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『トマトのベトナム語発音大全』がベトナム語発音を学ぶのに最高過ぎた

こんにちは、石坂佳大です!

先日書いた下記の記事の中で発音がベトナム語学習においては非常に大事だという事を述べさせていただきました。

そして、ベトナム語の発音に関して何か記事を書いてみようかなと考えて色々と情報をまとめてみたりしていました

が、やめました

なぜなら、『トマトのベトナム語発音大全』を見つけてしまったからです!!!

もう私はベトナム語の発音に関する記事を書く気はなくなったので、こちらにお任せします笑

この記事では、私自身が『トマトのベトナム語発音大全』を読んでのレビューや、『トマトのベトナム語発音大全』がどのような方におすすめかを書いていこうと思います。

※ この記事は私が自分自身の意思のみによって執筆したものであり、この記事に関して一切の金銭、その他利益の授受等はございません。

お金を出してまで買う価値があるのか?

というわけでその『トマトのベトナム語発音大全』がこちらです。

このテキストの内容は、以下のように説明されています

・ベトナム人に通じるベトナム語を話すために必要な発音のルールとポイントが余すところなくすべてのっています。
・ベトナム語初心者からある程度話せる中級者まで、ベトナム語発音を広く深く、わかりやすく解説しています。
・北部弁と南部弁の両方に完全に対応しています。
・ネイティブベトナム人による発音の音声サンプルが付属しており、実際の発音をすぐにチェックできます。
・本テキスト購入者で、ベトナム語発音に関してわからないことがあればトマトに直接質問ができます。

はい、そしてこの記事有料となっておりお値段なんと

3,980円

高い

文字数にして44,800文字の大作とは言え、結構強気な価格設定です。やたら高い情報商材等と比べれば十分安い方ですが・・・

しかも、この『トマトのベトナム語発音大全』、あくまで発音にのみこだわって記述されており、使えるフレーズ、文法といった内容の記述は一切ありません。漢気溢れる発音オンリー。

私も正直かなり迷いました。そもそも私は個人レッスンで一年間ベトナム語を勉強済みなので今から発音を頑張って覚えるという状態でもないです。しかしここは1つ買ってみて、あまり良くなかったら仲間内でネタにでもすれば良いやと思い、思い切って購入しました。

コメント 2020-03-14 131845

早速読んでみた結果ですが・・・

私にとってはお値段以上の価値がありました!正直言って、ここまでの情報をまとめ上げるのは相当に時間のかかる作業だと思いますし、網羅性が高いだけでなく必要な情報が分かりやすく簡潔にまとめられています。3,980円は納得の価格です!

何がそんなにすごいのか?

そんな『トマトのベトナム語発音大全』ですが、これだけネット上に無料の情報が溢れている中で何が優れているのか?説明していきたいと思います。

その1: 北部弁、南部弁両方対応

ベトナム語の学習のための音声付テキストは世の中に数多くあるのですが、そのほとんどが北部弁に準拠しており、南部弁を学習することは北部弁に比べて教材の少なさの点でハードルが高いという現状があります。

北部弁が首都ハノイで話されている言葉なんだから、わざわざ方言を勉強する必要なくない?と思われるかもしれませんが、ベトナム語の北部弁、南部弁の関係は、例えば日本語の標準語と関西弁の関係とは全く異なります

ベトナム生まれベトナム育ちのベトナム人ですら、北部弁、南部弁の違いによって細かいコミュニケーションが上手くいかない事があるほど発音に違いがあり(語彙も異なる部分があります)、南部弁で育ってきた人に南部弁ではなく北部弁で話してくれと言ってもほとんどの場合は不可能です。

そのため、ホーチミン市、ダナン等で暮らす日本人はベトナム語の学習をする際に「これは南部弁でもそうなの?」という事をいちいち確認しながら勉強しなければなりません。

また、南部弁はベトナム語の中でもシェアが大きく、話者の数では北部弁よりも多いです。下図は『トマトのベトナム語発音大全』の中から引用させていただきましたが、この画像からも南部弁を解説しているテキストが少ないことの問題がご理解いただけると思います。

コメント 2020-03-14 135222

そしてこのテキストの著者である田畑トマトさんはこのように述べます。

日本で売られている市販の参考書のほとんどが北部弁に偏重しており、発音解説はどれも中途半端で、南部弁をきちんと説明している参考書はありません。
このテキストは私が南から北までベトナム全国を旅しながら暮らし、様々なベトナム人と交流しながら得た実践知と、文献等にある理論知を加味してできた総合的な発音解説書です。学者が机上の理論だけで書いたような参考書とは一線を画します。

