世界の広さに比べたら
「海の広さに比べたら、なんて私は小さいのだろう」
小説やドラマ、演劇でよく使われている言葉だ。
この言葉を実際に使ったことはないが、海は確かに広い。僕なんかを寄せ付けないくらいに。
高校生の時に水泳部だった僕は、学校の小さいプールで泳いでいた。そのプールを何往復しても、海の広さに比べたら、到底敵わない。
海という自然の産物に広さで勝負を挑んでも、荒唐無稽、お門違いこの上ない。
だが、やはり、海の広さに勝ちたいが、億劫になってしまう。普通の人なら海の広さを感じ、まだまだ自分はちっぽけだと前向きになるのだろう。
そんなことを高校時代に思っていた。
でも、今は違う。
勝負するのは海ではなく、世界だ。前だけを見よう。
横に並ぶのは世界で屈指のスイマーたち。
この「世界」を象徴する人たちに比べたら、僕なんかはちっぽけなんだろう。
だからできることをやる。そうやって世界の広さを見て、前向きになる。
「高校時代とは体も心も成長したな」と、感じる。
勝負がついたらどんな景色が見えるだろう。
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