あなたの輝きを忘れない
「灯籠流し」
その始まりは、故人の霊を弔う供養のために行われたそうだ。灯籠は川を下り、あの世へと流れていく。
今は初夏の風物詩に行われるのが一般的だ。なんとも幻想的で、見る人々に感動であったり、心の平穏を与えてくれる。
時代は変われど、人の心に何かを与える効果をこの灯籠流しは持っていることは間違いないだろう。少しだけ、与えるものの種類は違うが。
灯籠の火が川に写り、キラキラと輝きを放っている。その様は、命の火を輝かせているように、私には見える。
生きたくても生きることができなかった。だからここで最大限に、輝きを放つ。
私はまだ生きていたいと。まだやりたいことが沢山あったと。誰かと笑顔で生きたかったと。
そう思うことは憶測だという人もいるかもしれない。しかし、もし故人の立場になったら、あの世へ行く前に輝き続けるだろう。
まだ私はこの世で、誰かのために、誰かと一緒に輝き続けれると。
何かの始まりには必ず所以がある。その所以を知らなければいけない。蔑ろにしてはいけない。
どこかで輝きたいと願う人たちのために。
そして、今を生きているだけで感謝しなければいけない、私たちのために。
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