「学者が机上の理論だけで書いたような参考書とは一線を画します。」
かっこいいですね!私もいつかこんな台詞を言ってみたい・・・

実際、テキスト中の解説に関しては北部弁の場合、南部弁の場合共に丁寧に説明されており、両方のサンプル音声が添付されています。

ホーチミン市、ダナン等南部を中心に活動する予定の方にとっては、この点だけでも十分に「買い」だと言えます。

その2: 声調、母音だけではなく、子音の発音の細部までこだわっている

ベトナム語の発音を日本人が学習する際に、声調、母音が学習の壁になるということは非常に良く言われます。なので、多くのベトナム語の学習サイトや学習動画でこれらについては取り扱われ、得られる情報も多いです。

しかし、子音の発音まで踏み込んでくると、解説しやすく需要も多い声調や母音の発音に比べて情報が粗く、少なくなってきます。

更に、子音は頭子音と末子音に分かれるのですが、末子音までくると詳しく解説しているテキストがかなり少なくなり、説明の内容も感覚に頼った抽象的なものが多くなります。

しかしこの『トマトのベトナム語発音大全』、子音の解説からも全く逃げていません!

末子音に関しては、一通りの説明では私は全然理解が及んでおらず、発音を先生に聞いて貰って正しいっぽい発音に調整していっていたのですが、このテキストでの詳細な説明を読んで、まさに目から鱗でした。

これらの説明のどこがすごいかというと、発音をきちんとした言葉で分解して説明するアカデミックな説明と、日本人学習者が正しい発音を見つけやすいように使える裏技的な説明と、どちらもが充実している点です!

私は難しく書いてある参考書の解説を読んで、「いやいや、そんな舌の位置とかで説明して分かる訳ないじゃんw」とそのようなアプローチを少し馬鹿にしていた所があったのですが、『トマトのベトナム語発音大全』の解説を読んで、逆にそのようにきちんと発音を言語化して理解することも必要なのだと思いました。

買うべき人、買わなくてもよい人

それでは『トマトのベトナム語発音大全』をベトナム語を勉強している全ての人におすすめするかと言われると、私の意見としては買うべき人、買わなくてもよい人が分かれると思いました。

どんなに良いテキストだと言っても合う合わないがあると思いますし、3,980円を支払った結果として、損した気分になる方もいると思います。

私が考える買うべき人、買わなくてもよい人は以下の通りです。

【買うべき人】

・ベトナム語の初学者で、正しい発音を限られた時間の中で最速で身につけたい人
・南部弁を中心に使用する予定があり、南部弁の学習を進めたい人
・ベトナム語の発音の基礎は既に学び、ある程度会話できるが、いまいち自分の発音が正しくないと感じており、発音の矯正のために正しい発音とはどのようなものか理解を深めたい人

【買わなくてもよい人】

・体系的な知識を持ったベトナム語教師の指導を受けている、あるいは受ける予定がある人
・ベトナム語の発音の基礎は既に学び、ある程度会話できていて、会話において発音の厳密な正しさをそこまで求めていない人
・たっぷりと時間を使ってベトナム語の勉強をでき、なおかつお金を節約したい人

最後の「たっぷりと時間を使ってベトナム語の勉強をでき、なおかつお金を節約したい人」について、補足したいと思います。

私は、『トマトのベトナム語発音大全』の価値はベトナム語の発音に関する知識が1つの記事内に洗練された形でまとまっている点だと考えています。一方で、この記事でしか手に入らない情報というのはあまりないのかなと推測しています。

理由としては、この記事の著者の田畑トマトさんが運営されている『トマトのベトナム語ボックス』(https://vietomato.com/)でもベトナム語の学習に関して非常に多くの記事が作成されており、『トマトのベトナム語発音大全』はそれらの記事の集大成だと思われるからです。

私自身全記事を確認したわけではないので分かりませんが、お金を節約する必要があり、逆に時間の制限はないという方は、こちらのサイトでもほぼ同様の内容をコツコツ学んでいくことも可能かもしれません。

それでも私は、お金を支払って『トマトのベトナム語発音大全』を読んで良かったなと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか!あまりにも感動してめちゃくちゃ推してしまったので、逆にアフィリエイトっぽくて胡散臭くなってしまった感がありますが・・・

もし興味を持たれた方は、是非購入を検討してみて下さい!

そして私は、まだまだ上には上が果てしなくいるものだと実感した次第です。

私の中で、会話の経験をどんどん増やすことがベトナム語に限らず言語の習得の最短ルートであるという考えは勿論変わっていないのですが、もっと上のレベルでは、経験的に身に着けたことをこんなにも適切に言語化できるものなのだなと。

ベトナム語に限らず、これだけの知識量と情熱を持って何かを作ることに私も挑戦していきたいと思いました。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。



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