ドメインネームってお金掛かるの?
タイトル通りの質問を受ける事が時折あります。答えはYES。ドメインネームの登録にはお金が掛かり、また権利更新の時にもお金が掛かります。ドメインネームに掛かるお金と言うシビアなトピックを通じて、ドメインネームがどうやって分配されるのか、業界の構造を見て行きたいと思います。
説明が面倒なので、早速ツリー図です。
まず、ドメインネームですが、ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)と国・地域別ドメイン(ccTLD)の2種類あります。図の通り、.COMとかがgTLDで、.JPとかがccTLDです。「え、じゃあ.ASIAはどっち?」「.NYCは?」「.TVは?」「.LAは国なの、ロサンゼルスじゃないの?全然分からない」と言いたくなりますよね。そうなんです、ドメインって数が多くて、何が何だか分からないですよね。ドメインがgTLDかccTLDなのか判断が付かない時は、このように覚えて下さい。
2文字はccTLD(国・地域別ドメイン)、3文字以上はgTLD
ccTLDはなぜ2文字なのか、2文字の配列は誰が決めるのかに関しては、以前『日本は「JPN」 - 誰が決めたのか』で簡単に触れていますが、国際標準化機構(ISO)が定めたISO3166-1 Alpha2に準じて割り当てられています。時折.UKのような例外もありますが(※イギリスのドメインは.UK、だたしISOではGB=グレートブリテンとしています)。。。
世の中へドメインを分配する大元は「Internet Corporation for Assigned Names and Numbers」頭文字を取ってICANN(アイキャン)です。ICANNは、ドメインネームとIPアドレスのインターネット資源を管理する立場にある民間非営利法人です。資源管理=.COM等全てのgTLDは基本ICANNの持ち物で、実は皆さんはお金を払って使わせて貰ってるんですね。ですので、所有ではなく「登録」です。厳密に言うと取得でなく登録だと思います。クルマのナンバーみたいですね。
また、上述の通りICANNと言う民間非営利法人が管理しており、特許や商標の様に各国法は無いのですが、ドメインネームはオンライン上でウェブサイトを展開し、メールの送受信を行う為に必要な権利であり資産と言えます。
では、ICANNが所有するgTLDですが、分配をする権利は「レジストリ(Registry)」に委任されています。ICANNが定めるサーバー条件などをクリアした法人が、ICANNよりgTLDの分配権限を委任されます。.COMはアメリカのVerisign社が、.BIZは米国のGodaddy社がと言う感じで、基本的に1gTLDの分配は1組織が行うモノポリーモデルとなっています。ちなみに、ドメイン登録数100万件を誇る.SHOPは、日本のGMO社がレジストリです。
レジストリの下流で、直接ドメインネームの販売をするのが、「ICANN認定レジストラ(ICANN Accredited Registrar)」です。レジストリ程厳しくないですが、管理システムやサーバー等の条件をクリアし、ICANNの認定を受けた法人がICANN認定レジストラとしてドメインネームの小売販売権を獲得します。基本的には、自社でレジストリ用のドメインサーバーを持ち、ドメイン登録画面を提供しています。管理画面は上流のレジストリやICANNと接続されているので、基本的な処理は瞬時に行われます。
レジストリが直接ドメインを販売するのですが、ドメイン登録業者の中にはICANNに認定を受けていないリセラーも存在します。リセラーとしてドメインビジネスを展開するのは、弁護士・弁理士事務所やウェブデザインの会社など、世の法人の権利化やインターネット関連ツールの提供をしている所が多い印象です。ですので、ドメインネームをより広く提供するためのビジネスモデルとして、リセラーが存在します。ドメインネームを登録している皆さんは、認定レジストラから直接ドメインを登録しているか、リセラー経由で登録しているか、二つにひとつです。
ICANN→レジストリ→レジストラ→リセラー、と見てきましたが、このようなルートを経て初めて皆さんのドメインネームが登録され、ウェブサイトやメールでの使用が可能となります。ちなみに、ドメインネームの登録者を、業界ではレジストラント(Registrant)と呼んでいます。
で、やっと本題です。ドメインネームの登録と管理ですが、サーバー等大掛かりなインフラがたっくさん必要です。ICANN、レジストリ、レジストラのそれぞれでドメインネームの管理に特化したサーバー等のインフラが必要であり、それぞれに費用が掛かっています。故に、皆さん=レジストラントからはドメインネームの登録や更新の費用として、係る組織がドメインの維持管理費用を徴収させて頂いています。レジストリ、レジストラ共にICANNの認定を受けた民間企業が多く、従ってドメインの費用には管理手数料などが含まれています。この手数料が、ドメイン登録業者の小売り金額の差となって現れます。最小限のサービスでさくっと使いたいときは安価なドメインネームの登録を、法人のオンライン上の権利としてドメインネームの管理を重視する、一定のセキュリティーを満たすオペレーションとシステムが必要、手厚いサポートが欲しい、等の希望があれば、多少費用を掛けて法人専門のドメイン業者に管理委託をする事も可能です。
何れにしても、ドメインネームの登録と管理には費用が掛かるので、自身・自社には何が最適であるのか、よくご検討下さい。
ドメインネームに関するお問い合わせは、Com Laude株式会社まで!