないためにトイレに鏡がないそうだ。
鏡を夢の世界に「移さない」ことで、現実から解放する。
そこまでして現実から目を背けたがるのか。
確かに遊びの時くらいは夢の国に浸りたいのかもしれないが、頭の隅っこで少しでも、私たちのことを考えてもらいたいと、私は氷の上で思うのだ。
日本人は紙に「写した」文章をねつ造し、嘘をつき、現実から逃げている。そうすることで、話し合わなくてはいけない事柄を、次へ次へと遅らせる。
その事柄の中には、私たちの生命に関することがあるのだ。
私たちには次がないのである。今が大切なのである。それは人間も同じなのではないのだろうか。
そんなことを、氷の上から、悲しい顔をウツス水面の顔を見て思うのだ。
「鏡よ鏡、なぜ私は美しくないのか?」
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